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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第58話『ダンジョン配信と言うコンテンツ』

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第58話その1

『お久しぶり、と言えるかどうかは不明だが……ブラックローズだ』


 唐突に画面に出てきたのは、メットを被った状態のガーディアン草加支部のブラックローズである。


 アニメ版では正体を明かしたはずでは……と思われがちだが、実は特撮版では明かしていない。


 厳密に言えば、アニメ版の正体と実写版のブラックローズは立ち位置が若干違う。


 アニメ版の方がストックを追い抜いてしまってのオリジナル設定と言うわけではなく、この辺りは実写版独自仕様と言うべきか。


 実写版だと『ハッキングオブウォーゲーム』は含んでおらず、あくまで忍者構文だけで構成された対電忍をやっているというのもある。


 小説版の場合、そういったメディアミックスのたたき台なので、将来的にゲーム版や舞台版、コミカライズなんていうのもあるかもしれないが……。


 それを踏まえ、ブラックローz8卯のビジュアルはアニメ版をベースとしている。


 ちなみに、この場所はガーディアン草加支部の事務室だった。



『前回の終わり方が次回へ続く……という展開だったので、続きは気になる所だが、少しお付き合いいただきたい』


 ブラックローズも話の流れは把握しているが、それを踏まえたうえで……という事だろう。


『ガーディアンには、様々な支部が存在し、表向きにはカムフラージュと言う意味でも別の店舗などを偽装している。偽装と言う表現が適切かどうかは分からないが』


『アニメ版でも草加支部がコンビニ、新宿支部はゲーセン、北千住支部がレトロゲームショップ……そんな感じで見てきたと思う』


『彼らの目的はSNS炎上の阻止にある。そのために、特殊なARガジェットをはじめとした特殊兵器の使用が許可されているのだ』


 映像はブラックローズの語りが流れる中で、テレビアニメ版のガーディアンの活躍が流れていた。


 これを見れば納得するだろう……という気配がするが、真相はどうなのか?


 ブラックローズの事なので、何か含みがあって映像を流したのかもしれない。


『それとは別に、ガーディアンにはガーディアンの制服を着用したコスプレイヤー、更に言えば偽装スパイなどと言うものも存在する。悲しい話ではあるが』


 次のシーンで流れたのは、ガーディアンの制服を着て破壊活動を行う炎上系配信者などの映像が流れている。


 しれっとだが、このシーンはアニメ版であったブラックローズの活躍しているシーンでは……と思う。


 それ以外には、前回の放送シーンと思わしき場面も映っているのだが……?


『それを踏まえて、今回のガーディアンの行動を注視していただきたい。炎上勢力が有名な配信者などに成りすますような行為は、この世界でも日常茶飯事なのだから』


 そして、映像はブラックローズの場面に戻る。


 先ほどの映像には何があったのか……この先に起こることを先行して流したのか? 真相は謎に包まれている。


『それでは、特撮版アバターシノビブレイカー……対電忍。続きの方を楽しんでいってほしい』


 やはりというか、彼女……ブラックローズには何かが引っかかるような発言もあった。


 まさか、特撮版というか実写版にも何かギミックがあるのではないか?


 気になる所だが、まずは本編の続きを確かめていきたい。



【9月21日】


 30日まで、残りタイムリミットはわずか。その一方で、今回は日時が進むことはない。


 今回のエピソードに関して言えば、前回の続きだからだ。


『現在、ARフィールドが展開中です。プレイヤーではない方はフィールドの外へ移動をお願いします。繰り返します……』


 周囲に流れるアナウンス、その内容は明らかにARゲームの開始を予告するものだ。


 場所は竹ノ塚近辺、買い物に訪れる一般人も散見されるのだが、メインで多いのはARゲームを楽しむギャラリーやプレイヤーだろう。


『ARフィールド展開後は、ゲーム終了まで該当エリアは通行止めになります。緊急車両以外は迂回のご協力を……』


 商店街のあたりだとは思うが、すでに一部エリアは通行止めとなり、迂回のアナウンスも流れ始めている。


 道路を走る車にもカーナビなどで迂回ルートの提示が行われるのだ。ARゲームは、ここまで日本の日常に浸透しているといえるだろうか?


