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クリスマスケーキ③

三話 一体誰が…




「で、警察に相談してみた?」


僕は豪に言った。




「いや…もしかして、誰かが取りに来ると思って寄せておいたけど…もちろんこのケーキは俺が作ったのでも、バイトの娘でもない…注文の数を計算しても、このケーキは違う、まず一茂に相談してみよって思っていたよ。」




「このケーキって、コンビニのケーキと言ったよね…誰が買ってきたの?」




「うん、それなんだよ…昨日は誰も仕事中もちろん休憩の時間もこのケーキを持ってきてもいないし預かってもいない…でもちょっと見てほしいのがある」




豪は事務室である部屋に僕を呼んだ。




事務室の中にパソコンが置いてあり昨日の防犯カメラの様子を見せてもらった。




カメラの位置は入り口から入って、天上に設置されていて右斜め上から映した画像。




「ただ気になったのが店のレジの防犯カメラと裏口の関係者用の入り口のカメラを見てたら、裏口の入り口なんだけど、そこは従業員の他に取引先の人が出入りしてて、その中の1人が…」




豪はモニターに映し出された1人の男を指差した。




「養鶏場に働いている従業員で、何時もここから卵を買っている…それで、何時も持ってきている卵のコンテナの上に小さい白い箱が乗っかっているのが解るか?」




細身の身体をした若めの男性が卵を入れたコンテナの上に確かに白い箱を持ち込んでいるのが見えた。




「確かに…ケーキの箱ぽいね」




「あの箱を持ち込んで来たのはこの人だけで他は小麦粉の袋だったり、青果店の店員だったりで、それらしいのはいないかも」




「その養鶏場の従業員は誰か知ってるの?」




「あああ、名木田なぎだ ゆたか 会話は苦手らしくコミュニケーションが難しい人だね、発達障害の子で高校は養護学校を出てきたと、養鶏場の社長である父親の名木田なぎだ彰一しょういちから聞いたよ」




聞き覚えのある名字、名木田なぎだ




「下の名前は分からないけど、名木田の名字の人は覚えてる…」




「その名木田さん知ってるの?」




「うん、ちょっと…特長のある名字だし、でも僕の知っている名木田と言う人と違うかも…顔もよく見えてないから何とも言えないが。」




「とりあえず、明日警察に行ってみるよ…後、養鶏場の従業員にも聞いてみる」




「あああ、頼むよ」


僕は片手を上げて豪の店を出ていった。




名木田…誰だっけ…名字は覚えてるけど、名木田と言う人物を考えながら家へと向かう。




「ただいま!」


クリスマス、まだ楽しい雰囲気が玄関にもある。




「お帰りぃ~」


明るい声がリビングがら聞こえて、小走りで玄関まで来た


「お帰りなさい!」


ニコッとわらう繭


「一茂さん今日は遅かったのね…」




「思い出させたくないけど、昨日のケーキの事で豪の店に行ってきたよ」




「あの変わったケーキ?」




「そう、誰があのケーキを置いたのか…何のために持ってきたのか?って、色々と話してたけど…とりあえず、明日警察に相談を行くって豪が言ってた」




僕はあのケーキの下にあるメッセージの入った紙の事は黙っておいた。




「事件でなければ良いけどね…」




そうだ!思い出した…




まだ、繭と付き合う前…当時、繭はコンビニの店員で働いていた時があって、僕が言うのも恥ずかしいけど、笑顔が素敵で愛想の良い娘で誰にでも好かれるタイプの人だから、やっぱり勘違いする人も多いようで…この中でストーカーみたいな事もあったと言ってた。




過去に繭はストーカー被害で警察に捕まった男の名前がそう!「名木田」だった!

ヒョロッとした背は…確か170センチはあったのかな…


確かその男は発達障害で注意をしたけど理解力が厳しく、その時は親の保護観察の注意で終わったはず…だけど、僕達の結婚の話は分かってたのかな?


それと、発達障害の子があんな字を書くのかな?




とにかく、この名木田と言う人物の事は繭には内緒にしておこう…。






四話へ続く



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