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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第52話『テレビアニメ版最終回』(仮)

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第52話その2

『アバターシノビブレイカー、対電忍。ブルーレイ発売』


 その後のCMで流れたのは、対電忍のブルーレイBOXのCMである。


 今回の担当は春日野(かすがの)タロウだった。


「各巻12話収録。各4話収録×3枚BOX仕様って豪華だよねぇ」


「各BOXにCGモデルチームによる撮りおろしピクチャーボックス……面白い事を考えるよね」


「他にも映像特典あり。将来的にはオーディオコメンタリーが付いたりして」


【※オーディオコメンタリーはBOX1では収録されません】


 タロウは別の意味でも仕様についてツッコミを入れていく。


 さすがにオーディオコメンタリーはBOX1には実装されていない。将来的にはつくのだろうか?


『BOX1は11月1日発売。確実に欲しいのならば、予約だね』


 BOX1は11月1日に発売される。値段の方もBOX1で9800円(税別)なのでお買い得だ。


 そういえば、収録話数で思い出したが確か……と言うのはあるだろう。


 

 ブルーレイBOXのCMなどもあり、そのCM明けには……。 


『まさか、お前が来るとはな……デンドロビウム!』


 ニューダンジョン(しん)は、ウイングビットで攻撃を仕掛けようとしていたのだが、そこはさすがに抑えていた。


 下手に攻撃を仕掛ければ、どうなるかは把握していたからともいえる。


 しかし、この行動は別の存在を呼び寄せる結果にもなった。本来であれば、彼にとってもイレギュラーの……。



「あれは、蒼影?」


 別の意味でも状況を見守るしかできなかった、リーガルリリーは驚いている。


 唐突に姿を見せたのは、何と忍者ロボットの蒼影(そうえい)だった。サポートメカは姿を見せていないものの、間違いなく本物だろう。


 何故、このタイミングで蒼影が姿を見せたのか……ニューダンジョン神は把握できないでいる。


 しかも、上空から現れたり、唐突に姿を見せたわけではない。



『このBGMは、まさか……!?』


 あのBGMをバックに、別エリアの道路から蒼影が走って姿を見せたのだ。これには、周囲のギャラリーも驚くしかない。


 専用BGMありで登場する存在は、対電忍内では蒼影しかいないだろう。


 一部には専用BGMもあるのだが、登場時BGMを持っているのは……蒼影だけだ。


 サントラでも、蒼影には『蒼影登場』という登場時BGMも存在している。それとは別に専用必殺技のBGMまでもあった。


『こちらとして、野望の道半ばで終わるなど……あってはいけないのだ!』


 その一方で、ニューダンジョン神は蒼影の方に向けてウイングビットを展開し始める。


 まだレース自体は始まっていないし、現れたのは第3者だ。攻撃を仕掛けたとしてもそこまで問題視されることはないだろう。


 実際、ガーディアンが忍者と交戦をしているので、敵対勢力と見られても仕方がない部分はあるかもしれない。


 だからこそ、ニューダンジョン神はレース開始前のこのタイミングで、蒼影に向けて攻撃を仕掛けている。



『そんなことがあり得るはずがない。私は、偉大なインフルエンサーなんだぞ! 何故、蒼影に討伐されなければいけない』


 ニューダンジョン神は別の意味でも、この状況に対して動揺をしていた。そして、その勢いでウイングビットを蒼影に向けて放つ。


 その瞬間、蒼影は目にも見えないような刀さばきで全てのウイングビットを弾き飛ばす。


 動きの方は蒼影自体が有人でもある一方で、完全に無人機のソレにも似た挙動であり、普通の人間が出来るようなものもない。


 ARガジェットでも、あれだけの挙動が出来るようなアーマーは開発中の段階だ。しかも、このアクションシーンだけで5分は使っているだろうか?


 アクションシーンはスタントマンによる吹き替えをしているようだが、蒼影に関しては巨大ロボットと言う関係もあり、アクションの吹き替えが行われていない。


 一応、アクションのベースになっているものはあるが、それをAIに学習させ、蒼影のアクションシーンを再現している……と言うことらしいが。


(あれが、蒼影の真の力……)


