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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第70話『あの空の先に向けて、新たなコンテンツが動き出す』

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第70話その1

・2025年8月10日付

TALES版更新に伴う修正。


汗ひとつ書いて→汗ひとつかいて

『前回の、対電忍はーーー!!』


 もはや天丼かもしれないが、アニメ版のガンライコウのナレーションで始まる。


 映し出されている場所は、ガーディアン秋葉原本部なのだが……どういうことなのか?


 なお、姿に関してはスマホ型の着ぐるみの方であり、あちらではない。



『忍者構文、それは300年前から実施されていたSNS炎上の仕組みを暴こうとしたシミュレーションだった!』


『その事実がフェア・リアルによって告げられたことにより、海外などでもSNS炎上による事件は縮小し……』


 途中までガンライコウがナレーションで読んでいたのだが、途中で止まる。これは、いわゆる機器トラブル的な意味ではない。


 BGMも流れているのだが……。


「そうだ、そうだ。忘れていた。今回が対電忍の最終回なんですよね」


 唐突にガンライコウが着ぐるみを脱ぎだし、そこから素顔を見せる。


 この姿自体、何度かは登場しているものの……こういう形で出るのは初だろうか。


 汗ひとつかいていないように見えるのは、いわゆるCG的な仕様かもしれない。


 確か、あの次回予告は特撮版ベースの予告だったのではないか、と思われるが実際には違っていた。


「最終回と言う割には、色々と残された伏線などもありますけど」


「一体、どうなっていくのでしょうか。メディアミックスなどで回収されていく、みたいな流れになるかもしれませんが」


 その後もしれっとだが、彼女のメタ発言は続く。


 一体、対電忍とは何だったのか……それを踏まえると、何となくわかるような発言かもしれない。


 様々な解釈が存在し、それが時として解釈違いなどとしてSNSで炎上していく、そういった事例は忍者構文に限った話ではないだろう。


 今も様々なコンテンツで炎上騒動が発生し、それを利用してもうけようというインプレゾンビや悪質なまとめサイト管理人などの存在がある。


 そうした勢力を一掃し、新たなコンテンツ流通を構築しようというのが、対電忍のやり方でもあった。


 だからこそのアニメ版、特撮版、漫画版などのメディアミックスを展開していき、それがこの流れになったともいえるのだろう。


【本作はフィクションですが、忍者構文は実在します】


 対電忍のアニメ及び特撮版はフィクションである。しかし、忍者構文は実在するのだ。


 これももはやテンプレではあるのだが、SNS炎上は他人事ではない。だからこそ……今の状況を変えないといけないのだ。


 SNS炎上を、いわゆる戦争と考えて何としても阻止しようという勢力もある。ガーディアンも、その一つなのだろう。



『それでは、本編の方をどうぞ!』


 今回は色々とメタ発言が多く、切り抜き版と言わんばかりなカットシーンが存在した。


 いわゆるディレクターズカット版でフォローと言う手法なのか、それとも諸事情によるタイムリー案件でカットだったのか……。


 どちらにしても、これが対電忍の作風と言われれば突っ込みようがないだろう。これが公式がお出ししてきたものなのだから。



【12月某日】


 このテロップと共に切り替わったシーン、それは埼玉県内にあるARダンジョンだった。


 ダンジョンと言っても、ダンジョン(しん)のような存在が生み出したものではない。


 ARダンジョンのイベント会社が運営している、いわゆる公式のダンジョンと言えるだろう。


 リアルダンジョンの存在も、完全に消滅したわけではないのだが……SNSで晒されて炎上、その流れから閉鎖という展開が繰り返されている。


 ダンジョン神の存在は消滅したのかもしれないが、ダンジョン配信まで同時にブームが去ったのかと言われると……そうではない。


 むしろ、状況は逆と言える。


 この日の天気はくもりだが、ARダンジョンは天候に左右されることはない。


 天気が影響するとすれば、雪であったり豪雨などの荒れた天気に限定されるかもしれない。


