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ルートミヤコ4:始まりの始まり

 そろそろ事の起源について語るべき時期なのかもしれない。

 この奇怪な物語に始まりという最初の節目を設けるならば、一人の少女が下したこの決断が適当だろう。

 勇気あると称えるべきか。

 無謀と貶すべきか。

 それは個人の価値観主義次第なのだろうが、何れにせよそれは余人の構うべき所であり、つまりそれは件の当事者であるこの少女――加納綾の歩みを止めるものではなかった。

 平日放課後、即ち授業の引けた後、学園長室に向かう道中で擦れ違う友人達に、いつもと変わらぬオットリとした笑みを振りまく彼女が、この日、果たしてあの『ロストワールド』事件さえも凌駕し得る事件の『起爆装置』を手にしていることなど、一体誰に伺い知れただろうか。

「こわいこわい。すごいこわい。ガクガクブルブルったらありゃしない」

 ためらいと言う枷のついた重い足を、それでもテキパキと動かして進み、ついに学園長室の前に来た加納綾は、一度部屋の前で止まり、胸に手を当てて深呼吸する。

「……」

 その目を閉じた。

 ここまで来たら、もう後戻りするつもりはないし、出来もしない。弱気の虫は昨日のベッドで散々震え、徹底的に捨てて来た。それでも残っていれば、あとは演技力でカバーしてやるとも。何ていったって、アタシは演劇部部長だもの。開眼し、頷いてノックした。

 トントントン。

 しばらくの間の後

「開いています」

 学園長にして園田美雪の母――園田利恵の、静かだが良く透る声がした。アヤは「失礼します」と扉のノブを捻って押し開け、学園の中枢とも言うべき部屋に入る。

 意外な事に室内は、学園長室という名前に不釣り合いなぐらい高級感がなかった。

 機能性ばかりを重視して改装されたらしいこの部屋は、一見すると庶民的な事務室という感じで、下手をすればここの職員室や用務員室よりも質素かもしれない――そんな佇まいだった。

 ――ひゃ~。無駄を省くとは言ってもここまではちょっと……。

 アヤは初っ端に出会ったこの意外性に少し緊張感をサラわれた気がした。

 その事務机のような簡素な仕事場で、書類の一束に視線を落としていたここの主である学園長の、その知的な目がアヤに向けられる。

「あら、加納さんじゃない」

「あ、はい。どうも」

 アヤは室内から園田利恵に目を向け、微笑む彼女におじぎした。

「こんな時間に珍しいわね。今は部活の最中だと思うのだけれど、もしかして部活の予算に関する陳――」

 園田利恵はそこで口をつぐんだ。今しがた入って来た、この愛娘の親友が、何か並々ならぬ決意をその目に宿していることが、最初のアイコンタクトで分ってしまったのだ。

 一方この時、アヤは初手でマズったと心中で小さく舌を出した。どうやら学園長のガチンコな顔を見る限り、自分は弱気の虫を隠そうとするあまり、かえって強気の虫を顔に出してしまったようである。

「もしかして、先生になにか特別な相談ですか?」

 ばっちりと見抜かれていた。

 ――――こりゃダメだ。

 よってプランAを実行する。

 見つめている学園長の前で、加納綾は英国の兵隊さんのように華麗に回れ右。そしてシャキシャキと行進。頭にクエスチョンを浮かべている学園長の視線を背に受けながら、さきほど閉じたばかりの入り口扉、そのドアノブを見つめて狙いを定め、背中を逸らして勢いよく――

「せい!!」

 ――ヘッドバット! ごすっと鈍い音と共に視界に火花が散って、彼女はその場にペタンと尻もちをついた。

「ちょ、ちょっとアヤちゃん!?」

 ガタンと園田利恵は思わず立ちあがって、メガネの目をクルクルと回している演劇部部長の奇行に驚きつつも駆けよって、

「『ごす』ってアニメみたいな音したけど大丈夫!? あ~コブになってるじゃない! ……ほんとにどうしちゃったのよ?」

 彼女の傍らにしゃがみ込んで、プライベートなノリでアヤの頭を擦った。アヤはそれこそ本当にアニメのヤラレ役のように目をクルクルと渦巻いていたが、しかしそのまま学園長に確認した。

