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シフォン

 午前中、桜祭りの準備前半戦が終わって今からお昼タイム。

 学生は基本的に食堂組かお弁当組かに分かれるんだけど俺はお弁当組の方。

 でも両親がとある”奸計”により現在は海外にいるので作ってもらってません。そうすると俺のお弁当は?

「ねぇマリリン。今日は桜が綺麗だからお外に食べにいかない? 私敷物持ってきたんだけど」

 教室にて。こんなステキな提案をしてるのはクラスの副委員長、園田美月。通称は美月ちゃん。ミユキ先輩の実妹で美貌はお姉様譲りな上に可愛らしさまで付加した奇跡の美少女。

 トレードマークは大きなオレンジ色のリボンで作られたポニーテールだ。

「もちろんOKよ。行きましょうか」

 マリサが返事を返すと今度は俺の方を向いて

「キョウ君もいいかな?」

 尋ねられて即答。

「もちろんいこういこう!」

 OKにも程がありますよ。さ~今日のお弁当はうまいぞー。え~っとさっきの問題の答えはこれね。俺のお弁当はマリサと美月ちゃんに作ってもらってます。


 グランドの隅には桜花ホールと呼ばれる三階建ての円筒形の建物がある。

 そこは演劇部の部室や柔道場、入学式や卒業式といった特別なセレモニーが行われる部屋があるところだ。

 そしてその近くには大きな大きな染井吉野の桜がたくさん根を張っている。うちのは遅咲きだからまだ満開とはいかないけど

「それでもすごい綺麗だよな。よいしょ」

 敷物を広げる俺に美月ちゃんが

「ありがとうキョウ君」

「いやいやここぐらいしか俺の出番ないしね。食べる専門だし」

 言えばクスリと笑ってああ可愛い。マリサはお弁当や水筒を並べながら

「せっかくだからミユキ先輩やミヤコちゃん呼びましょうか?」

「あいよ」

 言われて携帯を取り出してメール一斉送信。登録グループ名は”ミヤコシスターズ”だ。


 ちょうど準備が終わって三人が腰を落ち着けた頃。ミユキ先輩、ミキさん、ミィちゃんの3人がやって来ました。

「ん? 桃花はまだみたいだな」

 敷物の上に大きな重箱と名刀”童子切安綱”を置きながらお姉様が仰いました。

「ああ。桃介なら今頃食堂でカツサンド争奪戦に参加してると思いますよ」

 答えればミキさんが苦笑いしながら

「毎日飽きないですね本当に」

 言いながら自作のお弁当をオープンしてその鮮やかな和食料理に皆で目をキラキラさせていると

「フンフンフン」

 鼻歌を歌いながらそこに惜しげもなくクラッシュキャンディを振りかけて台無しにしました。石化しているミヤコシスターズに向けて彼女はニッコリとして

「遠慮せず私のも召し上がっ」

「「「「結構です」」」」


 心地よい風。青い空。そしてたまにハラハラと舞い散る桜の花びらを楽しみながらのお弁当。

 マリサの洋食、美月ちゃんの和食のお弁当をお箸で失敬しながらもフと今朝の武装高校との一件を思い出して

「あ、ミユキ先輩あの」

 とラグビーボールサイズのオニギリをハムハムしてるお姉様に問いかければ切れ長の目を流しつつ

「なんだ京太郎? とうとうお前も私から抜刀術を習う決心をしたのか感心だな」

「予想の斜め上を行くのはいつものことですね全然違います」

「そうかなら言ってみろ」

 ということで今朝、マリサが絡まれた件や武装の皆さんがお昼にリベンジする的な発言してたことを申し上げました。

 そうするとお姉様はヤレヤレと溜息を吐いて

「懲りない連中だな。一人くらい首を刎ねてやれば少しは大人しくなるか」

「そういう物騒な発言ヤメて下さいよ」

 この人やりかねないから。冷や汗してる俺にウィンクして

「冗談だ。私もあまり値打ちのないものは斬りたくないさ。ん? どうしたミヤコ?」

 見ればミユキ先輩にお箸をズイと出してるミィちゃん。その先には魚の煮付け。

「はい。お姉様あーんして下さい。お米ばかりじゃなくて魚も取ってくださいねマストビー」

 ニパっと笑ってる義妹にキュンキュン来てるお姉様は

「あー可愛いなミヤコ。よしよしお前はもう誰の嫁にもやらないからなフフフ。あーん」

 この二人はちょっと危ない気もする。


「「「「「ごちそーさまでした」」」」」

 と全員で手を合わせてご挨拶。いやーもう最高。こんな可愛い女の子達と一緒に手作りお弁当を桜の下で食べられるなんて何ですかねこのイベントは見直したよ作者。

 至福のお花見イベントに京太郎お兄ちゃんはまさに天にも昇る気分だフフフ。

「それじゃぁキョウ君。デザートね」

 とラメの入ったリボンで包まれた包みをオープンする美月ちゃん。もちろん中からは手作りクッキーがキラキラ。お兄ちゃん本気で天に昇っちゃいそうだよフフフ。

 

 俺の感謝を返すといいよ作者。


 さてまずは各々の反応をここに報告されたし。

 マリサ、100万ドルの笑顔を浮かべつつも髪一本動かせないほどの硬度にて石化。

 ミィちゃん、”強い妖気を感じます!”とばかりにアホ毛がピンと一本逆立っている。

 ミキさん、平常を装いつつも包み紙をオープンせずキャンディをバリバリ捕食中。

 ユキたん、涼しい笑顔。本気で。やっぱおかしいよこの人。

 美月ちゃん、赤面してハニかみながらも両手の上で電気椅子(クッキー)を提示。どうぞ召し上がれのポーズ。


 園田美月、優しくて可愛くて料理上手で花の世話が大好きな絵に描いたようなヒロイン。

 今日も手製の大量破壊兵器で意図せず友人達を窮地に追いやる。主に俺。ていうか全部俺。

こんな感じでしょうか?

http://746.mitemin.net/i5352/

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