第49話その3
※第2クール表記に関しては現状でこのままとしていますが、メディアミックスなどで必要に応じて修正する方向になるかもしれません。それを踏まえてご覧ください。
・2025年8月1日付修正
TALES版移植に伴う修正
特別部隊→特殊部隊
(この後の地の文が特殊だったので、そちらに合わせています)
読んだ→呼んだ
『池袋支部にやってきた新支部長、デンドロビウムの事だ』
新宿支部長であるシノビ仮面、彼の口から出たデンドロビウムとは池袋支部の支部長になったデンドロビウムだった。
シノビ仮面は見たことがあるのでは……とも草加支部のブラックローズは思うが、向こうも何かを引き出すために意図的に隠している可能性はゼロではない。
「元秋葉原本部のアキバガーディアン……特殊部隊所属くらい、かな。知っていることと言えば」
『なるほど。実働部隊か。そういえば、リーガルリリーも実働部隊出身だったな』
(実働部隊って言ったっけ?)
急に話がかみ合わなくなったブラックローズは若干焦りだす。
自分は特殊部隊と言ったはずで、実働部隊とは言っていない。確かにガーディアンは幹部と実働部隊の2つしか存在はしないのだが。
「渋谷支部長のリーガルリリーも確かにそうね」
仕方がないので、ボロを出すよりもマシと考え、あえてシノビ仮面の方の発言に合わせることとした。
『他にも秋葉原本部から来たという人物がいるという話もある。そこに疑問を持ったわけではないが、気に障ったのならば忘れてくれ』
予想外ともいえるシノビ仮面の言い回しに対し、ブラックローズは「??」と思ったが……。
その後も若干の情報交換を行い、通信を切ることに。
「特になりすましや偽物ではなかったようだけど……」
ブラックローズは思う部分もあるが、まずは……と考える。
テレビを付けるとニュースが放送されており、そこでは上野駅近辺で一部の電車が運転見合わせをしているというニュースが伝えられた。
タイミング的には朝でなかっただけ、出勤ラッシュなどに影響が出なかったことは不幸中の幸いだろう。
しかし、運転見合わせの理由は報道はされていない。ざっくりと機器の故障で見合わせをしているという事だけは伝えていた。
何が故障したのか、具体的に何が起きているのかは、まったく報道できていないのである。
その理由は、次のシーンを見れば明らかか。
まさか、衝撃的なシーンが描写されるとは。上野駅で展開されていたのは、まさかの一部の人物による銃撃戦だったのだ。
それが数分ほど展開されているが、この銃撃戦が運転見合わせのもう一つの理由である。これは、さすがに報道できないわけだ。
まるで上野駅をダンジョンと見立てて、そこでサバイバルゲームをしている……と言うべきか。
この場合は一時期に絶滅したリアルダンジョンによるダンジョン配信、なのだろうか?
ちなみに、この時にモブの配信者を討伐していたのは、レインボーローズ単独と蒼影に搭乗した月坂ハルカである。
彼女たちは、ある人物の指示で『上野駅へ向かえ』と指示され、またもや上野へ足を運ぶ羽目になったのだが……。
「何故、お前たちがこのことを見破った? もしかして、こちらの配信を把握したのか?」
ある男性配信者がARライフルを構え、相手に向かって射撃で応戦をしている。他にも配信者が数人おり、原因は彼らの暴走によるものだろう。
しかし、彼らは自分たちのやっていることが犯罪である自覚は……ゼロに等しい。
「把握と言うよりは、すでに分かっていた、と言った方が早いかな? 君たちがやろうとしていることは、ネタバレサイトを見て作品の内容を把握するより簡単だよ」
マントにフードを深くかぶり、ちらりと見える右腕にはARガジェットと思われるようなガントレットを装着していた。
声からして女性だろう。もしかすると……と言う可能性もあるが。声のトーンは、やや冷静気味である。
彼女が単独で上野駅の異変を把握し、対処していると言えば聞こえはいいが……ARフィールドが展開されている段階でお察しだろう。
すでにARゲームの中継ドローンは生配信を始めているし、それに便乗するかのようにギャラリーも増え始めていた。
『それに、あのドローンは明らかにARゲームの実況用ドローンだ。いくつかの中継ドローンまで確認できる。貴様、まさか……プロゲーマーか?』
マシンガンを片手に持ち、いかにも打ちそうな雰囲気のARアーマーを装着した男性配信者Bは、周囲のドローンを指さしてマントの人物に言及する。
しかし、彼女もドローンは把握していない。ここまで大ごとになるとは、予想外だったのもあって。
おそらく、レインボーローズとハルカを呼んだのは彼女だろう。ドローンまでくるのは予想外だったが……。
「残念ながら、プロゲーマーではないよ。かつては格闘家かな?」
彼女はマントを右手で掴み、何かのスイッチに触れたと同時にマントはポリゴンの塊になったかのように消える。
装備していたのは、まさかのARマントだったのだ。
そして、このタイミングでエンディングテーマが流れ始め、キャスト及びスタッフクレジットが流れ始める。
『格闘家だと? 女性格闘家はある程度の見覚えがあるが、お前は見たことがない』
「まぁ、ね。マイナー団体に所属していたというか……テレビの地上波ではやっていない裏格闘技に近い気配だったからね」
次の瞬間には、彼女が高速ハイキックを繰り出し、男性配信者Bを数メートルくらい吹き飛ばした。
吹き飛ばしても建造物にダメージがないのは、ARフィールドのおかげと言ってもいいだろう。
フィールドが衝撃を緩和して……と言うのもあるからである。
ちなみに、彼女のハイキックはスカート的な意味でも見えていそうな気配がするが、角度的な都合で全く見えていない。
「馬鹿な? これは一体、どういうことだ」
男性配信者Bが瞬時に気絶した光景を見て、男性配信者Cは驚くしかなかった。
まさか、こういう展開になろうとは……と。
その後も彼女のアクションシーンが展開され、周囲の雑魚は一掃されていく。
「言い忘れていたけど、私……」
彼女が何かを言いかけたシーンで、最後の脚本と演出担当のクレジットが表示される。
つまり、そういう事だろう。
「ガーディアン、なのよね」
その後、機械的なパンチの一撃が入ったような音が流れるのだが、画面は暗転している。
一体、何が起きたというのか?
