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りんご→

見送られる僕たちは 自分に向けて別れの歌を歌いだす

 僕たちの集大成のハーモニー 涙の合唱に負けていた

 友達との別れを惜しむ同級生 先輩との別れを惜しむ下級生

 いくつもの人の輪が 学校の中で咲いていた

 僕も もちろんその輪にいた

 けれど 別れなどただ一瞬

 道などいくらでも交じり合う

 それよりもずっと大切なことがあるじゃないか

 明日起きれば否が応にも避けられない

 来なきゃいいと思いつつ 待ち焦がれる僕がいる

 


 陽が差し込んだリビングで こわばる心を味噌汁と共に流し込む

 不自然に無口な両親を残し あの場所へと歩いてゆく

 同い年の学生たちは すでに白い板の前で待っていた

 僕はスマホでアプリを開く 

 今日のため積み重ねてきた記録が スマホ上に現れる

 言い聞かすように 大丈夫とつぶやいた


 僕にラベリングされた数字を 板の上から探し始める

 こぼさぬように見た僕の目に その数字は光って見えた

 花が咲き誇るように 体がどっと熱くなる

 拳と目をぎゅっと閉じれば 目がじんわりと熱くなる

 報われた 報われたんだ



 桜の余韻が残る今日 

 僕は丈が合わない制服に身を通す

 三年前の自分を ふと思い出す

 まだ見ぬ三年間の生活が 宝となるように願いつつ

 新入生として 校舎へと一歩歩みだした

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