 それほどに、この世界の令和日本はコンテンツ業界が生み出した様々なものが、日本経済を大きくひっくり返していたのだ。



「このアナウンス、どうしますか?」


「放置だ。重要なのは、そっちじゃない」


 忍者アバターの集団は明らかにARダンジョン狙いで、それ以外には興味がないように見えた。


 それだけではない。忍者アバターの集団は、地味にだが増えつつあった。


「あのダンジョンには例のデータがあるらしい。それを入手後、撤収する」


 忍者アバターの集団の目的は、データにあるようだが……それが何のデータなのかは定かではない。


(これはまずいことになるぞ……)


 駆けつけたガーディアンメンバーは、ダンジョンの状況を見て……明らかに警戒をしている。


 忍者構文のアレが現実だとすれば……SNS炎上勢力を討伐するために、あの忍者が現れるだろう。


 ガーディアンとしては、あの忍者も忍者バターも同じように見えているのだ。


 そういう見方をしているのは忍者構文の正体を知らない、もしくは忍者構文のにわかであり……実際に正体を知っているとそういう認識は出来ない。


 つまり、このガーディアンメンバーも、事実上の偽物かもしれないだろう。


 仮に偽物として、忍者アバターの勢力と交戦しているのは何のためなのか?



(ここで一体、何が起こるというのか……)


 AEダンジョンを探していた配信者の男性、彼が目の前で行われている事をゲームではないことを知るのは……数分後に起きた出来事を見てからである。


 バスを降りて数分した処で例の放送を聞いた。その段階で、すでに何かが起こっているとは把握しているのだが、それでも近くへ進もうとした。


「すみません、この先は通行止めになっております」


 目的の場所へたどり着く直前で、足止めをしたのはガーディアン北千住支部の男性メンバーだった。


 男性メンバーの様だが、武装に関しては銃と剣が一体化したようなガジェットと軽装のSFで見るようなパワードスーツを着用していた。


 メットも装着しているので、素顔を彼が確認することはできない。


 見た目もそうだが、明らかに警察などが扱うような武装とは異なり……下手をすれば、傭兵集団ともいえるだろうか?


「通行止めとは?」


「詳細に関しては、申し訳ありませんが……こちらも仕事なもので」


「仕事ですか」


「こちらとしても、一般人にけが人が出てしまっては一大事ですので」


 配信者の彼は、仕方がないので……ここは引き下がることにした。


 下手にけが人が発生したとニュースになったら、一大事になるだろう……と。



『対電忍、それはありとあらゆる炎上を阻止するために存在する、究極の切り札』


『彼らの存在がSNS炎上を阻止し、今のネット環境があるものだと、誰もが錯覚した中で、事件は起きた』


『SNS炎上阻止を目的として動く忍者と、承認欲求などのために炎上を行う勢力との対決を描いた……物語』


『それが、アバターシノビブレイカー……後に対電忍として語られる都市伝説、もしくは忍者構文である』


 ナレーションは秋葉原本部長の男性によるもの。ガンライコウではない。繰り返す、テレビアニメ版の本部長だったガンライコウではない。


 そして、このナレーションの後にオープニングが流れ出した。


 演出などは実写版とアニメ版では違う個所もあるだろう。微妙に変化したような気配もするが、これは新章に突入したことによる変化……かもしれない。


 オープニングにおけるクレジットの流れも、最初は原作で、次に表示されるのは脚本担当だ。


 今回の脚本は前回と同じ人物が担当している様子。メイン脚本は3名体制だが、その内の1名が今回の担当をしている様子。



【配信者:○○○】


 前回の続きというのもあり、実在する配信者が引き続きゲスト出演していた。


 彼のクレジット表示は、いわゆるゲスト枠のパートでクレジットされている。


 その後はナレーションやシステムボイスと言った部分の担当声優のクレジットだ。キャストを見る限りでは、アニメ版と同じキャストは見当たらない。


 アニメ版では一部システムボイスはクレジットなしになっていることも稀にあり、この辺りはネタバレ配慮なのかもしれないが。


【デンドロビウム】


 今回も例によって一番最後にクレジットされていたのはデンドロビウムである。


 その前にも一部ガーディアンは出演し、レインボーローズ及び月坂(つきさか)ハルカの名前もクレジットされていた。


 ここからはじき出されるものとは……? 


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