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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第9話『雪華ツバキ、初配信します』

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第9話その3

 ダンジョン(しん)のダンジョンに入った雪華(ゆきはな)ツバキだったが、そこでくノ一のタケと遭遇した。


「どうして、忍者構文の忍者以外にも忍者が存在する、と考えない? 忍者構文だけが忍者と考える、その思考判断は危険だ」


 ツバキは、あの時のタケの発言が気になっていた。


 確かに忍者と言えば教科書にも数人書かれていたり、忍者漫画やアニメ、小説などにも存在する。


 海外でもジャパニーズニンジャとして注目されている個所を踏まえれば、確かに忍者構文だけが忍者と決めつけるには……という意味でも一理あった。


 先ほどのタケの発言、忍者をアイドルに変えれば、何となく言いたい事は分かるだろう。


 つまり、そういう事なのかもしれない。


「唯一コンテンツなんて、やはりどこにもない……という事か」


 ツバキは若干仕切り直し、行動することにした。



 タケと遭遇してから数分後、ツバキはあの騒動のあった装備販売のコーナーへ向かう。


「先ほどはすまなかったねぇ。ああいう転売ヤーが来るのは日常茶飯事なのだが、今回は規模が規模で……」


 店員と思わしき男性も、日常茶飯事的に転売ヤーが来るのには慣れていたが、ここまでの騒ぎになったのは初めてらしい。


 ダンジョン神のダンジョンで装備販売が始まったのは、つい最近のはずでは……。


 何故、転売ヤーがそれをピンポイントで大量に押し寄せてきたのか?


 最新のものを発見し、それを転売すれば売れると考えるのはどのジャンルも同じかもしれない。


 結局は、どのようなコンテンツでもこうした違法に儲けようとするような勢力は後を絶たない……のだろう。


「今回は……って? 確か装備販売所が解禁されたのは……」


「販売を始めたのは確かに、つい最近だ。しかし、どこからか情報を得た転売ヤーが大量に来たのは……今回が初めてだ」


 装備の方を見て、店員がつぶやくのだが……何が狙いなのだろうか?


 その後も、いくつかの装備の方を見つつ、彼はつぶやきを続ける。


「運営もガーディアンへ通報することを視野に動いているようだが……」


 運営というとダンジョン神の事だろうか? どちらにしても転売ヤーを減らすために動いているのは事実らしい。


「君も同じような転売ヤーなのかい?」


「いいえ。自分は転売ヤーではありません」


 店員の質問に対し、ツバキは転売ヤーではない、と答える。すると、店員はふと思い出したかのようにどこかへと姿を消した。



 店員が姿を消してから2分と経過しないようなタイミングで、彼は1枚のカードをツバキに渡す。


「これは、ある場所に置かれているものを起動するためのキーだ。これは本来であれば入場者特典として配る予定だったが、あの転売ヤーの件もあるだろう?」


 カード自体は半透明で何かのラインが描かれているのは分かる。しかし、文字などは何も書かれておらず、使用用途も不明だ。


 これをダンジョンの入場者に渡す予定だったが、転売ヤーによる大量出品などを恐れて、配布は中止にしたらしい。


「説明書もつけた状態で渡す予定だったが、転売ヤーの件もあって配布は中止。説明書は印刷せず、カードだけが数枚発行されている」


 説明書なしで、どうやって使うのだろうか……と店員の発言を聞いて思うが、せっかくなのでツバキはもらっておくことにする。


「場所というのは……」


「そのカードが示してくれる、とだけしかわからない。しかし、例の開かずの部屋とは別なのは明らかになっている」


 店員の発言を聞き、ここでSNS上でも話題の開かずの部屋に関して聞かされることに……。



 開かずの部屋、それは各ダンジョンのエリアにある1つだけ存在する場所で、そこには何かがあるとだけ言われている。


 一説によると忍者構文で重要な秘密が隠されているという話だが、その真相は謎に包まれていた。


 既に蒼影(そうえい)がエリアを解放したというような話も拡散しているが、解放したとしたら大きな騒ぎになってもおかしくはない。


 それこそ、先走りすぎた『バズり』勢による承認欲求稼ぎなのは目に見えているだろう。


「そうか、そういう事なのか」


 転売ヤーの根絶を目的に配信するよりも、やはりポジティブな話題で配信した方がよほどいい。


 実際、ゲーム配信をしていた時もネガティブな話題には切り出していないのだ。


 それを踏まえれば、今までやってきたゲーム配信のノウハウをそのまま生かせばいいだけの話だったのである。


 ダンジョン配信だからと言っても、配信に限れば初めてではないのだ。単純な話、ゲーム配信がダンジョン配信になっただけ。


「ここから始めてみるか、ダンジョン配信」


 そして、ツバキはダンジョン配信を翌日から始めるため、準備も踏まえて一旦ログアウトする。



 一方でタケは、ダンジョン内部の第2エリアへ到着し、そこで開かずの部屋を目撃した。


 部屋の形は色が若干違うのみで、第1エリアのものと同じだ。それに加えて、誰かが解放した形跡もない。


「これと同じものが、更に2つ……合計4つか」


 第5エリアは解放されていないため、事実上の4つが存在することになる。


 タケは開かずの部屋を解放することが目的ではなく、あくまでもダンジョンの偵察が目的だった。


「一体、ダンジョン神は何を考えてダンジョンを生み出したのか……」


 ダンジョン配信が広まりつつある状況で、リアルダンジョンが迷惑配信者の影響で低迷し、ARダンジョンやバーチャル空間のダンジョンがブームになりつつある。


 その一方で、タケは一連の動きが何者かによるマッチポンプであることも疑っていた。


 全ては、まだ始まったばかりなのである。

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