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クリスマスケーキ⑦



7話 誰なのか?



警察に相談して、一週間は過ぎた…

その後は非通知の電話も無く、警察からの連絡も無い。


繭は「あなたが側に居てくれたら怖くない!」

と言って笑顔を絶やさないでいてくれている…でも、毎日帰りは少しキョロキョロと回りを見渡しているのが分かる。

僕はそんな繭の手をギュット握って、「大丈夫!」と言って励ま。

それでも、少しは怖いんだろうな…


そんな一緒に帰る毎日も、太陽の沈みが遅くなり帰る時間には少し、薄暗く怖さも感じなくなり、繭の方から「帰りの時間にはもう明るいから、一人で帰れるよ!一茂に負担かけちゃったね」

負担…だなんて、でも…僕も心なしか少しホットしてる。


2月の半ば…バレンタインデー、繭はデパートでチョコレートを買って来た。

「いつもは豪さんの所のチョコレートケーキだけど、今年は気分を変えて会社の近くのデパート、ちょっと高級よ!」と言って僕に綺麗な赤く包装されたチョコを僕に渡した。


「ありがとー嬉しいよ!」本当は、豪の所で買って、また嫌なことが起こるのが嫌になったんだろうな…。


ん!…待てよ…逆に豪の所で、僕が繭にチョコのケーキを渡す計画を経てると、もしかして真犯人が出てくるかも知れない!


僕が繭にバレンタインデーの返し物でホワイトデーに豪のケーキを特注してみることを話してみた。


それで、店員の前で豪と打ち合わせをすることで、誰かが犯人か分かるかも知れないと思うと繭に相談してみた。

「面白そうだね…」

面白そうだね…まるでゲームのように楽しむ様な繭…でも、本当に大丈夫か本当は僕がビビってる…でも、ここで仕掛けておかないと、また何をされるか、逃げていてはダメだと思った。


バレンタインデーの翌日、豪の店は変わらず忙しそうだ。


店の落ち着いた時間…店員も品物の整理などをしてる暇な時間帯

「豪…繭からバレンタインデーの返し物で、ホワイトデーのケーキを特注で作って欲しいけど、相談に乗ってもらって良いかな?」

全員に聞こえる位な声で、何かわざとらしいな…。


「素敵ですね…彼女さんも喜びますね」

と、話しかけてきたのは何時もレジにいる笹木 紗奈ちゃん


「どのようなデザイン?」

豪はノートとペンを持って店の中にある丸テーブルと四人座れる椅子の所に行き座って僕と話す。


回りのバイトの娘達も暇なんだろ、僕達の話を興味津々と近づいて来た。


「僕は、チョコを貰ったからお返しはホワイトチョコってアリだよね」

豪はメモにホワイトチョコと書いた。


「形は?」

豪の質問に僕は

「そうだな…これは女性の気持ちになってみないと分からないし…あっそうだ!…ここに若い女性、三人もいるじゃないか!僕のアイデアより皆に聞きたいけど、何かアイデアあるかな?…言葉で言うのも難しいから…メモ渡すから、ちょっと書いてみて!」

と、三人にメモを渡した。


笹木ささき 紗奈さなさんが先にメモをとり「ホワイトチョコなら真ん中に赤い色のハートのチョコはどうですか?」と、ケーキの絵とハートの絵を書き、『ここは赤色のチョコ』と文字を書いた。

紗奈さんの字は丸みのある女の子らしい字。


立石たていし ひとみさんは、「こんなのはどうですか?」と、丸いホワイトチョコに文字で『HAPPY White dayとか、いつもありがと』とスラスラっと書いて、「後は繭さんの好きな果物を少し乗せて見ては?」といった。

瞳さんの字は、大人びた達筆な字だった。


朋美さんは少し下がった所で下を見て黙って立っていた。


「朋美さん、書いてみませんか?」

僕はテーブルの上にメモとペンを添えて席を空けて、『こっちに』と手をテーブルへと向かわせた。


「えっ…私ですか?」はっと、したような顔をする朋美さん

「わっ…私、こう言うのは苦手で…アイデアが浮かばないです…」

顔を赤らめて両手を横に降り、書くのを拒否をした。


「何でも良いんだよ!イラストでもなく…ただ、メッセージを書くだけで…後は俺が、イメージでイラストを書くからさ!」

豪は朋美さんの手を引き寄せテーブルへと向かわせた。


「えっと…」

全くアイデアが浮かばない様な顔

朋美さんはペンを取り『ホワイトチョコとチョコレートのしましま模様』と書いた。


「おっ、なかなか面白いね…」

と豪はメモにケーキにしましま模様のケーキのデザインをして

「こんな感じかな?」


「そっそうですね…」

と席を離れ僕達から少し距離を置いた。


朋美さんの字は達筆で少し癖のある右上がりの文字…

でも、あの脅迫文の文字とは少し違う。


「君達ありがと!参考になったよ、あと仕事に戻ってちょうだい」

と豪は皆を持ち場へ戻した。


小さい声で豪が

「どうだ?この娘達の字…お前の所に入ってた脅迫文と照らし合わせてみて…」

豪も同じことを考えていたようだ。


「ん~…この字だと何とも言えない」


「そうだよな…俺はこの娘達が犯人であってほしくないから、あえて字を書かせてみた」


何とも言えない…と言ったものの、朋美さんの字が少し似てる…丁寧に書くのと、荒々しく書くのとでは違う、字が右上がりだけが似ている…

この前、店で朋美さんと話した事…豪の話の食い違い…そして、この癖のある文字…もしかして…


8話へ続く
































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