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クリスマスケーキ⑧


8話 もしかして…


ケーキのアイデアを出しあって「あれが良い」「これなんてどうかな…」

僕と豪の2人の会話がわざとらしい程大きい声で、ホワイトデーのケーキの話をしている。


それは、スタッフ3人に聞こえる様に…豪も全く疑っている訳ではないが、僕のために小芝居を打ってくれてる。


ホワイトデーまでは3週間程、この3週間でどんな動きがあるのか…




今日はホワイトデー、これ迄に豪の店に顔を出して、僕の家や繭には何も起こらないと言うのと豪の店でも以上が見られてないと言うのを2人で話をして、皆のアイデアの詰まったケーキを用意してもらい、僕は店を出ようとした頃。


「店長~電話です!」

と朋美さんが電話を持ってきて

「今日ケーキを買ったお客さんだそうです…」


「今日…?」

なんだろうと顔をしかめる豪


「ハイ、お電話代わりました…」

受話器から声が漏れるほどの女性の大声

「はっ、本当ですか?はい…すみません!あの…そのケーキをもっ来てもらってもよろしいでしょうか?」


豪の作ったケーキに何があったんだ?


謝罪の電話を終えて「はぁ…」とため息、相当落ち込んでいるように見える。


「どうしたんだ?」


「店のケーキの底にカッターの刃が1枚入ってたいたらしい」


「えっ?お客さんに!」


「ああ…今、持ってくるそうだ」


間もなく、電話をよこしたお客が現れて、

「豪君!これ!どう言う事なの!」

現れたのは、真っ赤のジャケットとロングスカートの派手目な服装をした年配の女性…それは、僕の叔母、

「良美叔母さん!」


「あら!カズ君!」

僕のお父さんの妹の長色ながしき 良美よしみ53才、明るく優しい叔母で学生時代僕と豪は良く可愛がられていた、良き叔母さん。

「カズ君、来てたのね…こんにちは!」


「そうじゃなくって、このケーキの箱…ほら!ケーキの下にカッターの刃が入ってたのよ!」

ケーキの下を取ると、新しいカッターの刃が一枚敷いていた。


「いつもご利用して頂き、誠に有り難うございます…そして、このような不注意な事を致しまして、本当に申し訳ございません!」

豪は深々と頭を下げた。


「カズ君の友達だし、私もここのケーキは特別好きなのよ!だけど、これはビックリだわ!…私だから良いけど、他のお客さんにだったら大変な事なんだからね!気を付けなさいね!」

良美叔母さんは、この店が出来てからの常連客、だから少しの変な事があれば直ぐに叱りに来る頼りになる人。


「でも豪君らしくないわね…この様なミスをするなんて…」


僕はもしかしてと思った。

「豪…もしかして、この箱に僕のケーキが入る予定だったとか…」


豪は少し黙って

「いつもは、ケーキの注文の数だけバイトの娘が箱の組み立てとケーキを入れてお客様に渡す…でも一茂の時は俺が組み立ててケーキを入れるはずだけど…この時、箱を組み立て終えた頃電話が来たんだ…戻った時に、その箱の事を忘れて新しく組み立て一茂のケーキを入れたんだよ…入れた後に気づいたんだ、まっ…買いに来る人もいるのだから余計あっても問題ないと思って、そのままにしてた…」


少し豪は黙った後


「もし、あの電話があって、その箱に一茂のケーキを詰めていたら…」


「僕のケーキにカッターの刃が入ってたのか…」


僕達の話を聞いていた良美叔母さんが

「カズ君!何?それって…カズ君が何かのトラブルに巻き込まれたの?」


「実は…僕の家に色々とあって…」


「豪君!あなた、うちのカズ君に!」


「いや!俺は無実です!」


「豪君…この店が出来たのは、カズ君のお父さんの強力があって出来たんだからね!…経営の事、仕入れ先の紹介だって、カズ君のお父さんがいての事なんだから!」


「はい!それは十部承知しております」

豪はまた、良美叔母さんに深々と頭を下げる。


「良美叔母さん!豪は何も悪くない!逆に色々と助けてもらってる…こうなったのも説明するよ」

と、クリスマスから今までの、出来事を良美叔母さん説明をした。


「なるほどね…で、カズ君のお父さんに相談したの?」


「詳しくは言ってないけど、警察に相談する時にお父さんに話したよ。」


「こうなってしまったら、お父さんにもちゃんと言わないと…この店まで巻き込まれてるし、カズ君と繭ちゃんに、これ以上嫌な思いをさせられないわ!…私からお父さんに言っておくわ!」


良美叔母さんが事の経緯をお父さんに電話してくれて、翌日話し合いをする事になった。



9話へ続く


















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