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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第42話『崩れ去る思惑とインフルエンサー』

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第42話その3

【9月14日。ダンジョン配信王決定戦、最終日】


 そして、まさかの最終日となった。後半の数十分で決勝をやるには……と言う展開だが。


 日程に関して14日が最終日と記載されていたのか……と言われると、実はインターネット上のスケジュールと思わしきシーンは別の回で流れており、そこに14日が最終日と記載されていたのである。


「AR部門の配信王は……この人です」


 そこでは、まさかのAR部門がいきなり発表されたのだが……名前に関しては言及されていない。


 特に有名どころの配信者が敗れたのも理由かもしれないが、真相は不明である。


 もしかすると、この辺りはスピンオフコミカライズなどで判明するのだろう。



 一方のVR部門は、まさかの人物が決勝ラウンドに進んでおり、そこに驚きの声があった。


 その一人は月城(つきじょう)アサギ、彼女は推薦枠ではなく予選枠からの決勝進出である。


 もう一人はハンゾウと名乗るフォロワー100万人と言うチャンネルを持っているダンジョン配信者だ。彼も厳密にいうと推薦枠ではなく、予選枠の突破組だ。


 ハンゾウ自体、名前の由来が服部半蔵という事もあり、ありふれ過ぎている。一歩間違えれば、なりすましが容易かもしれないだろう。


 しかし、それが起きなかったのには実は別の理由がある。それは、彼の使用しているアバターが……。


(まさか、あのハンゾウなの?)


 このアバターを初見で見た際も思ったことだが、ハンゾウの使用しているアバターは何と秋葉原に出現した黒い忍者、あのハンゾウと同じアバターなのだ。


 アサギの方は、さすがにこの場であれを使うわけにはいかなかったので、普段は見せない素顔としてのくノ一アバターを使わざるを得ない。


 実際、決勝のフィールドを踏まえると……あのアバターが使えないのも納得がいくのだが。


 推薦枠のプレイヤーは、気づかないうちに全滅、決勝ラウンドも予選枠のプレイヤーが予想以上に健闘し、最後に残った4名も予選枠だったのである。


 アサギ、ハンゾウ、他の2名を合わせても実は300万フォロワーに到達するかどうか……というフォロワー数だ。


「100万フォロワー数で予選枠って、おかしくないか?」


 予選枠に残った別の男性配信者は、ハンゾウを若干疑う。自分はフォロワー数50万で、100万には及ばない。


 しかし、推薦枠の条件にはフォロワー数100万人と言う枠があったはず。それなのに、予選枠なのか……と思った。


「だが、100万人フォロワー数がいても有名ランカーに到達する配信者でなければ、推薦枠は取れない。確か、あのハンゾウと言う配信者は始めたのが忍者構文のはやりだした7月頃と聞く」


 もう一人の黒い忍者装束の男性配信者も、ハンゾウを若干疑うのだが……彼には配信者としての経験値が足りなかったのでは、と推測した。


 自分はダンジョン(しん)のダンジョンができる前からVRダンジョンを潜り続けており、半年はやっているだろう。


 アサギに関しても元はプラモバトルの配信者であり、ダンジョン配信者でないという情報もある。それを踏まえれば……フォロワー数が多くても一般枠なのは不思議ではなかった。


「フォロワー100万人と言っても、所詮は水増しの可能性もある」


「そういう事だ。倒すべき相手は決まったな」


 この2人が何を考えているのか、この段階では分からなかったが……まさかの展開になるのは読めていた。



 レース開始後、二手に分かれるような道が無数にあった。


 スタートからゴールへ向かって進むのが、決勝のバトル内容であり、ルート選択は重要なのだろう。


 ハンゾウは一切喋らずに、機械的にルートを読み取り、最短距離を目指す。


 アサギはナビを参考にしてルートを割り出し、最短距離を目指すが、どうしても限界はあるだろう。


 ナビアプリなどの使用は禁止されておらず、それこそダンジョン配信王となるためにはあらゆるものを駆使する……と言う意味合いがあるのかもしれない。


 しかし、それでもチートは使ってはいけないのだ。何をチートと指し示すのか、いくつかの事例は運営から明示されているものの……不明な箇所も多いだろう。


(やっぱり、そういう事……だったのね)


 ハンゾウとは別ルートでゴールへ向かおうとするアサギだったが、別のプレイヤー2名はアサギではなくハンゾウの方に向かっていった。


 あの2人の狙いはハンゾウだった……と言えるだろうか。アサギの方を追いかけてくる気配がないという事は、最初からスルーだったのか?


 コースに関しても、アサギの取ったコースにトラップが多いわけではない。どちらもおそらくは似たような物だろう。


 微妙に配置が違っている、配置されたトラップの種類が違う……その微妙な誤差だろうか?


