表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第64話『ガーディアンの反撃《カウンター》』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

194/213

第64話その2

【ガーディアン、遂に反撃開始!】


【彼らを襲撃してきた勢力の正体とは?】


 提供の上下にあるスペースでは、上に最初のテロップ、下には次の……。


 まさかのシーンには驚くが、ガーディアンが防戦ではなく攻撃に転じるという意味では大きいか。


 果たして、彼らが遭遇した勢力の正体とは……。


 このテロップを踏まえると、単純に炎上勢力とは言えない……という事なのかもしれないが。



 同日の昼頃だろうか、ガーディアン秋葉原本部に緊急の連絡が入ったのは。


『とある勢力が、秋葉原に向かっている。直ちに……』


『繰り返す。とある勢力が秋葉原に向かっている。直ちに……』


 男性の声だろうか? 本部長室にいるガーディアン秋葉原本部の男性本部長にとっては、聞き覚えのない声なので無反応ではある。


 しかも、これは一方通行形式なので連絡に出たとして向こうが反応はしないだろう。


「外の様子はどうだ?」


 しかし、気になる部分はあるので本部の外にいるガーディアンへ連絡は行った。


 万が一があっては困るのもあるだろうが、以前の襲撃も踏まえると……油断はできない部分もある。


『レーダーに反応はありません。いわゆるステルスの可能性もあるので、目視確認もしていますが……』


 秋葉原駅近辺のガーディアンの男性メンバーに連絡を取るも、大きな動きはない様子。


 しかし、ハッキングなどの手段を取られれば……身動きは取れなくなるだろう。


『それでも、他の支部へ応援要請済みです。万が一はあってはいけませんので』


 この通信を最後に、途切れてしまうが……敵の襲撃を受けたからではない。


 その理由は別にあった。



「悪意を持ってコンテンツを炎上させ、まとめサイトなどでアフィリエイト利益を得ようとする……そうした勢力は存在すら許されない!」


 救援要請を受け、ガーディアン北千住支部の女性支部長であるパフィオペディルムがこの場に駆けつける。


 そして、開口一番に光の剣で、まとめサイト勢力を一振りだけで一掃していく。


 彼女の使用している7ARガジェット、それには剣の刃はないのである。


 いわゆるビームサーベル的な、と言うべきか? 


 彼女としては、悪意を持って炎上させ、売れなくなったから炎上させて証拠隠滅をするようなお気持ち勢のやり方には反発をしていた。


 彼らのやっていることはテロリストのそれであり、300年前から懸念されていたことだから。



「君たちは超えてはいけないラインを超えてしまった。炎上勢力を絶滅させ、二度と現れないようにするのが……我々だ」


 パフィオペディルムとは別の場所、そこで炎上勢力を一掃していたのは渋谷支部の支部長であるリーガルリリーである。


 彼女もまた、いわゆるインプレスパムなどの勢力に対して後手になっており、一掃するタイミングを……と思った矢先で、秋葉原本部の救援要請が入った。


 ある意味でも渡りに船なのだろう。


 彼女は片腕でスナイパーライフルを持ち、道路などに固定せずに狙撃を行っている。


 明らかにリアルではあり得ないような運用方法だろう。


 しかし、ARガジェットの重量は1キロにも満たないものが大半を占めるという話だ。


 明らかに実在するような金属ではなく、架空のファンタジーで見かけるような名前の金属でも使っているのだろうか?