 その後、明らかに形成が不利と判断したニューダンジョン神は、攻撃を止める。


 攻撃の意思がないと判断した蒼影の方も、攻撃を止めるのだが……。


 身動き一つできなかったリーガルリリーは、目の前の光景を見守るしか選択がなかった。



「一つ、尋ねてもいいかな?」


 攻撃が止んだタイミングでリーガルリリーは、ニューダンジョン神に対して一つ質問を投げかける。


 向こうは蒼影に襲撃される理由に思い当たるものがないため、対処があるのならば、となんでも答えることに承諾した。


 そこで、あるチャンネルの話題を知っていたリーガルリリーは、それをぶつけることにする。


「あなたはアネモネなの?」


 それは単純明快だった。ニューダンジョン神、その正体はフォロワー数1000万と言う神ともいうべきインフルエンサー、アネモネなのではないか、と。


 蒼影には『ありとあらゆる炎上を阻止するために存在し、悪意ある炎上勢力者やインフルエンサーなどを討伐する刀なのだ。悪意を持って炎上している人物以外を斬ってはいけない』存在でもある。


 つまり、ニューダンジョン神をターゲットにしているのは、彼に悪意を持って炎上する意思があることを意味していた。


 蒼影は当然だが、こちらも元をたどればAIアバターのような存在なのだが、その一方で、有人タイプのロボットでもある。


 しかし、あの蒼影には人が乗っているような気配はない。あれだけの精密挙動を有人で出来るのか、と言うのはあるだろう。


 AIサポートがあれば、できないわけではないかもしれないが……。


『アネモネ? ああ、あの存在するかも疑わしい1000万フォロワーの人物か』


「そのとおりよ。自分も1000万フォロワーの部分は作り話とは思っているけど」


『1000は作り話ではないぞ。つい先日、1000万フォロワーになったというべきか』


 質問をしておいてアレだったのだが、1000万フォロワーは本当の話らしい。


 ガーディアン内でも1000万フォロワーのインフルエンサーがいるらしい、と言う話はあったのだが……。


「1000万フォロワーは事実だとして、あなたはアネモネ本人なの?」


 その質問に対し、ニューダンジョン神は……。



『私はアネモネではない。1000万フォロワーはいないが、自分こそがアネモネ以上の最上位インフルエンサーと言えるだろう。そう、自分こそがニューリーダーだ……』


 ニューダンジョン神はアネモネではないと明言しただけでなく、自分がダンジョン神に変わって日本を支配しようとも考えるニューリーダーである、とまで明言したのだ。


 それと同時に、蒼影は再び動き出す。誰も乗っている様子はなく、ただ無言でニューダンジョン神に襲い掛かる。


「ニューダンジョン神を、蒼影が悪意ある炎上を起こす存在と、認識した……」


 蒼影がニューダンジョン神に対し、ある意味でもワンサイドゲームを展開する様子は……リーガルリリーも驚いていたが、それ以上に驚いたのは別にいる。


【アネモネが、偽物?】


【やっぱり、あのチャンネルの主もなりすましだったのか】


【じゃあ、本物のアネモネは一体……?】


 アネモネの偽物が運営していたチャンネルの配信を見ていた視聴者、それが一番驚いていたのは間違いないだろう。


 本物と信じて疑わなかった、公式チャンネルと言う触れ込みだったのに……。


 実際にふたを開けてみればなりすまし、つまり『承認欲求』欲しさに運営されていたチャンネルだったのだ。


『まさか、忍者構文は……!?』


 そう言い残し、ニューダンジョン神の野望は終焉した。まさかのフラグ回収と言わざるを得ないだろう。



 ニューダンジョン神を拘束したのは、ガーディアン足立支部である。ようやく駆け付けたというべきか?


「どの時代も、やはりニューリーダーになろうという野望を掲げる人物はいるのだろう」


 ガーディアンメンバーの男性の一人は、ニューダンジョン神の姿を見て、そうつぶやく。


 足立支部の支部長であるスタンバンカーは別の忍者勢力と交戦中であり、この場にはいない。


 各地で姿を見せた忍者勢力は、間違いなくそうした承認欲求やニューリーダーになりたいという野望の果て……なのだろうか。


「そうは思いたくないけどね」


 ニューダンジョン神の正体を確かめようと、拘束した場所に姿を見せたのは、池袋支部の支部長ことデンドロビウムだった。


 ARガジェットから降りて、そこからはリーガルリリーと様子を見ていたのだが……。


「これでシェアリング炎上がなくなれば……」


 ふとデンドロビウムはつぶやく。それに反応する人物はいないのだが。


【アバターシノビブレイカー】


 このタイミングでCMである。


 ニューダンジョン神を撃破した場合、ARパルクールでは誰が走ることになるのか? そこも気になる個所かもしれない。


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