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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第45話『比喩表現《リアルフィールド》としてのダンジョン配信』

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第45話その2

 CM明けのタイミング、ガーディアン草加支部近くのコンビニ、そこでは偽ガーディアンとアルストロメリアのバトルが始まろうとしている。


「まさか、ガーディアンの隠れ蓑がコンビニだったとは!」


 偽ガーディアンはガーディアンの支部の場所を把握していなかったのだろうか? もしくは、偶然で発見したとか。


 アルストロメリアとしては、偽ガーディアンであろうと他の部外者に場所が認知されるのは棄権である、と考えている。


 ガーディアンの場所自体、バイト募集をしている段階で即バレしているのではないか、と指摘されるのは百も承知だが、そっちとは別の意味で外部にバレると危ないのだ。


 ニュースでも麻薬捜査官などのような人物が顔をモザイクなどで隠すようなケースがあるのと同じように、ガーディアンも似たような事情で顔が割れるのは危険なのである。


 メインがガーディアンであるような新宿支部メンバーや足立支部、そのほかの兼業を持たないような人物は、それでもいいだろう。


 しかし、草加支部、春日部支部、浜松町支部、池袋支部、渋谷支部などのような兼業状態でガーディアンをやっている人物は、顔バレをすると非常にヤバイ。


 特に企業勢VTuberが複数人いるような草加支部、謎の副業を持つ人物が数人確認されている渋谷支部はもっての外だろう。



 次の瞬間、偽ガーディアンを行動不能にしたのは、何と祈羽(おりはね)フウマだった。


 まさかの出現には、別の意味でも驚きを隠せないが……間違いはない。


 その外見が外見なので、初見ではフウマと見破れるものはいなかった。忍者とは異なるようなARアーマーを装着していたからである。


 このARアーマー自体は、過去に装着して参加しようとしていた記録もあり、映像も……と言う気配だ。


 使用武器は一種のスタンガンを刀にしたような……スタンブレードと言う具合か?


 しかし、フウマが駆けつけた理由は分からない。


「そんな馬鹿な……あり得ん!」


 偽ガーディアンはフウマの出現をあり得ないと思っているようだが、現実に起きていることを受け入れるべきだろう。


 その後、偽ガーディアンは倒れ、別の支部のガーディアンが回収をしていく流れになる。


 草加支部側で片づければ早い話だが、この状況なのでアジトの場所が特定されるのは避けたい。


 その為、アルストロメリアは春日部支部に増援を依頼し、来てもらっていたのである。


 偽ガーディアンは単独犯であったようで、他の増援が姿を見せることはなかった。


 便乗勢力はいたようだが、そのほとんどは春日部支部のガーディアンが撃破した後の様子。


(彼は確か……)


 一方で、アルストロメリアも乱入者の救援には歓迎する一方で、別の意味でも困惑をしていた。


 確かに春日部支部へ増援要請はしたが、あのような人物まで呼んだ覚えはないからである。


 春日部支部長ことホップの事なので、何か仕組んでいるのでは……と言う含みはあるかもしれないが。



『この世界にSNS炎上が絶対とする、その理想が栄えたためしはない……』


 フウマはARメットを装着しており、若干のボイスチェンジがかかっているような気配はする。


 一方で、男性声なのでそちら方面のボイチェンではなく、若干のトーン変更などの辺りかもしれない。


 素顔に関しては周囲に見られるような気配はないのだが、何故に素顔を隠してこのような行動をすることになったのか?


 その後、フウマは何かのフィールドを展開したかのように姿を消した。まるで、霧のような消え方と言えるだろう。


 アルストロメリアの目にも消えたと見えているため、いわゆるレーダーをかく乱させて監視カメラ類だけに見えなくなる手法やステルス迷彩の類ではない様子。


 一体、どういう仕掛けで姿を消したというのだろうか?


