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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第63話『直接対決! ヒャクニチソウ対アルストロメリア』

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第63話その2

【アルストロメリアとヒャクニチソウが直接対決に!】


【果たして、本戦へ進むのはどちらなのか?】


 本戦が実際に放送されるのかは別として、どちらが勝つのだろうか……と言う個所はある。


 果たして、勝つのはどちらなのか?



『準備は完了したか?』


「こちらの準備は、もうすぐ終わる。ガーディアンも気づいていないようだ」


 とある場所、予選会場からは若干離れたマンションが立ち並ぶような場所で、ある男性がスマホを操作している。


 遠目から見ると、歩きスマホをしているような光景ではないためか、誰も指摘する様子はない。


 スマホの操作と言っても、やったことはアプリのダウンロードと起動だけである。


『こちらも向こうに気づかれないように、このアプリを用意するのは至難の業だったのだ。無駄にすることのないように……』


「どうした? 何があった」


 途中でスマホで会話していたと思われる人物も、ノイズを原因に会話が途切れる。


 周囲を彼が見渡すのだが、人影は通行人や近隣の住民であり、ガーディアンらしき人物はいない。


 何があった、とは言いつつも……慌ててしまっては気づかれる危険性があるので、途中からはリアクションも控えめにしていた。


『この通話に出ている人に告げる、お前たちに逃げ場はない』


 次にスマホが復旧し、流れてきた声に関しても反応は控えめだ。


 下手に驚けば、それをガーディアンに気づかれる危険性もあったからである。


(この声、どこかで聞き覚えが……?)


 男性は、流れてくる声に若干の覚えがあった。まさか、とは思うが……。


『スマホの履歴などから、ハッキングツールを発見し、すでにガーディアンへ通報した。すでに……』


 まさかの展開となった。何と、スマホの履歴などを瞬時に調べ、ハッキングツールを発見したというのだ。


 更に言えば、既に削除していても無駄と言わんばかりの物であり……。


「まさか、こういう形でクラッカーを大量に摘発することになるとは」


 瞬時に姿を見せたのは、まさかのガーディアンだった。ステルス迷彩を装備し、気づかれないように尾行をしていたらしい。


 この展開には、クラッカーの方も驚いているようだったが。


 このガーディアン、実はと言うと大宮支部のメンバーでもあった。


 密かにステルス迷彩を正式実装できるレベルで用意していたと思うと……と言う個所はあるかもしれない。



『そちらの指示通りに配置したところ、クラッカーを大量摘発できたようです』


「お疲れ様……と言うべきかな」


『しかし、その中の一部は時限式のプログラムを準備していたようで、そちらの方は……』


「時限式か。どこかのアニメみたいにサーバーと物理的に遮断しても、切れないような物だったら複雑になりそうだな」


 大宮支部のメンバーと会話をしていたのは、めがねをかけたガーディアンの制服を着た男性支部長。 


 彼が別のルートで手に入れた情報をもとにして、クラッカーを発見したのである。


 ただし、クラッカーの発見に使用したアプリ、それを作ったのは大宮支部ではない。


『そうでないことは祈りたいですが、調べたところ……』


「それはそれで、大変な効果と言うべきか」


 メンバーからクラッカーの使用していたデータの詳細を聞き、大宮支部長は複雑な表情を浮かべる。


 特にサイバー攻撃や機密情報を狙ったようなものではない箇所も気になるが……。



「まさか、こういう展開になるとはね」


 ガーディアン草加支部の事務室。そこには、フエアリアルの姿があった。


 色々な意味でも、忍者構文の価値を下げるような展開にした張本人ではあるのだが、それを指摘するような声はない。


 これに関して言えば、同じメンバーであるガラハッドからも何か言われることは覚悟していたからだ。


 しかし、実際に指摘されることはなかったという。


(クラッカーが摘発されるのは想定の範囲としても、まさか……)


 摘発されているクラッカーの数は、まさかの数百以上である。


 もしかすると、いつの間にかダウンロードさせられていた路線もあり得るだろうが……定かではない。


 どちらにしても、このプログラムを生み出した元凶が誰なのか、と言うのはあるだろう。


「これも祈羽(おりはね)一族の仕業だとしたら……?」


 フエアリアルとしては、色々とクラッカー対策のプログラムやセキュリティを担当しているのだが……。



【直接対決! ヒャクニチソウ対アルストロメリア】


 次のシーンでサブタイが表示され、再び予選会の会場に戻る。


 すでに予選は始まっており、50名ほどが無事に終了し……と言う具合だ。


「ここまでは順調か」


「順調? 明らかに波乱でしょう」


「どういうことだ?」


「レジェンド枠に入りそうな候補が、失速しているのは明らかに……そうでしょう?」


 先ほどまでのプレイヤーを見て、ギャラリーは別の意味でも不安要素があるのでは、と思っている。


 レベルが上がっているのは確かかもしれないが……。


「しかし、あの時の祈羽フウマが出ていたときは、ファイナルステージ到達者がいた一方で……」


「ファイナルステージは、難易度が決して高いわけでもなかったはずだが」


「確かにそうだ。あそこだけが単純に高いわけではない。他のステージも含め、通しでクリアするのが困難と言うのが正しいか」


「そういうものなのか」


 二人の会話は続く。


 その中で予選でもスコアが高い人物が何人かいたようだが、彼らには有象無象に見えているのだろう。


 彼らの目的は、あくまでも祈羽フウマを超えるような存在である。初出場で予想以上の活躍をした、彼の再来を……。



『ここで、まさかの人物が姿を見せました!』


 実況の男性は、本戦と同じ人が担当しているのだが……その彼もプロフィールと言うか事前情報を見て、驚きを隠せないでいる。


 すでに予選では90人は姿を見せた所であり、その中で高いスコアをたたき出した人物は少ないだろう。


 予選通過のボーダーライン、そのスコアが上がるかどうかは、このプレイヤーにかかっているといってもいい。


 そのレベルでのプレイヤーなのだから……。



 スタートラインに立った人物、それはARスーツにも似たようなラバースーツを着用した女性である。


 ARメットの着用はNGだったので、スポーツ用ゴーグルをかけているのだが……どうやら伊達メガネっぽい。


 その彼女が走り出すと、その様子は別の意味でも予想外とも言えるような動きを見せた。


 文章で書くよりも、映像化された方が手っ取り早いようなスピードで障害物を突破していき、その様子は……。


『まさかの予選会で、祈羽一族の忍者が、またしても奇跡を起こすのか?』


 実況の男性も、この様子を見て驚くしかなかったのである。


 事前情報は実況時にも読み上げていないのだが、まさかの祈羽一族の末裔の一人とは……予想もできなかっただろう。


 本名は提出データでも記載せず、ヒャクニチソウとしてそのまま書類を通過させていた。


 周囲や実況も驚くのは無理もないだろう。祈羽一族なので、最低でも祈羽は確定だが……。


『そのスコアは……まさかのハイスコア更新です! これは信じられません!』


 別の意味でも実況は驚き、周囲のギャラリーも盛り上がったのである。


 スコアは90人は知ったメンバーよりも一番上であり、明らかにドーピングをしたのではないか、と疑われても不思議ではない。


 しかし、周囲からそうした声が出ないだけでなく、そういった発言でさえ黙らせてしまう……それが祈羽一族だったのである。 


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