そして、このタイミングでCMに入った。
『次回、アバターシノビブレイカー、対電忍。忍者構文の正体』
CM明けに次回予告のロゴが表示される。第4クールも、残り数話と言える。
しかし、新番組の続報はありつつもいくつかは対電忍とは別の時間帯で放送されることが判明し、ますます対電忍が続行と言う可能性も高い。
バック画像は蒼影であり、やはり蒼影に絡んだエピソードになるのでは……と言う気配か。
SNS上では現実の忍者構文を踏まえると、蒼影の正体も含めて実は……と言う考察も拡散している。
しかし、アニメの方はフィクションであることが明言されており、仮に忍者構文は実在したとしてもこちらとは違うかもしれない。
ナレーション担当は、ガンライコウ。
この人がナレーション担当をしているという事は……?
今回のエンドカードは、エンディングでわずか数カットレベルの出番だった池袋支部支部長ことデンドロビウム。
唐突に公式ホームページで掲載されたときは、ファンアートが非常に増えたという衝撃のデビューだった。
その彼女が、まさかのエンドカード登場である。人気を受けてと言うわけではなく、おそらくは予定通りなのだろう。
服装はガーディアンの制服ではなく、改造メイド服に両腕にはARガジェット、ツインテールと言う女性である。
マントを装着しており、素顔は見せている状態だが、ガンライコウとは違った異色ともいえる雰囲気が印象的だろう。
そういったようなイメージもあって、ファンアートが増えているのだろうか?
バックの背景は場所の特定はできないものの、どこかの歩行者天国と言う可能性がある。
秋葉原なのかと言われると、少し違う。ビルの並びや周囲の雰囲気を踏まえると……まさか、有明か?
そして、改めて背景をチェックすると有明のあのイベントで有名な場所だったことが判明する。
まさかと思うが、決戦は有明になるのだろうか?
あの時に姿を見せた人物が間違いなく彼女だとは思うが、あの時と武器に若干の違いがありそうな気配もする。
初期設定なのか、それとも……?
エンドカード担当は対電忍CGチームである。
まさか、次回はデンドロビウム無双となるのだろうか?
サブタイでは忍者構文に関しての種明かしがあると思われている一方で、どの敵と戦うのか……というのはあるだろう。
炎上勢力なのか、それともダンジョン神と戦うのか……。
気になる所だが、次回の放送を待とう。
【次回をお楽しみに】
「日本よ、これがコンテンツ流通であることを証明する時だ!」
エンドカード後、まさかのCMが流れることになった。画面右側の透かしも健在である。
この声に関しては新宿支部のシノビ仮面だろうか? ビジュアルがないので、気になる所ではあるのだが。
【コンテンツ炎上勢力は、新たな刺客を放ち、ガーディアンと忍者軍団に襲い掛かる】
このテロップ表示後に登場したのは、ガーディアン草加支部、ガーディアン春日部支部、ガーディアン秋葉原本部のメンバーである。
それに加えて、ガンライコウ、リーガルリリー、アルストロメリア、デンドロビウムか?
ガーディアンの戦っている相手は明らかに忍者に見える。そうなるとテロップが矛盾することになるが……。
【悪しきアンチ勢力を駆逐せよ、蒼影!】
次のテロップ後に姿を見せたのは、今回も予告で姿を見せた蒼影だった。
相手にしているのは、謎のロボット軍団と言ってもよいようなもので、もしかするとアバターと言う可能性もある。
アンチ勢力という事は、そういう事かもしれないが。
「倒すべき敵は、SNS炎上で利益を得ようとするインフルエンサーであり、そのシステムだ」
再びシノビ仮面のセリフが入り、次の瞬間に姿を見せたのは……。
まさかともいえる、ARスーツの忍者2名である。
体格的に男性だと思われるし、片方は以前にエンドカードでもあった祈羽フウマだろう。
果たして、もう片方の忍者の正体とは……。
「アバターシノビブレイカー」
ここでナレーションの声はレインボーローズとなる。まさかの展開ともいえるかもしれないが。
あの忍者2名が、まさかのそっちなのか……と言う意味でも。
「対電忍」
レインボーローズの後にタイトルを読み上げたのは、月坂ハルカだった。
もしかして……と言う展開も見えなくないが。
「アニメ第2クール、○○年1月スタート」
最後は二人で読み上げ、そこで対電忍のアニメ第2クールが放送されることが発表された。
アニメ版自体、配信では先行して7月に一括配信、放送は9月まで……第2期は来年1月だという。
色々な意味でも時系列がおかしくなりそうな雰囲気だが、実際の事件と言ってもブラックバッカラ事件直後のものが……と言うのもあるが。
もしかすると、忍者構文自体、実は最初からドラマのようなロケで撮影されており、それが過去に起こった実際の事件ベース……と言う風にも読み取れなくもない。
果たして、真相はどちらなのか?
全ては10月になれば判明するかもしれない。
しかし、実はと言うと実写版対電忍は存在する。それもネット配信オンリーで。
配信オンリーと言っても、別の意味で無料配信ではなくサブスク的な有料配信らしいが……。




