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らぶがん いず べりぃぐっど。  作者: 源小ばと
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45/52

45.鍵

その恐ろしい言葉に息を飲むと、グランツは続ける。


「大丈夫、即死する程じゃない。オレの狙いは…」


地上へとゾーアンたちが這い出してきた。

皆、小さな体を一層丸め、口元に手を寄せている。


そして、ニコラとエオンさんの姿も…!


瞬時にグランツが動き、あたしたちも反応する。


ニコラは『生き字引』を守るため、両手を広げる。


エオンさんを捕まえ、鍵の情報を奪う気なんだ!


あたしたちの攻撃を跳ね返し、グランツが手を伸ばす…ニコラに!


グランツはニコラの首に腕を回し、再び空へと舞い上がる。


「ニコラ!」


悲痛な声を上げるエオンさん。


「婆さんを締め上げるより、こっちの方が早いだろ?婆さん、鍵の情報を吐かないと、この小娘の首の骨を折る」


グランツは淡々と語る。


「どうせ鍵の情報を教えても殺すくせに」


アコードが吐き捨てる。


「そうかもな。でも少なくとも、死ぬのは今ではない」


「教えたらダメだ!」


ニコラが力を振り絞って叫ぶ。


「こいつは鍵を知らなかったら終わりなんだ。扉の前でアホみたいに立ってることしか出来んのだ!」


「黙れ」


グランツが腕に力を込めたらしく、ニコラは苦しげな表情になる。


「この小娘を殺したら、順番にチビの一族どもを捕まえ、殺していく。それでも婆さんは黙っていられるかな?精神が持つだろうか?」


「…なに、私が死ねばいいこと。秘密を抱えて死ぬさ」


「エオンさん!」


その発言にあたしは彼女の肩をつかむ。


「なるほど。じゃあ、とりあえずこいつを殺すか」


グランツは軽くそういうと視線をニコラに送る。

彼女は苦しげに体をばたつかせる。


あたしたちは動くことができない…!


「やめろ…!」


絞り出すようにエオンさんが言った。


「なに?」


「…もうやめてくれ」


「やめて欲しい時はどうするんだ?」


エオンさんは涙で濡れた頬をぬぐいもせず、隣にいるあたしを見た。


「…許して欲しい」


「エオンさん…?」


そして空中を見上げ、言った。


「鍵の材料は…天使の翼だ。50人分の…」


天使の…あたしたちの翼!


「なるほどね。前の奴はその個数用意できなかった訳か。とりあえず1人分は手に入れられるとして…」


グランツの冷たい目があたしをとらえた。


「後は天界に行って調達するか。お話、どうも」


そう言って、奴は腕に再び力を込める…!


「ニコラ!」


「女王陛下、これを!」


その時、ビーカーを手にしたシェルダンが地下から飛び出してきた。


中には赤い液体?


ニコラは一目でそれが何かわかったようだった。


次の瞬間、ビーカーから巨大な赤いドラゴンが飛び出し、グランツとニコラ目掛けて突進していく!


不意をつかれたグランツはニコラから手を離し、交わす。


落下していく彼女をルウが受け止め、地上へとゆっくりと降ろした。


エオンさんはニコラを強く抱きしめる。


上空ではドラゴンが執拗にグランツを追いかけている。


「シェルダン、これは?」


ルウがビーカーを指差す。


「はい、実はここに辿り着いた時に後でこっそり調べようと思いまして、池の水を少々拝借していたのです。それをちょこちょこっと増やしまして。女王陛下の力であれば、少量でも扱えるのではと思いました」


さ、さすが…。


「少量でも水があれば、ゾーアンには力がみなぎってくる。感謝するぞ」


「光栄でございます」


ニコラに礼を言われ、シェルダンは恭しく頭を下げる。


「シェルダン。結界を張り、ゾーアンの民を守れ」


「御意」


今度は主人に命じられ、頷く。


「お二人も避難してください」


「私も戦えるぞ!」


「エオン殿のおそばに」


身を乗り出したニコラだったけど、そう言われて大人しく引き下がった。


「本当に…本当に申し訳ない」


「大丈夫ですよ」


泣きながらあたしの腕をさするエオンさんにあたしは微笑む。


ここで…終わりにする!



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