「こ、これで……アタシは。いつも通りですか? せ、先生?」

 力尽きる前に発する、絞り出すようなアヤ必死の問いかけに、園田利恵はしばらく呆気にとられていたが、やがてクスリと微笑んで返事をした。

「いいえ」

 プランA失敗である。


 仕切り直して、さて二人は事務机を挟んで向かい合っていた。

 加納綾は、園田利恵に勧められた椅子に姿勢良く座っており、園田利恵はいつも通り、安楽椅子――ではなくパイプ椅子に腰を降ろしている。両者の表情は緊張と緩和。実に対極的である。学園長は安心させる様な包容力のある笑みを浮かべて

「それでは用件を伺います。どうぞ」

 そうして手を向けられると、アヤは「はい」と頷いてから、ここでいつものオットリとした笑顔に戻った。十八番オハコの演技を行使し始めたのである。

 いよいよね――アヤは内心で火蓋をきり、用意していた『起爆装置』を机の上に置いた。A4の紙で出来たその『起爆装置』は二つあり、一つは真っ白な紙に黒の文字が印字された標準的な書類二枚。もう一つは真っ黒な紙に白の文字が印字された特殊な書類が数十枚だった。園田利恵はメガネのツルを押し上げ、テーブルの二つを見比べた。

「先生、用意されたこの二つの書類ですが、まずは本音と建前、どちらからいきましょうか?」

 加納綾はそうして、『起爆装置』にスイッチをオン。

 これはつまり、用意された二種類の書類のうちどちらかが本音で、どちらかが建前ということになるのだろうが、園田利恵にとってはなかなか想定外な切り出し方だった。けれどもそれは表情に出さずに、園田利恵はアヤのペースへ乗って行く。

 ――――ユニークな演出ね。流石は演劇部

 学園長は我知らず、愛娘の園田美雪を彷彿とさせるような――艶やかながらもどこか攻撃的な笑みを浮かべ、その目を怜悧に細めた。

「……そうね。折角用意してくれたのだから、まずは建前から聞きましょうか?」

 アヤはその迫力にノドを鳴らしつつも、笑顔は崩さず、「はい」と返事をして白い二枚の紙を引き下げた。

「まぁ、これは言うまでも無い当然の話だけれど――」

 先に口を開いたのは園田利恵。

「事務手続きに必要な公式文書は、白地の紙に黒の文字を印字するのが鉄則です。今しがた下げられた方がそれで、手元に残されたのが黒の用紙。――ということはつまり、これから貴方が『建前』としてお話し、説明する書類の内容は端から提出する気も受理されるつもりも無い。そう言う意思表示の表れとして受け取れるのですが、それはあくまで『本音』の伏線ということ。そういう理解でいいですか?」

 アヤはこちらのシナリオが寸分たがわず読まれたことに口から心臓が飛び出るかと思った。ものの数秒での看破である。演劇部の当人が言うのもなんではあるが、やはり役者が違う。先生は――この人は。自分なんかが策を弄してどうこう出来る相手ではない。心底そう思った。けれども

「いや~、まぁ、今下げた白い方も果たして公式文書なのかどうか、そこも正直怪しかったりするんですよね。ははは」

 そう言って頭を掻いた。つまりアヤにはまだ、虚勢を張るだけの余裕が残されていたのである。

 園田利恵はもちろん、自分が今ので相手の筋書きを破ったことに確信を持っていたが、流石にその意図までは読み取れていなかった。要するに、わざわざ『建前』という面倒臭いものを用意した理由が何なのか、である。アヤが二つの書類を用意してきたという行動には、果たしてどんな意味があるのだろうか。これからどんな話が出てくるのか。そして、アヤが入った時に見せた表情の意味は、どのような形で露わになるのか。内心、園田利恵は楽しみだった。