 オケアノスに代表される屋内にARゲーム施設を持った場所もあるので、雨で中止のようなパターンになることも少ないだろう。



「まさか、このような展開になるとは」


「こっちもだ。ダンジョンの方は、今までの反動から予想外の展開を迎えている」


 ダンジョン神の影響で、ダンジョン配信は炎上の危険性がある……という少数意見もあった。


 それでも、炎上のリスクは百も承知でダンジョン配信をする配信者は存在する。


 この光景を見て驚いているのは、ガーディアンのメンバーの方だろう。


「炎上勢力は、様々なジャンルで存在し、今も活動していると聞く」


「インプレスパム勢も、いつしかインプレゾンビと言われて無尽蔵に現れる。根本的に規制法案も必要なのでは……」


 そんな会話をしているガーディアンメンバーだったが、それ以上に驚く光景は数分後に起こる。


 一部の配信者が暴走したわけではなく、だからと言ってダンジョンが急にアクシデントで機能しなくなったわけでもない。



「君のような人物が、ここに来るとは予想外だ」


 ガーディアン渋谷支部支部長のリーガルリリー、彼女はガーディアンの制服こそ着ているのだが、ARメットは装備していない。


 さすがにガーディアンが運営しているような施設ではないので、チートと疑われるようなガジェットを使用できないという事情があるのだろう。


 その彼女が目撃した目の前の人物とは……一体?


「こちらも、ゲーミングパソコンショップを経営しているとはいえ、プロゲーマーだからねぇ……」


 目の前の私服を着た男性、その顔にはリーガルリリーにも明らかに見覚えがある。


 かつてプロゲーマーともいわれていた人物、春日野(かすがの)タロウだ。


 彼にはロウ・アバターと言う別の姿もあるのだが、その辺りはリーガルリリーと同じだろうか?


「ゲーマーである以上、そこにゲームがあれば姿を見せる、と」


「そう理解してもらえると、助かるね」


 リーガルリリーは彼がここに来た理由を尋ねようとも考えたが、そこまで言及してタロウが簡単に話すのか、と言われると難しい。


 そのため、彼女はさらりと目的を聞こうとした。しかし、それも失敗と言うオチに終わる。


 炎上勢力も姿を見せていないのは明らかなので、その路線でタロウがやってきたというリーガルリリーの考えは外れた。


 しかし、このARダンジョンにピンポイントで姿を見せたのには理由があるのではないか、その路線で彼女は考え続け……。


(こちらとしても、炎上勢力が来るとは考えていないが……万が一もあるからね)


 タロウは、ここ最近の忍者構文関係で配信者などが触れない件について、気になっている箇所があった。


 一連の事件はすべてが解決したわけではなく、大まかな部分が解決したに過ぎない。


 300年前にシミュレーションしていた部分、そこは解決したのだろう。しかし、全てが解決したわけではない。


 様々なものに、イレギュラーは付きものである。 



 その後、オープニングテーマが流れたりすることはなく、そのままタイトルロゴが表示された。


 もしかすると、いわゆるオープニングテーマはカットと言う演出だろうか?


 そう断定するには……と言う気配もするかもしれないが、タロウとリーガルリリーのやり取りが始まった辺りで、下の方にキャストテロップが表示されていたので間違いはない。


 役名表記がないので、ネタバレ防止路線の演出だろう。


 果たして、対電忍は今回のエピソードで完結するのか?


 完結と言うには課題は残る路線で終わる、もしくはSNS炎上防止と言う意味で作られた作品の為に「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドもありえるだろう……。



【対電忍、いよいよ決着へ!】


【忍者構文は、このまま消滅するのか? それとも……】


 提供テロップは、引き続きのメタ発言連続な展開である。


 ここでいう決着とは、本編の決着と言う意味かもしれない。


 しかし、課題は山積みであり……その量を察するに決着するとは思えない箇所もある。


 対電忍とは何だったのか? 様々な意味でもネットミームと化した一連の事件は、ここに最終回を迎えようとしていた。


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