表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第57話『野望の渦巻くリアルダンジョン』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

174/213

第57話その3

「どういうことですか? 雪華(せっか)ツバキがいないって?」


 月坂(つきさか)ハルカは、池袋支部の支部長であるデンドロビウムの発言に関して理解できなかった。


雪華(せっか)ツバキと言う配信者は、厳密には実在しない人物なの。小説に架空の同名人物はいる一方で……」


 フォローするレインボーローズの一言を聞いても、ハルカの頭の上には?マークが浮かんでいた。


 両者ともに漢字は同じものを使っているので、紛らわしい気配だが……。


雪華(ゆきはな)ツバキ自体、その雪華(せっか)ツバキの生みの親から名前の使用許可を得て、雪華(ゆきはな)ツバキの名前で活動しているのよ……本人に聞いた話だけどね」


 いつの間に……とハルカは思うが、レインボーローズの話を聞いてある程度は納得した。


 しかし、それでも勘違いからこうした炎上行為を起こされては、迷惑もいい所だろう。

 

「その話自体は初耳だ。とにかく、雪華(せっか)を名乗る配信者はいない、と言う裏付けが取れただけでも良しとするか」


 その後、デンドロビウムは倒れている炎上系配信者を他のガーディアンメンバーに拘束させ、現場を後にした。


 レインボーローズとハルカは、本来行くべき場所へと向かう。時計を見たら、午前10時を過ぎているあたりだった。



(なるほど。ARゲームフィールドは、至る所にあるのか)


 ガーディアンの様子を遠目から見ていた男性、彼はマント装備にフードで顔を隠すような外見だが……足立区内では問題がない。


 実際、彼はARガジェットを使用したマントを着用しているので、顔を隠していても警察に補導されるようなことはないのだ。


 更に言えば、警察もARゲーム関係の事件には介入しないおまけつきである。ただし、違法なチート行為などを行えばガーディアンの方が介入してくるが。


(実際、このマントはARガジェットを使用したものだ。フィールドの対象エリアで有れば、当然か)


 そして、彼は何かを確認した後にARマントのスイッチを切り、ガジェットの展開を解除した。


 その外見はガーディアンの制服にも見える。それに加え、どう考えても聞き覚えのある声だ。


「忍者構文関係も決着するかもしれないが、そろそろこちらも動くか……」


 彼の正体はガーディアンの支部長であるのは間違いない。制服の意匠を踏まえると、新宿支部にも見えるが……?


 その後、彼は竹ノ塚駅では電車に乗らず、西新井駅まで徒歩で向かったという。一体、彼の目的は一体何なのだろうか。



 前半のバトルシーンの尺が全体的に長かったこともあり、ここでエンディングテーマが流れ始める。


 結局、あのダンジョン配信者は無事に会場へたどり着けた様子。


 駅を出て、バスに乗って、2つ辺りのバス停を過ぎた所に探していたARダンジョンがあった。


「アレが噂の……?」


 バスを降りて数歩ほど歩いたところで、彼は何かの違和感を持つ。


 会場にガーディアンの車両らしきものが数台確認でき、通行止めの規制線も……と言う状態だったのである。


 一般市民は既に避難しているという事だが、ARフィールドが展開されている以上は、これもARゲームの一環なのでは、と彼は思った。


『現在、ARフィールドが展開中です。プレイヤーではない方はフィールドの外へ移動をお願いします。繰り返します……』


 周囲のアナウンスを聞くと、明らかにARゲームの準備をしているようなアナウンスではある。


 ガーディアンなどもいる状態でゲームの準備なのか、と疑問に思う個所はあるだろう。


(ここで一体、何が起こるというのか……)


 しかし、これが実はゲームではないことを知るのは……それから数分後に起きた出来事を見てからである。


 彼は、別の意味でも足立区及び草加市で起きている一連のバトルを知らなかったのだ。


 それが、この現象を見て慌てる原因にもなったのだが……。



『次回、アバターシノビブレイカー、対電忍は……』


 もはやお約束のナレーションは秋葉原本部の男性本部長だ。


 まさか、アニメ版を見ていた人で実写版を把握していない人は、何故影武者の彼が本部長なのか……分からない人も多いかもしれないが。


 次回予告ではあるが、エンディングテーマは流れたままだ。


 ここにスタッフクレジットが入るわけではなく、すでにオープニングでクレジットの方は全て完了していたりする。



【まさかのリアルフィールドパルクール開催!?】


 このテロップが表示される該当のシーンは、竹ノ塚を舞台としたリアルフィールドパルクールである。


 実際、足立区は『パルクール・サバイバー』と言う作品の聖地巡礼で訪れる観光客だっていた。


 それを踏まえれば、パルクール自体に何の違和感もない。しかし、対電忍のメインはダンジョン配信だ。


 これは、いったい何を示すというのか?


