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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第39話『ダンジョン配信王決定戦』(後編)

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第39話その3

『延長とは……初耳ですね。どの辺りのソースでしょう?』


『まとめサイトとか、フェイクニュースサイトの類ではない。かなり有力な場所経由と聞く』


 ガーディアンの定例会議、その席で大宮支部支部長の発言に対し、時間がないという部分を否定したのは何と神奈川支部。


 それに加え、彼らは延長されたとも発言する。一体、延長とはどういうことなのか? 


(しまった!? これは、まだいうべきではないと口止めされていた事……どうごまかすべきか)


 実際は、神奈川支部が口を滑らせてしまったもの。それでも延長と言う部分は……らしい。


『……とはいっても、渋谷支部のような渋谷区長とつながっていた件もある。そういった部分で有力、と言う意味だが』


 苦し紛れに思いついたものを発言し、その場を乗り切ろうとする。実際、他の支部はこの発言に対しなにも疑わないどころか……。


『週刊誌は信用できませんが、稀に有名どころの動画投稿者が言及していますよね』


『忍者構文の動画でも、『この記録には先がある』というような発言もあった。それを膨らませての……というのもあるだろう』


 一部の支部は、この苦し紛れの発言でも何とか乗り切れたというような感じではある。


 ○○系の『バズり』目的な配信者ではない人物も、動画内で「忍者構文の事件が、あの調子ですぐに終わるわけがない」という趣旨の発言もしていた。


 それを差し引いても、神奈川支部の情報ソースがフェイクニュースなどの類ではない、という事にはなっている。


「とりあえず、この件は報告が来るのを待とう。まずは、ARチャフグレネードがARダンジョンで使われないように、警戒を強化せよ」


 秋葉原本部長は、まずやるべきことはARチャフグレネードが使用されない事である。


 これがARダンジョンで使われれば、どのようなことが起こるかは分からない。仮にモンスターが具現化し、実際に暴れまわったり……もゼロではない。


 位置情報系のゲームでモンスター討伐を題材としたものも存在し、こちらにはモンスターがAR映像で実際にいるかのように見える、と言った要素もある。


 そのモンスターが具現化し、市街地で暴れまわったりした際のSNS炎上の規模がどうなるか? 本部長が懸念しているのは、そういった問題だろう。



 一方、オケアノスのARダンジョンでは様々なプレイヤーがバトルに勝利し、次々と……と言う光景が見られた。


 残念ながら鍵を入手できなかった配信者は予選落ちという事になるのだが、まだ1回戦を突破したような感覚しかないだろう。


 それに加えて、この会場では鍵を入手できなくて予選落ちと言う配信者は誰一人いない。


 この会場で行われた予選参加者は20人である。AR会場は10か所、そこで各20人が予選に挑戦したという事だ。


 会場によっては予選通過者が0人はないのだが、場所によっては20人全員が通過と言うハイレベルな結果が出た会場もある。


 その会場こそ、オケアノス会場だった。


「なるほど。これはハイレベルな争いになりそうだね」


 ガーディアンのメンバーと思わしき男性、制服こそはガーディアンのものであるが、公式コスプレの方だ。


 紋章の方は足立支部のものだが、足立支部の公式コスプレはあっただろうか?


 それを踏まえると、紋章のみ別の支部のものに貼り替えたケースかもしれない。


(あの人物、本当にガーディアンなのか?)


 このガーディアンが偽物ではないか、と言う疑問を持ったのは春日野(かすがの)タロウもそうだが……。



(エントリーしておけばよかったかなぁ……賞金大きかったし)


 しれっとオケアノスへ別件で姿を見せていたレインボーローズと月坂(つきさか)ハルカも、ARダンジョンの観戦をしていた。


 参加資格は両者ともになかったので、この辺は仕方がない。ダンジョン配信者であることも条件のひとつだったのだが。


 プロゲーマーもエントリーしていただけに、そこでエントリーが可能なものと思っていた……が、現実は非情である。


 観戦している場所はタロウとは別なので、遭遇することはないと思う。


「ARダンジョンの配信者でもないし、エントリー自体は無理でしょ。予選の段階で、かなりの抽選倍率だったっていうし」


 ハルカはSNS上で発見した抽選倍率の話を持ち出すが、その倍率は100倍にも迫るものだった。


 AR及びVRを含めて抽選200名というのは……少なかったのでは、と言う声もあるだろう。


 しかし、それとは別に招待選手枠も存在するので、それを踏まえると200人でも多いのではないか……と言うのはあるかもしれない。


 招待枠の中にガーディアンの関係者を紛れ込ませ、賞金を……という可能性もゼロではないが、別角度からこの路線は否定される。


「それもそうだけどね……大手メーカーがスポンサーにいるでしょ? プロゲーマーが数人いるのを踏まえると、どうしても」


 ダンジョン配信王決定戦はガーディアンが主催なのだが、それ以外にも大手のゲームメーカーなどがスポンサーにいる。


 ARゲームでも大手なメーカーが関係しているのを踏まえると、そこからガーディアンの関係者が優勝して賞金独占はないだろう。


 ただし、その中にガーディアンとは違った勢力が混ざっていれば、話は別だが。



「こちらも特に大きな事件はなかったか」


 ダンジョン配信王決定戦の初日が終わり、一部会場ではダンジョン配信者をゲストにしたトークショーも行われている。


 その光景を見て、ガーディアン渋谷支部の支部長室でほっと一息を入れていたのは渋谷支部の支部長であるリーガルリリーだ。


 やはりというか、ARメットを装着した状態で、素顔は見せていない。ガーディアンの制服には袖を通す一方、メットのみは……と言う具合か?


