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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第59話『新たなる忍者、その名はビスマルク』

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第59話その1

『あっ、もう始まっているんだ!?』


 既に回っているカメラの存在を知らず、驚いていたのは月城(つきじょう)アサギである。


 彼女はプロモデラーとしても活躍し、その一方でダンジョン配信者もやっていたりするのだが……。


 外見はくノ一と言うわけでもなく、普通に私服だ。一体、どういうことなのか?


『私の名前は月城アサギ、一応モデラ―もやってるけど、こっちも、かな』


 テーブルの上に置いたもの、それは……。


『これが、相棒の飛天雷皇忍将軍ひてんらいおうしのびしょうぐん……』


 SDタイプの忍者ロボットのプラモデルが置かれたのだが、それは何と実写版では登場シーンがアニメ以上に少ない飛天雷皇忍将軍だった。


 DX玩具も発売されてはいるのだが、あくまでアニメ版の方であって実写版ではない。蒼影(そうえい)は実写版カラーリングも企画中の様だが。


『ああ、そうか。今回は……』


 ようやく彼女は気づいた。今回の枠外は、彼女の出番なのだ、と。



『今回は、もう少し後で言及される祈羽(おりはね)一族について一言だけ言及しておこうかな』


 何と、彼女はまさかの発言をし始めている。どういうことだろうか?


