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クリスマスケーキ⑨



9話 頼りになる人?



豪の店の中、休憩室。

長テーブルにパイプ椅子、底に皆が座った。

父である、上野うえの 茂夫しげおを呼んで、昨日の出来事を全て話した。


「一茂…お前にそんな事が起きてたのか…で、繭さんは大丈夫か?」


「うん、大丈夫…」

父さんは僕の他に心配してくれて、皆に優しい人だ。

父さん考え込んでいる…それにきっと、この事件も解決してくれるかも…


そして、父さんはしばらくの沈黙で僕達も父さんの次の言葉を待っていた。

「…で?」


3人とも「えっ?」


「いやっ…俺は何をするの?」


良美叔母さんが

「お兄さん!カズ君が困っているでしょ!あなたの息子でしょ!親なんだから、事件にあって大変な状態なんだから、少しは相談に乗るとか、それにこの店だって、お兄さんが色々とアドバイスや取引先の世話をしてやったじゃない…それを「で?」って!」

良美叔母さん少し怒っちゃったみたい。


「ああ!」(汗)

「ごめん!相談には乗るけど…警察から何か言ってこなかったのか?」


「いや、まだ…このカッターの刃の件は良美叔母さんが店のために大事にしたくないから、黙ってくれるとは言ったけど…僕も豪も、どうしたら良いのか…って」


「お前達…もう大人なんだから、親に頼らず頑張ってくれ!」

みっ、見捨てられた…大人が頼りになる人だと思ったのに…見捨てられた


「だから、お兄さん!確かにもうカズ君達は大人よ…だけど、警察に相談してもまだ、犯人とおぼしき人は出てないようだし、この先また嫌がらせも、この店まで巻き込まれてることだし、大変な事になったら…」

ヤバい!良美叔母さんが怒り出した、これはもう止まらないかも…


父さんは首を押さえて

「うっ、首に針が刺さった様な…もしかして、俺は眠っらされ…」

そして、父さんは頭をガクッと下に落ちた。


「父さん!どっどうしたの」

父さんに何が起こったのか、皆注目をした。


「お兄さん!」良美叔母さんは父さんの側えと近づいた時、頭が落ちたまま父さんが何か言い出した。


「いやぁ~そう言う事だったのか……」


寝ている状態で言葉を喋り出す…


こっ、これは!もしかして…何処かに眼鏡をかけた青いジャケットを着た少年が…

僕達おそらく同じ事を考えていたのだろう、回りをキョロキョロしていた。


「父さん何か分かったの!」


「どうやら、昨日の睡眠薬が…今…効いたようだ…」


「お兄さんふざけないで!」


「ごめん!本当にごめん!」

父さん…僕、本当困っているのに…


その時ドアを「コンコンコン」とノックして

「あの…すみません、」

休憩室のドアを開けて顔を出す朋美さん

「あの…店長…」


「どうした?」

豪は朋美の方へ行き休憩室を出た。


「あれ?あの娘…」


「父さんどうしたの?」


「あの娘…もしかして…朋子さんの妹じゃないか?」


「えっ!朋子の妹!」

僕は驚いた…朋子には確かに妹がいる名前は朋美…僕が付き合っていた頃は朋美さんは小柄で細身だった…

確かに…結婚をしたと聞い事がある…名字が山下だったのか…

言われて見れば、どことなく似ている気もする。


豪が戻ってきて、朋美さんの事を聞いてみた。

「えっ!そうだったの?気付かなかった!…朋子ちゃんに妹がいたことも分からなかった…」


この前…僕が警察に向かう途中、朋美さんにあって、豪が僕の事を良く言っていない事を思い出した…それと、あの時…僕の事を分かっていたはず…

もしかして…この事件の鍵は…

僕は「豪…朋美さん、もしかして僕の事を知っているんじゃないのかな?」


「朋美ちゃんがか?」


「あああ…最後に会ったのは、朋子が亡くなって5年…僕はそれ程変わってはいないと思う…葬式の時に顔を出して、お線香をあげた時は朋美さんも居た…その前朋子と交際中だって一緒に買い物や何処かに出かける時なんて一緒にいたからね…僕の顔を覚えるはずだけど…」


警察へ向かう時に豪が僕の悪口を言ってた…それは…わざと、僕の事を知らない振りをして試したのか?


「あっ!いや…でも、あれから5年、失礼だろうけど、体型が変わってしまって印象が変わって僕が気がつかなかった事が、なんか悪いことをしたなって思ったよ。」


良美叔母さんが「そうね…女性はね子供を持つとしっかりとしなきゃって…家事や子育て色々としていると顔つきも変わってく人もいるのよ…ねっ!お兄さん!あんまり京子さんを困らせないでね!」


「なっ…なぜ俺が京子を困らせるって…」


「お兄さんの前では、愚痴なんて言うわけ無いでしょ!カズ君もそう!母親に頼りぱなしはダメよ!」


「ぼっ僕も!」って自分に指を指し、突然言われたことで焦った。


「そう言えば朋美ちゃんは、名木田なぎだ君の親戚だったな」

と父さんが、ふっと言った。


「えっ、あの名木田!」

僕は驚いた。

繭のストーカーをした名木田!

「父さん、名木田を知ってるの?」


「うん…昔な俺と名木田は一緒に仕事をした仲間だった…昔の話だ、今は養鶏場の社長してるだろ…もちろん豪君も卵を卸してもらっているから社長の事は分かるだろ…その名木田の姉が尾口おぐち…朋子さんの母親だよ」


僕は驚いた、まさか朋子の親戚が名木田だとは…。






10話へ続く



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