第七話 変化 part3
嘘?
朝八時。晴れ。昨日いきなり雨が降ったせいかその反対に雲もなく晴れ渡っていた。目覚めようとしたとき気づく。いつもの感じと違う。いつもの感触じゃない。その謎は体を起こしたときに解決した。僕以外の人間がキッチンで作業している。そうか、昨日はマイの家に泊ったんだった。
「あら、お目覚め?」
「ああ、おはよ。」
「遅い。って言いたいけど。ナイスタイミングでもあるのよね~。ちょうど朝できたとこ。」
「ありがと。すぐ準備する。洗面台借りるよ。」
顔を洗い。髪を整える。そして席に着く。
「いただきます」
二人同時に言った。ご飯に味噌汁、目玉焼き。和風よりな朝食。
味噌汁に手を付けてから、ご飯を食べ、目玉焼き。一通り口につけてから彼女が言ってきた。
「どう?おいしい?」
「うん?普通だよ」
「普通ってどういうこと?」
「普通においしいってこと」
「じゃあ駄目ね。彼女補正が入ってるのに。私もっと鍛えないと」
少し嫌味を込めたはずが、全然効いていなかった。そこが彼女のいいところでもあると思う。
「今日は何限目から?」
「今日は一限からなの。だからちょっと急いでる」
「休んじゃえば。どうせ寝て過ごすような授業なんだろ?」
「自分で選んだ授業なんだからそんことしない」
彼女は基本まじめな人なんだろう。いや、僕が不真面目なだけなんだろうか。そしてそんな彼女に引っ張られているのも悪くないと感じてしまう。彼女の魅力に日々引き込まれてしまっている。
「そっか」
僕がこんなにも余裕なのは朝起きてから今まで感じなかったからである。いや、正しくはマイのことを感じられたからである。なにも変化がない。なにも忘れたわけじゃないし。なにか違和感があったわけじゃない。彼は噓を言ったんじゃないだろか。
続く