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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第18話『竜の目覚め』

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第18話その2

 コンビニから戻った新宿支部長は支部長室へと戻り、買ってきたペットボトルのコーラを開け、別の場所に置かれたテレビをリモコン経由で付けた。


『次のニュースです。組織的にトレーディングカードの転売を繰り返していた、グループメンバーの1人が逮捕されました』


 付けた早々、報じられていたニュースは先ほどの巨大ロボット関係の事件だった。読み上げているのは男性キャスターらしいが……。


 巨大ロボットの部分は伏せられ、更に加えれば警察が犯人を確保している場面が繰り返し流れているのを踏まえると、あの忍者ロボットも触れていないだろう。


『転売グループは、転売で得た利益をジャパニーズマフィアに回していたとみられ、同じマフィアによる転売ヤーグループの存在も……』


 ジャパニーズマフィアに利益を回している、というのは明らかにカバーストーリーだろう。


 すでに、そういった組織は日本国内に『存在しない』ことになっている。


 それも、前々の事件から関与が疑われていたのをガーディアンとは別組織が突き止め、制圧をしたという話だ。


 数か月前の事件ではなく、確か数年前の事件で根絶が確認された、というレポートをガーディアン内で読んだことがある。


 壊滅させた組織が組織なので表向きに『マフィアは壊滅した』とは書けない事情もあるだろうか?


「マフィアの残党でさえ、ブラックバッカラ事件などで壊滅したと聞く。転売ヤーなどに偽装して」


 マフィア自体、あの時にほぼ壊滅に追い込まれただけであり、わずかな残党が活動をしていた……というのが事実だろう。


 実際、レポートにも【マフィアの9割が一連の事件で壊滅したが、それでも1割弱は生き残って活動をしていた】とある。


「壊滅させた組織は何処なのか……」


 新宿支部長は色々と思うところがありつつも、現状のガーディアンでは動けないことを悩む。


 秋葉原本部の権限が一番上ではあるのだが、現状の本部であの事件をどう扱うのか……というのもあるだろう。


 ブラックバッカラ事件、それだけ様々な組織に大きな影響力を与えたのは言うまでもない。



 その頃、埼玉のゲーミングパソコンショップ、客足も相変わらずでバイトだけではさばききれるか微妙な情勢にもなっていく。


『店長、早く来てください。パソコンを知っているバイトがいるのがかろうじてのレベルなので』


 別の男性バイトの声が春日野(かすがの)タロウの耳につけているインカムから聞こえてきた。


 かろうじてといっても、タロウのいる店員の待機室からは駐車場の満車を示す看板は移動され、駐車スペースもある程度は目立ちつつある。


 駐輪場の方はどうか、というとこちらも満車とはいいがたく、自動でロックする形式の駐輪スペースというのもあり、自動的に満車の有無はわかるだろう。


「もう少し待ってくれないかな」


 車も駐車場から出ていく方の割合が多いので、自分が出なくても特に問題はないだろう、と思っている。


 他のバイトが頑張ってくれれば何とかなる……という気配だ。


『さすがに、それは厳しいな。早く来てくれ』


 次に聞こえてきたのは、スノードロップの声だ。


 彼女の声を聞くと、さすがにピンチなのだろう……と思えてくる。


 こればかりは仕方がないので、待機室を出て店内の方へ向かう。


(まぁ、今は問題ないか)


 彼が問題のないと考えていたのは、蒼影(そうえい)の事である。


 転売ヤーを撃破した忍者の正体、それはSNS上などでも明言されてはいない。


 蒼影と言及はしないが、ダンジョンで目撃されている忍者なのでは……という意見はごく少数あるが。



【令和になって数年後、日本では拡張現実技術を用いた『ハッキングオブウォーゲーム』が展開される事に】


【その人気は運営も想定しないようなブレイクとなり、ユーザー数は増えていった】


【その一方で炎上勢力などが動き、コンテンツ炎上をたくらむ動きもあったようである】


 新宿支部の支部長がチェックしていたのは、とあるWeb小説である。


 タイトルは『ハッキングオブウォーゲーム』、よくあるようなゲーム物の作品だった。


 同名作品のアニメが展開されたり、グッズも販売されているのを踏まえると、コンテンツとしてはヒットしているように見えるだろう。


「これがフィクションとは思えない。ある程度の脚色はあるかもしれないが」


 実際、同名のゲーム作品は展開されており、現在も現役で稼働している店舗があるほどだ。


 名称が偶然被っただけ、という可能性もゼロではないのだが、新宿支部長は何かを懸念している。


 小説で書かれた出来事が数年後に現実化、のようなケースもゼロではない。


「果たして、これは忍者構文と関連性はあるのか……?」


 小説の方をある程度呼んでいくうちに、新宿支部長はとある記述を発見する。


 それはブラックバッカラの記述なのだが……まさかの記述を発見したのだ。


(竜? 龍ではないのか?)


 ダンジョン配信物ではないのだが、とう人物の名前に竜が使われている人物がいた。


 登場人物も現実にいたら、それこそプライバシーが……とか言い出す勢力が現れかねない。


 それを踏まえると、龍とするはずが竜の漢字が使われている位は許容範囲内だろう。


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