 その中で、ある人物から通信が入った。


『久しぶりだな。リーガルリリー』


 ふと、聞き覚えのある男性声が聞こえたところで、エンディングテーマのイントロが入った。


「あなたが浜松町支部の……そういう事ね」


 声の主の正体を、リーガルリリーは一発で看破する。その人物とはガーディアン浜松町支部の男性メンバーだ。


 何故に彼が支部長クラスの人物に接触したのかは分からないが、何となく事情は読めている。


『渋谷支部の前支部長、やはりその路線だったようだな』


「まぁ、そういう事ね。渋谷区長とつながっている路線とは言われているけど、あれはマスコミの週刊誌部数アップの水増しでしょう?」


『その認識で間違いはないだろう。ただ、制作委員会のカバーストーリーと言うおまけつきだが』


「こっちも制作委員会の操り人形ではない。いずれ、向こうの正体もさぐるつもりよ」


『どちらにしても制作委員会は、自分たちの都合の良いストーリー……いわゆるSNS炎上勢力やアンチ勢力の一斉逮捕という筋書きを考えているようだが』


「大規模テロのようなことをリアルであれば炎上不可避とは思うけど、そういう手を使うのね」


『あくまでも対電忍は忍者ものではあるが、一般的な忍者漫画やアニメなどのように登場人物が……と言うような作品ではない』


「とはいっても、簡単に炎上勢力を一掃できるものか……ブラックバッカラ事件では、その一歩手前で失敗したともいわれているけど」


 二人の話は続くのだが、そこでエンディングテーマが終わる。その後は、そのままCMに入った。



『次回、アバターシノビブレイカー、対電忍。ダンジョン配信王、その裏で』


 CM明けに次回予告のロゴが表示され、前後編ではなく、まさかのダンジョン配信王編という事だろうか。


 バックに映し出されているのは、オケアノス内のダンジョンなのだが……そこにある影は、間違いなく蒼影(そうえい)だろう。


 一方で、蒼影はサポートメカ3体のフル装備+黄龍と思われるが、シルエットになっているので詳細は不明だ。


 何故にサポートメカのフル合体と分かったのかは、蒼影のシルエットと一部で合わない部分があったからである。


 これがサポートメカを含めたものと言われれば、腕だったり翼などの個所にも納得がいくだろう。


 第4クールの幕開けは、まさかの衝撃展開からの開始かもしれない。


 ガーディアンの言う9月30日のタイムリミットには近い一方で、その期限が延長されたという情報もある。


 ナレーション担当は、まさかのアルストロメリア。


 ある意味でも真面目に読み上げ、前回のアレの流れは途切れることに。



 今回のエンドカードは、蒼影ではあるのだが、その外見はかなり今までとは異なったものである。


 今まで手に入れた獅子、龍、鳳凰のサポートメカと黄龍の4体合体……蒼影を含めると5体合体か?


 やはり、サポートメカのデザインは、この5体合体を視野にデザインされていたという証拠かもしれない。


 龍のキャノン砲も脚部になりそうなデザインで、鳳凰の一部パーツも腕になりそうな気配もしたので……そういう事なのだろう。


 黄龍はボディ部分+バックパック、鳳凰の翼と獅子のボディ部分もフォローしているように見えるが……?


 ヘッドデザインは蒼影であるのは間違いないが、ヘッド部分も黄龍のパーツが使われていた。


 ある意味でも5体合体であり、真の姿とも言えなくないが……ロボットのサイズを踏まえると、これは明らかにバランスブレイカーな気もする。


 没デザインと言うようなパターンなのか、それとも本当に登場するのかは、この段階では分からない。


 しかし、次回予告の段階で登場した蒼影のシルエットは、間違いなくこちらにも似たようなものだった。


 つまり……そういう事なのだろう。


 ちなみに、立体化予定はないという事だが……3Dプリンターなどを利用して作ろうという強者はいるかもしれないし、別作品がアニメ化した際に、しれっとリリースされる説もゼロではない。



 なお、機体性能の方は蒼影であれだけの性能を持つため、登場したとしても作画節約などで静止画オンリー、次のシーンでは敵の方が瞬殺されることだってあり得る。


 特撮作品でも秒で敵を倒す側の味方巨大戦力はいたため、こちらもそのパターンになるのでは……と。


 対電忍の作品傾向からして、チートなメンバーはゴロゴロしているのだが……まさか、という部分はあるかもしれない。



 バックにある背景が、まさかのオケアノスの入り口であり、もしかすると、これと同じ巨大立像もあったりするのだろうか……。


 実際は巨大立像ではなく、ARビジョンでのものがまさかの展示がされているという徹底っぷりには驚くだろう。


 足元にいるのは、月坂ハルカ。服装は、いつもの学生服ベースの戦闘服ではあるのだが……指定ミスと言うわけではなさそうだ。



 この画像がネタバレなのか、それとも一種のフェイクなのかは次回に明らかとなるだろう。



【次回をお楽しみに】

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