 そういったことを思わせるようなレベルで、ガーディアンのガジェットには未知の何かがあるものが多いのである。


 その後もリーガルリリーは炎上勢力を討伐していくことになるのだが……。



「炎上勢力は去るがいい! コンテンツはブラックマネーを得るための素材じゃない」


 リーガルリリーの次に登場したのは、池袋支部の支部長ではあるデンドロビウムだ。


 彼女の場合はARガジェットを使用しての瞬殺ではない。格闘技が得意という事もあり、パンチなどで相手を撃破していく。


 キックを使わないのは、メイド服のスカートの関係上だろう。


 それに、パンチと言ってもかなりの威力であり、衝撃波だけで半径数メートルの炎上勢力アバターを瞬時に消滅させていた。


 このシーンから次のシーンへ行こうとした瞬間、画像が停止する。


 これは、いわゆる放送事故ではない。意図的に、動画の再生を誰かが止めたのだ。


 先ほどまでの特撮版対電忍は、パソコン経由で視聴していた動画……という事になる。



 この他にも様々なガーディアンの支部長が炎上勢力を討伐していくシーンもあるのだが、ここでは割愛。


 メディアミックスなどで映像化される可能性はあるだろう、という一方でここで触れるべき重要な話題に触れていない。


 ここでは、そちらに触れていこうと思う。



「まさか、独自に300年前を検索していた人物がいて、それが……と言う状態になるとは思わなかったが」


 次のシーンは、まさかともいえる草加駅近くのネット喫茶だった。


 ここは過去に別の作品などで題材になったり、コラボしたこともあるので別の意味でも聖地となっている箇所はある。


 そこで先ほどまでの特撮版対電忍を見ていたのは、初登場時の衣装のままでARメットを外したホワイトクラッカーだった。


 途中で再生ボタンを押して一時停止したのは彼である。


 何故に彼が動画を止めたのか? 対電忍がテレビアニメ、もしくは特撮として存在する世界である以上、そういう事かもしれないのだが。


「特撮版にしても、テレビアニメ版にしても300年前の悲劇を研究したうえで、ここまでの物をコンテンツとして展開するとは……」


 ホワイトクラッカーは、ある意味でも特撮版及びテレビアニメ版のスタッフに白旗を出すような状態でもあった。


 確かに、300年前の事実は史実でもあり、フィクションではない。歴史を題材にしたドラマでも史実ではあるものの、エンタメ的な脚色は含まれている。


 もちろん、それは対電忍にも言えることだった。祈羽(おりはね)一族も、それを把握したうえで……と言う行動をとったのが、この結果になったのかもしれない。


 SNSを揺るがせるような事件は過去にも何度かあった。


 それでも史実であるにもかかわらず、一歩間違えれば炎上待ったなしな忍者構文が、ここまで……と言うのはあるだろう。


 ホワイトクラッカーも、その点に関しては疑問に思っている。同じクリエイターとしても……。


「300年前に起きた一つの事件、蒼影(そうえい)のからくり版が起こしたと思われる、あの事件を調べる必要性があるのかもしれないな」


 以前、彼は祈羽一族の博物館へ行き、事件の歴史的資料を目撃していた。


 現代風に言うと『フェイクニュースを拡散し、一つの村を混乱させて占領する』という、ある意味でも戦国時代ものの小説で使われていそうな手法である。


 しかし、これが予言の書と言われるようになるのは、令和になってからだった。


 それまでは内容があまりにも飛躍していて、ある意味でも昔の文豪が書いたもの、と錯覚したのだろう。


 果たして、彼の言う300年前とは何なのか?



「300年前……か」


 忍者構文の真実を知り、驚いていたのは祈羽一族内でもそうだった。


 一族外でもまとめサイトなどで炎上させる勢力がおり、それでアフィリエイト収入を得ているという話である。


 しかも、その利益は億単位……ともいわれているが、真相は不明だ。


 ここまでくると株式投資よりもまとめサイトで炎上させた方が儲かる、と言うようなレベルかもしれない。


(忍者構文に隠された事実、蒼影の誕生と関係があるのだろうか?)


 自室のパソコンでSNSをぼーっと見ていたのは、祈羽(おりはね)フウマである。


 いわゆる無気力状態と言うわけではない。あの事実を聞いてもなお、忍者構文の事実を伝えるべきなのか……と。


(ヒャクニチソウは、コンテンツとしての忍者構文を広めようとしている。それこそ、対電忍のような……)


 姉であるヒャクニチソウは、忍者構文をコンテンツとして広め、一族の活動資金を集めようとしていた、と言うのが真相らしい。


 確かに先代の忍者構文を風化させることなく……と言う個所としては理にかなっている。


 しかし、炎上のリスクだってあるだろう。ヒャクニチソウがそれを知らないわけはない。


 ブラックバッカラ事件や今までのSNS上で起きた炎上事件を踏まえれば、火を見るよりも明らかだ。


「確かに、あの作品のスタッフは忍者構文に理解したうえであの作品を作り上げた。それでも……」


 世の中には完璧(パーフェクト)を求める人間もいるだろうが、どこをどういう形で完璧(パーフェクト)な話とするかは判断材料が乏しい。


 忍者構文がネットミームとして拡散している今、それに終止符を勝手に打ってもよいのか……というのもある。


 フウマは別の意味でも選択を迫られていた。ヒャクニチソウと直接対決をして真意を確かめるか、それとも……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