「それではいきなり結論から参ります」

 アヤが告げる。

「みんなでメイド喫茶やりたいと思います!」

 気合い十分に言い切った。

 学園長が間髪入れずに「メイド喫茶?」とオウム返しに尋ねると、はい、と彼女はやや攻撃的に微笑んだ。

「では詳細に御説明致します」

 ズラズラズラっと黒の書類をトランプのように展開しつつ、さぁいっちょやりますか! と内心で自分を鼓舞した。

 アヤはそれから、自分が企画立案したメイド喫茶『ルーチェ』についての詳細を丁寧に語り始めた。

 昨日頭に叩き込んできたセリフはすらすらと淀みなく、縦板を水が流れる様に口から紡がれていく。韻や音感にまで配慮されたさながら演説の様な口上は、その響きを聞いている――ただそれだけでも、心地の良い語り口だった。

 また肝心の内容にしても抜かりがなく、実に具体的かつ良く練られたものであり、園田利恵は目の前の少女に少なからず驚いていた。アヤが黒の書類を見せながら提案する店は、コンセプトやそれを実現するための内装、そしてそのコスチューム、あるいは用意されるメニューの質と種類に至るまで、どこをとってもとても高校生が考え付くようなレベルのものではなかった。その上それらは単なる理想論の羅列ではなく、店の立地条件と現実的な予算、さらには周辺の客層を詳細に分析したデータに基づいて弾きだれた、客観的に裏付けのあるものであり、相当に下手を打たない限り赤字は有り得ないと言う事を、彼女は数値として提示して見せたのである。

 とてもとても、一女子高生が出せるような代物ではなかった。

 アヤは熱心に頷いて聞いている園田利恵に、トドメのセリフを投げかけた。

「そしてこのルーチェの運営によって得られた利益はその全てを学園に還元するものとします。あくまでルーチェは学園生達が社会性と自立性を育むために計画されたものであり、営利目的ではありません。なのでその点は最初に明確にしておこうと思います」

 そして少し詰め寄る様にアヤは身を乗り出して言った。

「如何でしょうか先生? ルーチェは承認して頂けますか?」

 アヤは完璧に言い切った。

 これまで何度も繰り返してきた練習の中でもこれは完璧だった。

 学園長は愚か、百戦錬磨の投資家が相手であっても説得に成功したかもしれない。それほどまでに今の弁舌は冴えわたっていた。

「……なるほど。素晴らしいわね」

 学園長は頷いた。これは本心からの言葉だった。

「これだけ細部まで煮詰められた企画書は早々見たことないわ。メイド喫茶っていう案も、演劇部長ならではの独創性を感じるわね。お世辞抜きの手放しで、本当に見事よ」

「ありがとうございます」

 アヤはそう言ったが、目はむしろ先程より緊張していた。そしてその目に、園田利恵は告げる。

「けれども、答えはNOね」

 短く、しかしキッパリとそう言った。彼女はメガネのツルを中指であげる。

「理由一点目、まずコスチュームが扇情的すぎます。芸術の表現は自由闊達であるべきだとは思いますが、提示された幾つかの衣装は公序良俗や風営法に抵触する恐れがあります。理由二点目、最後の学園に利益を還元すると言う案自体に問題があります。一点目はともかく、特に二点目はどうあっても容認できないですね」

「どうしてでしょうか?」

「俯瞰的な視点を持ってみて下さい加納さん」

 園田利恵は言う。

「とある学園生達が頑張って喫茶店を運営しており、その収益はしかし1円たりとも彼女達の手に渡らず全て学園が管理している。けれどもこれは学園生達が望んでやっているのであり、学園が強要しているものではない。貴方はそれを風聞した時に信じますか?」