(やっぱり、あの機能は……)


 アルストロメリアも思う個所はあるが、まずは……他にやることもあるだろう。


「これから周辺チェックを行いますので、関係者以外はすぐに退去してくださいね」


 周辺チェックと言うのも……実際に行うのだが、周囲のギャラリーが集まりすぎると今度はマスコミまで呼び込みかねない。


 そういったこともあるので、野次馬には早めに大挙してもらうように指示を出す。



 この事件が発生する数時間前、フウマはガーディアン草加支部に来ていた。


 つまり、あの場に出現したのは意図的である。この場にはいなかったので、アルストロメリアは知らなかったのだが。


 彼もガーディアンには若干の興味があったので、送られてきたメールを見てここまで来たらしい。


「この装備を?」


 フウマが案内された場所、それはガーディアンの装備倉庫とも言えるような場所であり、そこには巨大ロボットなども置かれている。


 しかし、フウマはそれらに興味を示すことなく、そのまま男性メンバーに案内されてたどり着いたのが、ある武器の置かれたスペースだった。


 案内されたのは途中までで、奥のゲート……つまり、装備倉庫の内部までは案内出来ない、とのこと。


 権限がない、と男性メンバーは言うのだが、これはもしかしなくても方便だろう。


 そして、そこに置かれた特殊な刀をフウマが手を取り、この台詞なのである。


「そういう事みたいだね」


 その場所で待っていた人物、それは何と雪華(ゆきはな)ツバキだったのである。


 ツバキもある人物に案内され、この武器を受け取った……という事らしい。受け取った武器は、銃と剣が一体化したようなビームライフルのようだが……。


『まぁ、こうなることは想定外だったが……』


 武器を手に取った二人の前に須賀を見せた人物、それはまさかのブラックローズだった。


「メットを脱げないのには理由が?」


『ガーディアンの存在に関して、分かっていれば……何となくわかるでしょう? いわゆるマスコミ対策よ』


 彼女はARメットを装着しており、二人に素顔を見せてはいない。フウマはARスーツ着用で姿を見せたが、この場面ではメットを脱いでいた。


 フウマもそれを踏まえて質問をするが、ブラックローズはあっさりとスルーしている。


 ツバキとフウマが手に取っている武器、それはARガジェットの技術を応用した特殊なもので、後にオケアノスでも市販される予定のガジェットでもあったのだが……。


「あなたがアルストロメリアですか?」


『アルストロメリアは支部長だけど、私じゃないわ』


 ツバキの質問に対してもあっさりと答えた。アルストロメリアが自分ではないのは、間違いではない。


 それに、向こうもアレは察しているだろう。


(じゃあ、いったい誰が……)


 ツバキは『君の姉の正体を知っている』と言うメッセージを受け取り、ここまで来たのだが……そのカギを握る名前こそ、アルストロメリアなのだ。


【アバターシノビブレイカー】


 ここで前半パートが終わった。果たして、アルストロメリアとツバキには何の関係があるのだろうか?


 視聴者的には、ある伏線自体は提示されており、その回答に近いのだが……。



『今、日本ではエクストリームスポーツが熱い!』


 流れたCMに映し出されていたもの、それはパワードスーツ姿で小型の四輪カートに乗った人物だった。


 そういえば、似たようなCMで電動キックボードに乗っていたパターンもあったので、別バージョンなのだろう。


 小型の四輪カートと言っても、ゲームで見かけるようなタイプと言うよりは、もはや四輪の小型バギーと言うレベルにも達する大きさである。


 これでも軽自動車よりは小さいのだが、ライセンスが必須なのは言うまでもない。この場合、必要なものが自動車免許ではないのだが。


 こちらのカートだが、走っている場所は草加市内にあるオケアノスのサーキット場である。つまり、サーキット限定ライセンスという事にもなるだろう。


『ARカートレース、ARロボットバトル、ARアンリミテッドダンジョン……様々な大型ガジェット運用ARゲームでは、ライセンスが必要となります』


『エクストリームスポーツ専用、特別ARゲームライセンス、この機会にぜひ習得を』


 エクストリームスポーツ専用のARガジェットを使用するためのライセンス、その取得を呼び掛けるCMの別パターンだったのである。


 ARカートレースに限れば、公道を走るようなタイプのものはバイクレースでも免許証の携帯は必要だった……と言うよりも、忍者構文の事件前に変わったらしい。


 ARガジェット自体、ライセンスなしでも使用することは可能な一方、一歩間違えれば大事故になるようなタイプのガジェットにはライセンスが必要だった。


 その中には、ARダンジョンでも大型のロボットやガジェットを使う系統のアンリミテッドでライセンスが必要になる。


 日本のエクストリームスポーツ人気、それはARガジェットを使用したものが拡散していることなども理由のひとつだろう。


 そして、イースポーツとしてもルールが作られていったことが、今回のライセンスキャンペーンのCMが流れる事になった……のかもしれない。


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