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フィナンシェ

 これは幼馴染のお話ね。時間的には早朝、俺とミィちゃんが家を出た直後。

「おはよキョウ、ミヤコちゃん。相変わらず目のクマがすごいじゃない」

 と玄関で青い瞳をこちらに向けてニコニコと微笑んでる長い長いツインテールが特徴の赤毛の美少女は

「おはようマリサ。レギュラーなのに朝練いつもご苦労さん」

 八雲マリサと言います。両手をキチンと体の前で組んで制定カバンを持ってお迎えしてくれるこの子は日本人とアメリカ人とのハーフであり俺のお隣さんであり幼馴染であり超のつく美少女であり陸上部のエースだ。

 頭も顔もスタイルも育ちも抜群なマリサは”八雲様ファンクラブ”なるものを学園に発足させる程の人気とカリスマがあるアイドルだがしかし騙されてはいけない。

「その実彼女は”妖怪猫かぶりツインテール”という名の貧乳妖怪もしくは無い乳妖怪でありたびたび京太郎君の失言を聞きつけては路地裏に連れ込んでその脅威の正拳を振るって」

「途中からナレーションが口に出てますわよ京太郎さんちょっとお話がありますの」

「このように俺を日々死地へと送り込むのである」

 曲がり角までズリズリと運搬されつつも涙目の京太郎君はミィちゃんに見送られながら

「マリリン話し合いの場を一つを設けようじゃないか」

「賛成ですわ存分に語りましょ」


-10分後-


「兄さんどうしたんですかその格好?」

「んんん。ただの交通事故」


 桜花学園の最寄り駅についた3人。その3人を改札口で待ち構えていたのは武装高校の皆様。マリサは自身の長いテールを払ってから100万ドルの笑顔で

「ワタクシ達になにか御用かしら低能な皆様」

 全力でケンカ売ったよ。

「「「「やっべーマジ惚れたぜ」」」」

 鼻の下伸ばしてる場合じゃないぞ君達もう一回今のセリフを思い返すんだ。

「「「「「……」」」」」

 数秒後。

「「「「誰がド低能だコラー!!」」」」

 自分で”ド”つけてどうするんだ君達。状況把握した彼らのうちリーダと思われる一人がツカツカとツインテールの方に歩いて”おっと”。

 男がついていながら女の子に危害が及ぶようなことがあってはならない。例えAカップでも。

「京太郎さんまだ足りませんの」

「前触れない読心はやめて。あと拳パキパキもやめて怖いから」

 ともかく京太郎君はマリリンとミィちゃんの前に立って沸点すごく低そうなお兄さん達に向かってクールに

「殴るなら俺を殴るといい」

 腕組みした。死ぬほどカッコイイじゃないか俺。

「いやお前なんか既にボコボコだしもう殴るトコなくね?」

 マジで死にたくなってきた。

 マリサは口元に手を当ててそのサファイヤのように美しい瞳をウルウルとさせて

「ひどい誰がこのようなことを京太郎さんに」

 寸分の狂い無くお前だよ貧乳。

 不良学生のうちの一人がメンチ切りながら

「とにかく俺達が用があるのはそこの赤い髪をした」

「貧乳妖怪か?」

”ゴス”

「ネーちゃんだよ!」

「Aカップ未満のか?」

”ゴス!”

 もう京太郎のHPは0よ! 改札前で頭抑えてのたうち回ってそれを義妹にツンツンされてるとツインテールは目を細めて

「あなた達ワタクシのフィアンセ@奴隷にここまでやってタダで済むとお思いで?」

「今領土問題よりヒドい捏造がモリダクサンにあったよ!?」

 俺の突っ込みも空しくマリサは右手の握り拳を作った。まった。

「マリサ自重。それは流石にシャレになってない」

 言ってみたものの

「おー。こんなお姉ちゃんに一発もらえるなら大歓迎だぜ俺」

 ノコノコと頭悪そうな頭を差し出してくる不良。あかん自殺行為も甚だしい。

 俺はアイコンタクトで

”マリリン喧嘩空手はこんなところで使ったらいけないよ”

 言えばツインテールは

”今まで再三口で注意してきたけどまるで絡むのやめる気配ないのよ”

 そういう経緯があったのね。ていうか今日もマリリンを口説きに来たのか。

”事情分ったけど精一杯手加減な?”

 マリサは白々しそうに目を細めて

”なんでキョウがそんなこと決めるのよ?”

 こういうときにテキメンなセリフを知ってたりする京太郎君。俺はウィンクしながら

”お前の幼馴染だからさ。これからもずっと”

 すると何の化学反応かカーっと顔を赤くしてから

”わ、分ったわよ。それじゃ週末にお茶の一杯くらいおごんなさいよ”

 そっぽ向いた。クソーなんでこんなヤツらの助命のために京太郎君が出費なんだよ。

「さーネーちゃん早くキツイの一発頼むよ」

 そのセリフにマリサは右手の形を変えて……あーデコピンね。

「ええ。わりとキツイかもしれませんわよ?」

 相当きついよ。マリサが笑んだ直後に彼の意識は吹っ飛んでその場に崩れた。八雲流喧嘩空手二段のマリサ。デコピンとは言えその威力は岩をも砕く。

 残りのメンツは

「く、くそーヘッド呼んで来い! 昼に襲撃かけるぞ!」

「お、おう! ヘッドが入れば俺達無敵だぜ!」

「け、けど桜花にはあの刀使いが……」

「いけるってヘッドがいたら! すごく! たぶん!」

 とか何とか言いながらも逃げていく不良生徒諸君。ふむふむお昼か。後で武神に報告ですな。どうなったかは”シャルロット”参照ね。

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