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UNBELIEVERS  作者: 津嶋千世
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プロローグ

それが何者なのかは誰も分からない。突然現れて突然消える。その後には何も残らない。


 日本において最初に奴らに襲われたのは囚人が収容されている刑務所だった。否、正確には刑務所とは少し違う。何らかの精神的障害により罪を犯した者を矯正する目的とする施設でその名を「中央刑務所精神病棟」という。そこに収容された者はほとんどが一生をそこで過ごす事になると言われている場所で百人ほどの老若男女が精神科医の診察や指導を受けながら規則正しい生活を行っていた。

「規則正しい」

 それが奴らに狙われた理由の一つであったと推測される。奴らは多くの「患者」が屋外運動場に集まった時に現れた。何が起こっているのか、何も分からないまま多くの命が消えていき、皆パニック状態となった。目が開けられない程の光が降り注いだかと思うと次の瞬間にはさっきまで立っていた人間が死体となって倒れているのだ。見上げると眩しくて何も見えず、しかし確実に上からスポットライトのような光が差し込んでくる。そしてその光に捕らわれると傷だらけとなってしまうのだ。施設は丸ごと淡い光に包まれていて、それがまるでバリアのようになって中から逃げることも外から助けることも出来ないまま、光が消えたのは五日が経過した後だった。

 光が消えた後、現場検証が行われたが、様々な現場を経験してきた捜査官ですら吐き気を抑える事は出来なかった。あちこちに倒れたままになっている沢山の死体、多量の血の跡、その臭い、その全てが理解の範疇を超えるものだった。

 しかしそんな状況の中にも「生き残り」がいた。六人の男女が生存していたのだ。一人は瀕死状態であったが五人は意識もはっきりしていた。しかし彼らでさえ、あれが何だったのかを理解出来ていなかった。


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