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ラニアケアの彼方から  作者: はなみ 茉莉
精霊の祝福
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  6.5 むかしむかし、


じゃあボクはこれで、部屋は好きにしていいよ、と、まるで散歩にでも出るような気軽さでその魔術師は言った。


「結論から言うと魔王を倒すのは無理。ボクたちが倒す前に皆怖がりすぎた。恐怖が奴を強くしすぎたのサ」


そうか、とヴィントは相槌を打った。

魔術師はにこりと笑うと部屋を後にした。


ああでも、と背を向けたまま魔術師は告げる。


「少し頑張れば、封印くらいはできるんじゃないカナ?」



そして二度と帰って来なかった。



リリーベルです、と自己紹介した少女はまるで巣から落ちてきた埃まみれの雛鳥のようだった。


三百光年先の惑星エライユへ。

言うのは簡単だが、宇宙の航行はそうはいかない。

光年移動に耐えうる特別な宇宙船と、それを動かす圧倒的な魔力量の魔法使いがいなければ船はあっという間に朽ちて瓦解し、魔法という低燃費の燃料失くして長距離を進む事は敵わない。


何度も聞いたが、リリーは船を乗り換える事なくエライユまでやってきたらしい。

金の懐中時計を媒介に、魔法で出来た宇宙船。

起動には膨大な魔力がいるが、リリーは自然に、難なくひとりで三百光年航行してきた。


圧倒的な魔力量を持つ少女が持ってきた懐中時計には、製作者──元の持ち主の魔力の残滓がひっそりと残っていた。


かつて大魔術師と呼ばれた男の魔力が。













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