 ここで、まさかのエンディングテーマが流れ始め、そのまま本編が続くと思ったら……。



 次の瞬間、姿を見せたのは、エンディングクレジットと秋葉原駅の方を向き、何かを待っているレインボーローズの姿が映し出されている。


 まさかのエンディングアニメーションが追加されていたという。秋葉原駅のレインボーローズの次は、草加駅で電車を待つ草加支部長アルストロメリアである。


 第3クールまでは普通のエンディングが流れるケースが少なく、特殊エンディングのケースが多い。


 その中で今回は、まさかのエンディングが流れたのだ。これには別の意味でも驚く視聴者は多い。


 エンディングでは、ウェルウィッチアが今まで未登場だった中で姿を見せ、更に言えば他のガーディアンの支部長も素顔を見せていた。


 その中には、今まで特殊ガードがあったかのようなリーガルリリーも素顔を見せている。眼鏡をかけており、いかにも地味なイメージの素顔ではあるのだが……。


 直近のエンドカードでも素顔は見せておらず、アニメ公式サイトでもARメットをかぶった状態のリーガルリリーが素顔を見せるのは、ある意味でも衝撃のサプライズと言えるだろう。


 ハンゾウに関してはエンディング内でもヒントになりそうなビジュアルはなく、蒼影(そうえい)も該当するビジュアルがない。


 DX玩具でリリースされるはずの、あの形態もビジュアルが出てこないのだ。一体、どういうことなのだろうか?



『次回、アバターシノビブレイカー、対電忍。ハンゾウ、衝撃の正体』


 CM明けに次回予告のロゴが表示される。今回はあの時みたいに特殊フォントではない。


 しかし、重要な回であろうことはわかるだろう。実はと言うと、次回は第7章に突入する回なのだ。


 バックの背景は、前回と同様に蒼影であるのだが、合体時のデザインではなく通常デザインに戻っていた。


 一体、どういう伏線がこの姿にはあるのだろうか? エンディングにビジュアルがなかった事にも関係があるのだろうか?


 アニメで言う1クールの区切りもあって現在は第4クールという一方で、対電忍は章単位のエピソードでまとめられているのも特徴だ。


 それを踏まえると、何かがあるのでは……という気配がするのだろう。


 ナレーション担当は、月城アサギ。今回のCパートを踏まえると、そういう事かもしれない。


 真面目に語るのも、ある意味仕様ではあるのだが。



 今回のエンドカードは、雪華(ゆきはな)ツバキとレインボーローズのツーショット。


 服装は両者ともに私服だが、レインボーローズはブルーライト対策のサングラスをしているのが、通常時との違いだろうか?


 どこかのゲームセンターで、対戦型アクションゲームをプレイしている一幕なのだろう。


 その背後には、しれっと月坂(つきさか)ハルカとウェルウィッチアの姿も見えるのだが……。


 ゲームセンターは実在するアミューズメントショップであり、こちらは許諾済み。


 二人がプレイしているゲームも架空のものではなく、何と実在する。


 このアクションゲームは、プレイヤーキャラを選択し、スタートからゴール地点まで向かうというパルクール要素の強いアクションゲームだ。


 独特なツインスティックで操作するというのは難易度も高いかもしれないが、プレイヤーキャラの人気もあってか配置しているゲームセンターが多い。


 そういえば、この作品に対電忍コラボが実施されるという事で、プレイアブルキャラが発表されていたが……このチョイスは、その路線だろうか?


 今回のVRダンジョンの決勝のフィールドも、このパルクールゲームに出てくる市街地フィールドに類似したような個所もあるようだが、これはしれっとだがエンディングに背景提供としてクレジットが存在していた。


 まさかともいうべきコラボが、ここで行われていたことになるのだが……。



 実際には、本編の伏線も含んでいそうなエンドカードではあるが、エンドカードはあくまでも本編とはパラレルワールドである。


 それを踏まえると、二人の関係性はゼロのように見えるが……お互いに主人公と言う意味合いでエンドカードを飾ったのかもしれない。


 ツバキが主人公なのか、と言われると出番的には純主人公になっていがちではあるが、この作品には群像劇的な要素も含む、と言う考察がいくつか存在する。


 これがコラボの予告的なエンドカードなのかは定かではないが、放送後のSNSアカウントなどで告知があるかもしれない。



【次回をお楽しみに】



「君たちは、現実と虚構の両方を走るランナーがいるといって、信じるだろうか?」


 対電忍放送終了後、突如として挿入されたのはこのセリフだった。ナレーションの声は男性だ。


 もしかすると、対電忍では出演していない声優によるナレーションなのだろうか?


 それに加えて、右上の違法ダウンロード対策のテレビ局のロゴのすかしもそのまま入っているので、そういう事なのだろう。


 画面が黒バックなので、まさか……と言う気配はしないでもない。


「パルクールは今、現実と非現実の境界線を越えて、新たなフィールドを走り出す!」


 次の画面では対電忍と同じ舞台と思われるような草加市が映し出されている。一体、どういうことなのだろうか?


 しかし、草加駅とその周囲は対電忍とは若干だが違う部分も見受けられた。リアルの草加駅がベースとも思えないようなものも存在し、デジタルサイネージはその一つだろう。


 主人公のような登場人物も全く存在せず、駅内を歩く通行人はいるのだが……その中に本作の登場人物がいるとも思えない。


 そして、衝撃はその後にやってきた。


【パルクール・サバイバー・クロス・ビルド】


「カミングスーン」


 次の場面ではタイトルロゴが表示されており、まさかの新番組予告だった。


 この気配だと、対電忍の最終回後に始まる新番組だろうか?


 もしくは、別の枠で始まる新番組を予告したもの……と言う可能性もゼロではない。


 そういえば『パルクール・サバイバー』と言う同名小説は存在するので、そのリメイク版か何か……と言う可能性もあるが、憶測にしかならないだろう。


 わずか15秒のCMだが、気になる予告だったのは間違いない。


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