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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第5話『雪華ツバキ、参上!』

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第5話その1

 あと数時間ほどで8月へ突入するのだが、その中で(ゆき)ツバキは別のゲーム配信を終えていた。


「次回以降なんですが、作業の方がいくつかあってお休みになります。作業が終わり次第、配信は再開しますので」


 ツバキの告知を聞き、視聴者からは「連続記録が途切れるのか」や「少し寂しい」といったコメントが流れる。


 連続記録に関しては、現在の立ち位置になる前から途切れているケースは多いのだが、その辺りはあまり知られていないのだろう。


 この時にプレイしていたのは、ここ最近に連続で配信しているロボットゲームで、こちらのプレイ自体は続けるが……という事かもしれない。



 一方で、ガーディアン側は色々な意味でも落ち着きが必要な状況だった。


「例のチャフグレネードは対象外だったようだが、あの転売業者はアレを売っていたといっても過言ではない」


「同様の転売業者にも警察の手が入るのは確実だ。アレを発見されたら一大事だぞ」


「しかし、警察が現物を入手したとしても使用方法が分からないものは、事件に関係ないとスルーをするでしょう」


「その楽観的な考えがあったからこそ、あの時のまとめサイト事務所を摘発しようとした際に……」


 ガーディアンの男性たちが色々と発言はするが、落ち着いていないのは上層部の方らしい。


 彼らとしては例のチャフグレネードが警察の手に渡り、それを解析されることが最大の懸念のようだ。


「アレも300年以上前の技術、それを転用した物でしょうか?」


「300年以上前のあの事件は歴史の教科書などでも事実が記載された事実はない。歴史の新発見として、あの技術が公表される方が問題なのだ」


「しかし、今から300年ほど前と言えば江戸時代、そんな時代からAIが存在したなんて事実が判明したら、世界は混乱するでしょうね」


「それに加え、警察があの技術を公表し、歴史上の新発見としたら、それこそ海外で開発された類似技術は全て日本がルーツ……なんてことにも」


「そうなったら、そうなったで都合が悪い。大量破壊兵器などは効果を発揮しない、もしくは再現不能にはなったが……」


 それでも警察の手にアレが渡り、歴史上の新発見になったりでもしたら……世界情勢が混乱するのは目に見えている。


 海外では例の大量破壊兵器などが運用できなくなった事件を、いわゆる『魔法』などの非科学的なものの影響という事にしており……。


『上層部の皆さんにご報告したいことがあります』


 会話中、急な臨時回線の割り込みが入り、そこに表示されたのは『サウンドオンリー』という画像の男性だった。


「なんだ、我々は会議中なのだぞ」


『その会議で話が進むのであれば、こちらの些細な話題をスルーしてもらっても構いませんが』


「確かに話が進まなくなっているのは、まぎれもない事実だ。報告を聞こう」


 上層部も、話が進まないことに対しては……という事があったので、彼の報告を聞くだけ聞くことにする。


『実は、ここ最近の話題となっているダンジョンがあり、そこで開かずのエリアがあるとか』


 彼が報告をしたのはダンジョン(しん)のダンジョンであり、そこに開かずの部屋があり、その中に何かがあるのでは、というものだった。


「ここ最近はダンジョン配信が流行しているとか。確かにダンジョンで未開拓のエリアがあるという報告もいくつか聞いている」


「しかし、その開かずのエリアに何があるというのか?」


 集まっているガーディアンのメンバーも、彼の言いたいことは分かるが……。


 そこで彼が言及したのは、まさかの物だったのである。


『開かずの扉、その先には300年以上前の技術があるという噂です。現物の画像も、ここに……』


 そして、彼がガーディアンのメンバーに見せた画像、それは忍者ロボットである蒼影(そうえい)の画像だった。


「この忍者ロボットは噂にも挙がっている。彼がガーディアンの仕事を妨害しているとも」


『妨害は違うと思いますが、様々なまとめサイトを閉鎖に追い込んでいるのは、間違いなくこの忍者です』


「忍者というワード自体、様々な媒体でも聞かれるようにはなった。ここ最近は忍者VTuberなる存在も聞かれるとか」


『忍者VTuberは初耳ですね。しかし、ダンジョン配信で様々な忍者が姿を見せているのも、また事実でしょう』


 様々な話をしていくうちに、彼の方も疑問に思う部分が浮上した。


 確かにまとめサイトを閉鎖に追い込む忍者の存在は、様々な場所で聞かれている。


 それと忍者構文が関係があるのかは、定かではないが。


「君ならば、何かを知っているのでは?」


『まさか? こちらも……。しかし、この忍者は間違いなく、ここ最近で目撃されたわけではありません』


 ガーディアンの1人が彼に質問をぶつけるが、彼は答えられなかった。具体的に答えられなかった、というべきか。


「我々が生み出したバーチャル空間監視用の人型ドローン、アレの技術を転用しているのであれば確保しなくはならない」


「ガーディアンの機密情報をまとめサイトなどに転用されれば、それこそSNS炎上の繰り返しだ」


 再び会議の方は混乱していく。しかし、彼は非常に落ち着いていた。


『もしも、あの忍者も300年以上前の技術で生み出されたとしたら、どうでしょう?』


 その一言は、混乱していた会議を瞬時に静まらせる。


 仮に300年以上前の技術で生み出されたとしたら……それは、かなりの衝撃ともいえるだろう。


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