 学園による学園生への強制労働と搾取――とまでは言い過ぎかもしれないが、それに類する印象を持つのは否めない。アヤはそう思った。なので

「……いいえ」

 と、そう言うアヤの顔は、しかし消沈せずにどこか不敵な笑みさえ浮かべていた。いよいよなのだ。

「確かにそんな都合の良い話、誰が聞いたところで納得なんてしませんよね。仕方ないです」

 そう言って、彼女はアッサリとその『黒い書類』を下げた。学園長は応じる様に頷く。

「では、本音の方を聞きましょうか?」

「はい」

 今度は、最初に下げた『白い用紙』を机に乗せた。今度はたったの二枚のみである。園田利恵も少し身体を前に寄せて真剣に読み始めたが、すぐに眉を潜めた。

 二枚とも戸籍謄本である。

 一枚に記されている名前は、早乙女京。

 もう一枚に記されている名前は、後宮京。

 アヤは不敵な笑みを浮かべて、こう言った。

「みんなでメイド喫茶やりたいと思います!」

 そう、先ほどと全く同じセリフを。

 そのままアヤは、先ほどと同様の演説を再び始めたのだが、園田利恵はさっき以上に驚く羽目になった。なにせ机には二枚の戸籍謄本があるばかりで、先程の黒い書類のような参考となるものはいま一切ない。にも関わらず、全く淀みなくスラスラと口をついて出てくるそれは、先程と声音からテンポ・音程に至るまで全く同様で、即ちアヤがあれを丸暗記していることの証明だった。それもデータといった数値に至るまで一言一句違えず、つまることなく、目は園田利恵から逸らさぬまま、彼女は言い切った。

 そして最後のセリフであるが

「あくまでルーチェは――」

 そこだけこう改変された。

「――ここの学園生である後宮京と後宮京太郎が本当の兄弟である事を証明し、それを周知の時事実とするために計画されたものであり、営利目的ではありません。なのでその点は最初に明確にしておこうと思います」

 今度のアヤの目に浮かんでいるのは、緊張ではない。自信である。伏線は回収できた。自分が如何に本気であるか。そして何のために本気であるか。それらを全て吐き出す事が出来た。

 一方、園田利恵は改めて感嘆の溜息を吐いてから、しかしまるでデジャブのような対応を取った。

「なるほど。素晴らしいわね」

 と。

 そしてやはりまた、同じように頷いた。

「これだけ細部まで煮詰められた企画書は早々見たことないわ。メイド喫茶っていう案も、演劇部長ならではの独創性を感じるわね」

 チラっと、目を書類からあげてアヤに向けた。

「ありがとうございます」

 アヤも同じように応じた。

 ここからだ勝負は。

 加納綾は我知らず身を乗り出し、そして喉を鳴らした。

 その彼女の目をじっと見つめてから、厳かな口調で学園長は告げた。


「けれども答えは――ね」


 園田利恵は短く、しかしキッパリとそう言った。

 NOと。

 ただし。

「利益は全て貴方達で管理すること。そのような形であれば条件付で承認致します。何か問題は?」

 アヤの顔に、ようやく安堵の色が浮かんだ。

「ありがとうございます先生!」

 真夏の向日葵が咲いたような満面の笑みを、彼女はその顔に浮かべて言った。心底安堵したせいか力が抜け、背もたれに崩れるようになったアヤに向け、学園長は小首を傾げる。

「けれども加納さん、まだ隠している部分がありますね?」

 言いながら、園田利恵もまたリラックスして足を組んだ。

「あそこの地下にミカが引き籠ってるって情報と、京太郎君と京ちゃんが実の兄妹だっていう情報、それはどこから仕入れたのかしら?」

 流石にあの『ロストワールド』がミカの――園田美花の数年の研究成果、それの副産物であると言うことはまだ知らないだろうが、それでも『ルーチェ』という名前をアヤが出してきた以上、ある程度は真相に迫っていることは明白だった。