『ネットミームの忍者構文と祈羽一族の忍者構文がごっちゃになって、それが何らかの形で拡散したのは……別の枠外などで知っていると思うけど』


『祈羽一族の忍者構文自体も、実は発見されたのが令和初期……つい最近になるのね。平成末期に発見されたという記述もあるけど、それはフェイクの可能性もありそうだけど』


『それに加えて、祈羽フウマはある理由があって祈羽一族の名前を広めようとしていた。それが、あのアトラクション番組に出演した理由ね』


 この辺りで祈羽フウマがアトラクション番組に出演したシーンが流れ出す。


 今を思えば、あれだけの運動能力を発揮しつつも今の今まで知られていなかった……と言うのは驚きだが。


 忍者と言えば影の存在と言われることも多いので、むしろフウマのやっていることは時代に逆行している、ともSNS上で言及されていた。


 途中からはARパルクールでの活躍……実写版の方に変わる。


『彼の運動能力は、祈羽一族のやっていた事にも由来していた。ざっくりいうと、飛脚の真似事。いわゆるパルクールで情報を他国へと運ぶ役割』


『運ぶ情報に関しては……今で言うとフェイクニュース。ある意味で情報戦を左右した忍者だったといえるわね』


『これで争いがなくなるのであれば……という事で、昭和初期まで祈羽一族は活動していた』


『しばらくして、世界は争いを起こすことになった。巨大ロボットによる競技としてのバトルが展開することに……』


『この辺は歴史の教科書にも載っているけどね。第2次……』


 ふと、我々は対電忍における歴史とこちらの歴史が剥離しているのでは、と思うだろう。


『その辺りの話は、こっちとは関係がなくなる……というか、横道にそれるのでこの辺りにしておこうかな』


『どちらにしても、一連のフェイクニュース拡散に関しても、実は裏で炎上勢力が暗躍……と言う噂がある位だし、油断はできないかな』


 アサギの方は思う部分もあるのだが、この辺りで切り上げる。


『それでは、実写特撮版アバターシノビブレイカー、対電忍の本編をお楽しみください!』


 他のメンバーとは違い、長々とは語らず、要点のみを言及し……と言う具合には驚きの声もあるだろう。


 彼女もまた、どのような含みがあるのかは定かではないが。



【9月22日】


 今回も日時が進んでいた。残り8日である。


 冒頭のシーンは埼玉県の松原団地、過去に蒼影(そうえい)の偽物グッズを販売した会社が摘発されたということもあった。


 駅の方では、エキナカや近隣の商店街なども盛り上がっているのが見てわかる。その一方で、ガーディアンの姿も散見されているのは気になるだろう。


 ガーディアンに関しては、いわゆる警戒と言う意味でいるだけで、違法なガジェットを発見したという情報を得たわけでもなかった。


 町を訪れるのは、住民だけではない。外国からの観光客も、この町を訪れている。


 実際、ここではARゲームも展開されており、草加市や春日部市には若干遅れるものの、聖地巡礼の代表的な町となろうとしていた。


 埼玉県は、聖地巡礼に関して言えばかなり昔から動いており、ある意味でもノウハウ自体は十分あるといえるだろう。


【本作はフィクションですが、忍者構文は実在します】


 下のテロップは、別の意味でも枠外の話を聞くと……現実にあるものだろう、と思えてくる。


 いわゆる架空戦記だったり、創作歴史と言われれば忍者構文もその流れを持っているのではないか……その雰囲気は間違いなくあった。


「こちらは問題ありません。炎上勢力も姿は見せていない様子」


 ガーディアンメンバーと思われる男性の一人が、周囲を見回して定期報告を行う。


 ちなみに、松原団地にはガーディアンの支部が存在せず、春日部支部と草加支部が担当と言う形になっている。


 そういう事もあってか、彼の所属は春日部支部……いわゆる担当エリア外ともいえるか。


『問題ないなら大丈夫かな。じゃあ、ある程度のタイミングで切り上げて……』


 春日部支部の女性支部長であるホップの連絡は、まさかの途中でジャミングと思わしきノイズで途切れることになった。


(ガーディアンの通信網は、そう簡単にジャミング出来るようなものではないはず……)


 ここ最近のなりすまし事件などを受けて、ガーディアンの通信システムはかなりの個所でセキュリティが強化されている。


 それも突破するなんて……それほどの腕を持つ人物とは、何者なのか?


(他のガーディアンもいたのか……)


 ピンポイントでガーディアンの回線に干渉していたのは……ビスマルクの持っているARガジェットだったのである。


 これは別の意味でもビスマルクが困惑しており、いわゆる周波数帯の干渉ではないか、とも考えていた。


 しかし、実際はそうではないことが別の勢力の出現で明らかになる。


「あれは……?」


 ガーディアンの方は松原団地の駅内にいるのだが、ビスマルクは駅より少し離れた地点にいるため、何故に周波数帯の干渉が起こったのかは分からなかった。


 しかし、ビスマルクの方面に近づいてきた人物を見て、何となくだがその正体を察する。


(なるほど。SNS炎上勢力は、まだ残っているという事か)


 様々な炎上勢力を討伐してきたビスマルクだが、目の前にいる人物を見て衝撃を受けたのは間違いないだろう。


 ビスマルクの使用しているARガジェットと類似している形状だったため、もしかすると……と言うのもある。


 しかし、向こうには決定的な何かが欠けていた。


「だが、お前たちは……そのガジェットの最大の弱点を把握していない」


 そして、ビスマルクは別のARガジェットを用意するべく、アプリを立ち上げ、該当ガジェットを松原団地駅に転送するように予約を入れた。


 そのアプリを使えば、30秒以内にはARガジェットが目的地に転送されるという……とんでもないシステムでもある。


 

『対電忍、それはありとあらゆる炎上を阻止するために存在する、究極の切り札』


『彼らの存在がSNS炎上を阻止し、今のネット環境があるものだと、誰もが錯覚した中で、事件は起きた』


『SNS炎上阻止を目的として動く忍者と、承認欲求などのために炎上を行う勢力との対決を描いた……物語』


『それが、アバターシノビブレイカー……後に対電忍として語られる都市伝説、もしくは忍者構文である』


 ナレーションは秋葉原本部長の男性によるもの。今回も、出番としてはナレーション枠だろう。


 そして、このお約束なナレーション後にオープニングが流れ出した。


 演出などは実写版とアニメ版では違う個所もある。


 冒頭の段階で主役の二名は姿を見せるものの、クレジットがあるかどうかは……後の方をチェックしないと分からない。


 若干のオープニング構成変更は、何を意味するのか?


 今回の脚本も前回と同じ人物が担当している様子。


 しばらくはメインライターが書いていく展開だろうか? どちらにしても、サブライターが担当するとしてもごく限られた事例だけである。



【ビスマルク】


 メインキャラの次にクレジットが登場したのは、まさかのビスマルクだった。


 いわゆる敵ゲスト枠の扱いでもなければ、ゲストキャラ枠にいるわけでもない。


 クレジットされている位置は、どちらかと言うと味方の純レギュラー位置で、リーガルリリーの隣にクレジットされていた。


 その後はナレーションやシステムボイスと言った部分の担当声優のクレジットが続く。


 やはり、今回の秋葉原本部長の出番はないらしい。


春日野(かすがの)タロウ】


 一番最後にクレジットされていたのは、今回はデンドロビウムではない。


 何と、まさかともいえる春日野タロウだったのだ。


 ここからはじき出されるものとは……? 


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