第48話その1
【9月16日】
日付のカウントアップがされていない。
つまり、まだ16日の出来事という事を意味する。
オープニングアバン、そこにはガーディアン草加支部でくつろぐスマホ型の着ぐるみキャラがいる。
そして、カメラに気づいたらしく、そちらの方向を振り向き……。この流れは前回と同じですね、わかります。
何故に草加支部なのかは……。
『前回の対電忍はーー!!』
前回と同様に企業勢VTuberことフェアリ・アールによるナレーション。つまり……そういう事だ。
『忍者構文に隠されていた【神を裁つための剣】と呼ばれるものに執着する者、それがまさかの新宿支部のシノビ仮面……』
『そんな中で、様々なVRダンジョンは唐突にダンジョン神のダンジョンに変化するという現象が起こるのです』
画面に関しては前回のシーンがダイジェストで流れている一方で、何やら前回にはなかったようなバトルシーンも挿入されているように見えた。
そのバトルシーンでは、蒼影が他のダンジョンでも同じように現れている忍者を撃破しているような感じがする。
『この事件を起こしている人物も、もしかすると忍者構文を解読しているじゃないですかー!』
スマホ型の着ぐるみキャラは、画面に接近はせずに場所をキープしているような気配だが……。
実際の所、視聴者には着ぐるみのキャラは見えておらず、前回のハイライト画像が流れているというべきか。
【本作はフィクションですが、忍者構文は実在します】
やはり、このテロップには何かあるのかもしれないが、あえて調べる必要性はないだろう。
戦国時代などに代表される歴史もののドラマを史実関係までチェックして視聴し、それを「ネタバレだ!」みたいなツッコミをしながら視聴するようなことは……。
忍者構文は実在するが、ここで言及されるものとリアルにあるものでは異なる個所が多いだろう。穴あきの部分をフィクションでフォローするというタイプだ。
それを踏まえると、忍者構文の背景を調べてから視聴すること自体が、対電忍ではあまり推奨されない視聴方法なのだろう。
『そんなことを言っていたら、草加支部のブラックローズの正体が何と……ブラックバッカラ事件のガーベラと判明!』
『自分だって、これは初耳なんですよ。基本、草加支部は正体に関しては深く突っ込みをしない、というのが恒例だったので』
『……発言自体、ブーメランしていますけどね』
しれッとだが、彼女の方も正体を明かしているのを踏まえると、ブラックローズのやったことを突っ込むことはできないだろう。
むしろ、ブーメラン発言となるのは確実だ。
『その中で突如として出てきたのが、シェアリング炎上と言うワード』
『自分の所のVTuberでも同じような手段で炎上した人知っていますし……明らかに犯罪ですからマネしないでくださいね』
『こういうことをする人たちや炎上勢をさらに潰すような事を配信するような、炎上系配信者とかがいるから……コンテンツ炎上はなくならないのです』
『コンテンツ炎上は犯罪です。炎上商法も、この日本では事実上の犯罪として認知され、それを行えば即座にガーディアンが逮捕するようなレベルの行為なのですよ』
画面に流れているのは、まさかとも言えるレインボーローズと月坂ハルカが炎上勢力を発見したシーンである。
ここは確か、前回のラストシーンだろう。そして……。
『それでは、対電忍の本編続き、どうぞー』
ナレーションの続きをどうぞ、の後に前回ラストのビーム音が流れる。
そして、黒バックだった。もしかすると、このシーンの続きは最初からないという事かもしれない。
「シェアリング炎上、調べるたびにひどい事例が次々と……」
実際に出てくるシェアリング炎上関連は、大抵がまとめサイトだったりアフィリエイトサイトへの誘導だったり……と言うケースが多い。
なお、彼が閲覧しているサイトの炎上事例はフィクションである。念のため。
調べている人物、それは草加支部の男性配信者だった。
彼は忍者構文の解説動画をアップしているのだが、それのために色々と調べ物をしている。
ここ最近、コメントを見ると気になる内容が色々とあるので、調べようと思っていた。
それがシェアリング炎上だったというだけのこと。
(しかし、シェアリング炎上には何かがある……という事か)
彼はふと何かを察したように見えたが、それが判明するのは……公式ホームページ掲載のスピンオフ漫画の方である。
「こっちもハズレかー」
上野駅周辺を見回し、何かを探すのはレインボーローズだった。
先ほどの人物からはさほど情報が得られなかったので、別の人物を探そうとするが……上手くは行かない。
フィールドの方は解除されており、すでに集まっていたギャラリーもいなくなっている。
このバトルでもギャラリーがいたという事は不思議ではあるが。
「これで何回目なのよ。SNS炎上勢力に手を貸しているまとめサイトをおびき寄せるはずが……ハズレ引いているの」
これ以上は警戒される可能性もあるので、下手に動けいないだろう。
そうは思っていても、どうしても……というのはある。
炎上勢力の暗躍を許せば、明らかにアウトである事例もあるからだ。
何としても、彼らは根絶する必要性がある。下手に政府介入を許せば、それこそ……ブラックバッカラ事件以前の情勢に逆戻りだろう。
【第48話『炎上の裏で、暗躍する存在』】
今回も、まさかの特殊オープニングであり、オープニングテーマはない。
まさか過ぎる展開は続く。
『一部のARガジェットで非公式バッテリーを使用し、ガジェットのデータが消滅する不具合が発生しています』
男性声のナレーションで始まったのは、ARガジェットのお知らせと言うCM。
前回も流れていたが、前回と違うのはBGMが追加されたことだ。
BGMが追加されずにトラウマ化するようなCMは稀にあるだろう。それを踏まえると……と言うのはあるかもしれない。
『このままデータの消滅したガジェットを使い続けると、最悪で重大な暴走事故に発展することがあります』
『ゲームによっては、こうしたガジェットの使用によりチートツールと判定され、アカウントが誤認識で凍結されるのは確実でしょう』
『メーカー非公式の互換ツールなどを手に入れたり、裏サイトなどで購入、もしくは裏バイトなどで製造をすることはアカウントの永久凍結につながる犯罪行為です』
『皆さんは絶対に行わないようにお願いします』
行うのは、あくまでも「違法なツールを使わないでほしい」と言う注意喚起である。
ガジェットの回収は行わない事はCMを見れば明らかだろう。
これが忍者構文と関係あるのかは……定かではない。