 そしてその名を出した時点で、今回の承認は決まっていたなど、もちろんそんな無粋を言う園田利恵ではない。

 アヤはにこやかに言う。

「はい。それはアタシの大親友、園田美雪です」

 やっぱりあのこか。園田利恵はクスリと笑った。元々口止めして黙っているような性格ではないとは思っていたけれども、いくらなんでも早過ぎはしないだろうか。ここまでの周到な準備を彼女にさせる時間があったことを考えれば、自分が娘に伝えた昨日の今日にも、その秘密を明かしたに違いない。

そこでふと思う。

 もしかしたら早乙女ジュンが、死産した早乙女京と、後宮京とを、夢うつつに入れ替えてしまったあの事件についても知っているのだろうか? 

 けれども、園田利恵はその疑問については口をつぐんでおくことにした。そこから先は大人のみが知っていれば良い、複雑でどうしようもない事情なのだ。アヤ達はただ、後輩や妹を思う純粋な気持ちで、後宮兄妹を救う事を考えていれば良い。早乙女ジュンをスケープゴートに――悪役にして、ファンタジーの世界で勧善懲悪のドラマを描き、皆が力を合わせて後宮京を救う。その分り易いシナリオを通じて、彼女達の愛情を後宮京に伝えられたら、それで後宮京の心の傷は――過度に人の愛情を求めて依存するその傷は――癒えるに違いないのだから。

 その為にもこれだけは気付かれてはならない。


 かつての罪を清算するため

 後宮京を救うため

 自らの『娘』を手放し

 今回の悪役を自ら買って出た

 早乙女ジュンの決意は。


「では、最後に、メイド喫茶という体裁をとったのはどうしてかしら? ミカの作ったあの機器にそんな演出めいたものが必要なのかしら?」

 園田利恵の問いは純粋なものだった。皆がドラマティックに『ルーチェ』を使って後宮京を救う。そこまではミカの筋書きにもあったのだろうが、そのスタイルにメイド喫茶を選ぶと言うのはやや想定外だったのだ。

 アヤはオットリと笑った。

「それこそ演劇部ならではの独創性ですよ」

 そんな茶目っ気のある意趣返しをして、さらにこう言った。

「ていうか、アタシの好みですね」

 園田利恵も笑った。何もかもが想定の範囲内に収まると踏んでいた、自分の滑稽さを秘めて。

「先生、実はアタシまだ隠している事があります」

「何かしら?」

「はい。実はさっきの書類なんですけど――」

 アヤは今度こそ、彼女本来の素の表情で、心を込めて、胸に手を当てて言った。

 顧客の分析は、園田美花ちゃんも一緒に。

 衣装のデザインは、山之内陽動君も一緒に。

 お店の内装は。八雲マリサちゃん、大山葵ちゃんも一緒に。

 喫茶店のメニューは、神条桃花ちゃん、美樹ちゃん、そして園田美月ちゃんも一緒に。

 みんなが一緒になって、メイド喫茶ルーチェは作られたんです。

 と。

「まぁ美味しいとこは、アタシがこうして持って言っちゃいましたけどね」

 アヤはそう言って「ニャハハ」と笑った。本当に屈託なく。

 それに園田利恵は目を丸くして、けれどもその後、呆れたように笑った。

「危なかったわね。そんなエピソード先に明かされてたら」


 ――先生、最初の黒の書類でもOK出しちゃってたわよ。


 そう言ってから立ち上がり

「さて、それでは早速、ルーチェの食品衛生責任者に関する手続きにとっかかりましょうか。けれども」

 彼女は最後に大ボケをかます。

「どこに売ってるのかしら? その許可証」

 加納綾はモノクロになった。


 それはまだ桜花学園の桜も咲かない、随分と前のお話。

 物語の始まり、事の起源とも言うべきエピソード。

 後宮京が生まれ変わる、始まりの始まり。


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