 走るのはARパワードスーツを装着したランナーの様子。少し前に展開されたARパルクールと似たような気配か。


「この映像を見て、ダンジョンは自由である……そう確信したのです」


 この動画を説明する男性の声なのだが、この声はアニメ版を知っている人であれば、聞き覚えが……と言う声である。


 どうやら、先ほどのシーンはイメージ映像として用意されたものらしい。


「これは何とも愉快なことを! 確かにリアルフィールドをダンジョンに仕立てたパルクールも……アリと言えばアリだがな」


 ガーディアンの制服を着た男性、彼はまさかの秋葉原本部長だ。ある意味でもナレーションポジションと思ったら、動き出す模様。


 彼は秋葉原本部内のリモート定例会議の場において、とあるアイディアを提案した支部長に対し、このような発言をしたのである。


 その人物とは……ガーディアンの制服で顔が出てこないようなカットの為に分かりづらいが、パフィオペディルムやデンドロビウム、リーガルリリーとは違った様子。


 一方で、アニメ版では出番の多い印象だった新宿支部の支部長、シノビ仮面が実写版では出番が少ないことに驚く声がSNS上である。


 まさかと思うが、ここで登場するのだろうか?



【その一方で、新ダンジョンオープンのイベントに炎上勢力の影が?】


 このテロップが表示されたシーンでは、ダンジョンのオープンイベントに乱入する忍者アバターの姿がある。


 更に言えば、向こうもアバターのみでは戦力差を感じたためか、遂にはARガジェットをハッキングして操作するという手段に出た。


 アニメ版ではARチャフグレネードと言うアイテムも存在していたのだが……まさか、その技術が転用されたのだろうか?


 場所は竹ノ塚駅の近辺、今回登場したゲストの配信者が向かった場所でもある。


 まさか、次回も出演するというのか?


「ARチャフグレネードが、こういう手段に転用されるとは……」


 ARガジェットに乗っているアバターでも容赦なく切り捨てていくのは、フードを被った謎の配信者、ビスマルクである。


 今回は出番がなかったのだが、まさか……?


 持っている武器を踏まえると、明らかに何か含みがあるような武器も持っている。


「どの世界にも、コンテンツ炎上で儲けようという配信者はいる、という事か。アニメ版でも実写版でも……」


 この声は草加支部の支部長であるアルストロメリアなのだが、彼女のいる場所はまさかの竹ノ塚のARダンジョンのオープン記念イベント会場だ。


 まさか、この騒動を予想してやってきたのだろうか?


【次回:『ダンジョン配信と言うコンテンツ』】


 サブタイテロップは画面下、ダンジョン配信と言うワードに加え、予告でのシーンもそれを思わせるシーンが多い。


 ダンジョンしんがいなくなってからが、コンテンツ流通としてのこれからを暗示しているのも、なかなかの皮肉ではある。



【リアルフィールドのダンジョンコンテンツは成立するのか?】


【『ダンジョンは自由だ!』の真相とは……】


 提供の上下にあるスペースでは、上に最初のテロップ、下には次の……と言う具合。


 確かに「ダンジョンは自由だ!」と言う発言は予告にもあった。


 まさか、ホビアニなどのような路線で発言したのか、それとも……と言うのは次回待ちになると思われる。



 実写版にはエンドカードは存在しないが、ここでは先週にSNS上で投稿されたファンアートをご覧いただこう。


 内容はアニメ版と実写版のパフィオペディルムがつばぜり合いをしているというシーンをイメージした……というイラストだ。


 既に公開から一週間は経過しているが、数万以上のいいねが付いていることから、反響の高さがうかがえる。


 実写版とアニメ版では、かなりの差異があるのでは……と思われる対電忍だが、多少のCGを使用していることによる部分やのGBグリーンバック背景での撮影による影響を踏まえての調整、と言った部分以外は、原作に忠実となっていた。


 これは忍者構文自体が存在し、更に言えばガーディアンや一部の勢力も実在するという事情を踏まえたものだろう。


 8割以上が実在要素を持ち、その中の1割弱にフィクション要素を入れて制作されているのが、対電忍のメディアミックス仕様といえるかもしれない。



 バトルをしている場所は、竹ノ塚のARバトルフィールドで、別のARゲーム題材作品の聖地にもなっている場所だ。


 もしかすると……という可能性もゼロではないが、気になる個所はいくつかあるだろう。


 果たして、このイラストが意味するものとは……。


 実際はファンアート、二次創作という事もあって伏線でもなんでもないとは思うが。


 そして、このイラストが実際に書かれる日は来るのだろうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