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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第62話『最終決戦の序曲』

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第62話その2

【まさかの刺客がツバキを襲う!】


【ガラハッドの真の目的とは?】


 提供枠のテロップでもフラグな発言が書かれている。


 確かにガラハッドの目的も気になるが……。



【最終決戦の序曲】


 アバン終了後、早速だがサブタイが右下に表示される。


 ついに最終決戦と言う気配だが、誰と戦うのかも気になる所だ。


 場所は、ダンジョンフィールドの入口。あの3人は、まだ中には入ってないのである。


 ギャラリーが出来ている様子はなく、逆に彼らをスルーしている通行人が多いかもしれない。


 ARフィールドが展開されているのも、その理由のひとつかもしれないが。



「デンドロビウム……貴様を呼んだ覚えはないのだ」


 動画配信者ガラハッド、彼は今まで忍者構文の考察を投稿していた人物であり、ある意味でもナレーション担当をしているといってもいい人物だった。


 しかし、祈羽(おりはね)一族の先代による発言などが影響し、今まで考察されていた忍者構文も明らかになっていき、人が離れていったのである。


 自分の投稿した動画にもダイレクトに影響されており、投稿すれば数十万再生は余裕だったのが、今は数万再生がやっとの状況だ。


 今まで順調にことは進んでいたはずなのに、まさかの先代の発言で全ては水の泡になってしまったという……。


 彼はガーディアン草加支部でも同じような行動をする一方で、実はSNS炎上勢力とは違うコミュニティに情報を流していたのだ。


「しかし、分かっているだろう? ガーディアンにSNS炎上を広げるような人物を配置するようなことはしない、と」


 何故、デンドロビウムがここにやってきたのか? ガーディアンとしては裏切り行為を許さないというのはあるだろう。


 過去に炎上系配信者がガーディアンの定例会議に入り込めたという話もあるが、それらは別の支部の作戦で一掃されたと聞いている。


 つまり、それを踏まえれば今回の件に関しても……。



「では、あなたを代理に派遣させたとして、アルストロメリアはなぜ来なかったのか?」


「あーそれね、丁度、あのアトラクション番組の予選会とブッキングしていてねぇ……どうしても無理という事で」


 ガラハッドの真剣な質問に対し、デンドロビウムはしれっと言及して受け流す。


 そういえば、年末に特番があるらしいという話があるのだが……まさか、対電忍とコラボでもするのだろうか?


「こっちとしてはリーガルリリーなら何とかしてくれると思ったから、そっちに振ったら『ソシャゲのコラボイベントがあって行けない』とか言い出して……」


 デンドロビウムも、まさかの発言である。


 本来であれば、渋谷支部の支部長であるリーガルリリーに投げる予定が……という事で、ここに来たらしい。


「こちらとしてはアルストロメリアが来ることで目的を達成できると思ったのだが、まさか……」


 ガラハッドは、手に持った冷気を放つ剣でデンドロビウムに斬りかかろうとする。


 しかし、この剣もARガジェットの一種なので、殺傷能力はない。


 更に言えば、剣の刃はデンドロビウムに命中のエフェクトも発生せず、すり抜けてしまう。


 一体、どういうことなのか?



「こっちとしては、ね。強硬手段には出てほしくなかったかな」


 デンドロビウムは、ガラハッドが話を聞く様子ではないと判断し、拳を構える。


 しかし、本当に戦闘の意思があるとしたら、ARガジェットの電源を落とすようなことをするだろうか?


(向こうは、意図的に何かを狙っている?)


 ガラハッドの動きに対し、雪華(ゆきはな)ツバキは何かの疑問を持つ。


 向こうの動きもそうだが、デンドロビウムの方も……と言う具合がするだろう。


「……まさか?」


 ツバキは背後に何者かが迫っていたのを気づき、即座に回避行動に出た。


 実際、ARガジェットにも反応が出ていたので……あからさますぎるのかもしれないが。



「まさか、ここにきてお気持ち表明とは、な。ガラハッド」


 突如としてツバキの背後から現れたのは、コスプレイヤーの男性だった。


 そのコスプレは、デンドロビウムとガラハッドには把握できないようなものである。


 ガーディアンの制服で襲撃しなかったのには、もはやガーディアンの偽装をして炎上させる必要性がなくなった、と言うべきか?


「あなたは一体……」


 ツバキの方が距離を取り、男性コスプレイヤーに向けてARガジェットのブレードを構える。


 それを見た男性の方は、自分の身長位のピコピコハンマーを展開した。大体、170センチ位だろうか?


 彼はふとツバキの方に視線を向けたのだが、しばらくしてガラハッドの方に向ける。


 外見的にはガーディアンとは違う意匠を持ち、明らかに敵勢力と言えるような特徴を持つ。


 下手したら、新たな敵が出現してガーディアンが壊滅し……と言う光景も予想出来てしまうだろう。


 その彼の目的はガラハッドであって、ツバキではないらしい。ツバキの知名度も、そこまで低くはないはずなのだが……。



「俺の名は、炎上系配信者の……」


 男性コスプレイヤーが全てを言い終わる前に、彼は蒼影(そうえい)によって秒で無力化されてしまった。


 ツバキには蒼影が見えていたようだが、男性コスプレイヤーには見えていなかったらしい。


 出現場所が場所なので、ガラハッドとデンドロビウムは把握をしていもスルーしているだろうか?


 彼がコスプレしていたのは『お気持ち表明の発言者(アサシン)、ネット廃人と超有名コスプレイヤーがコンテンツ炎上阻止(ディフェンダー)をいたします!』の炎上系配信者の一人である。


 いわゆるヴィラン側の人物なのだが、蒼影にはコンテンツ炎上をする悪質行為と認識されてしまったのが、彼の最大の敗因だ。


 これにより、SNS炎上勢力でガーディアンが把握しているものは全て討伐されたといってもいい。


 残る勢力は、ただ一つ。



「これで邪魔者は一掃されました。彼らのようなお気持ち表明をするような勢力は、我々にとってもインプレスパムなどと変わらない。コンテンツ流通にとっては、邪魔なのです」


 アルストロメリアではなくデンドロビウムが来たのは、イレギュラーかもしれないが……おおよそは想定通り、と言うような発言と表情を、ガラハッドは浮かべる。


「もしかして、ダンジョン(しん)とそれを運用したスタンバンカーも……」


「スタンバンカーは、炎上目的用途でダンジョン神を動かそうとしていた人物を討伐……いわゆる泳がせていた、と言うべきでしょうか」


 デンドロビウムの質問に対し、ガラハッドは予想外の答えを出した。何と、ダンジョン神も……と言う意味で。


「炎上勢力も、ブービートラップを踏んだようですが、ね」


 ガラハッドは再び、ARガジェットを展開し、その件を構える。


 明らかに敵意を向けているのはガーディアンにではなく、もしかすると……?


「ブービートラップ、か。まぁ、何となくは予想できるが」


 デンドロビウムは祈羽一族の一件を踏まえると、ブービートラップの詳細に気づいている。


 しかし、それで当たりなのかは分からない。


「こちらとしても、ダンジョン神に便乗して利益を得ようとしていたようなインプレスパムを一掃し、ダンジョン配信物を仕切り直したいのですが、ね」


 ガラハッドは、剣を無闇に振り回したりはせず、普通に持った状態を保っている。


(やはり、向こうは何かを隠している。別の何者かに聞かれるのを恐れて……) 


 もしかして、黒幕の正体はガラハッドだったのか?


 デンドロビウムは、そう思っていないようだが……別の答えに関しては確信が持てないでいる。


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