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今の状況を一言で表すと、死にたい。

作者: まなつか



 僕は県内有数の進学校に通っている。

 まぁ、そんなことはどうでもいい。

 今、僕の状況を一言で表すと、死にたい。



 今、僕の頭の中に記憶はない。

 まるで過去の出来事を黒い幕で覆ってしまって隠すように見えないのだ。

 だけど僕は律儀に毎日日記をつけていた。見ようと思えばすぐ見れる。だけど、怖いのだ。過去を知ることが。過去から逃げるには、死ぬしか無い。死にたい。


 自分は誰からも必要とされていない。

 自分の代わりはいくらでもいる。

 だから死んでも構わない。

 そんな考えしか浮かばない。

 駅のホームに身を投げようかと思った。

 しかし、前に人身事故という名の自殺で電車が止まった時、みんな迷惑そうな顔をしていたのを思い出して思いとどまった。他人に迷惑をかけずに死にたい。


 僕に記憶が無いといった。

 友人の顔もぼんやりとしか思い出せない。

 廊下ですれ違う時、挨拶をされても困る。

 ヒントとなるのはメモだけ。

 朝見たら『●●に本を貸す』と書かれていたので本を貸しに行った。

 友人のことも思い出したくないのか。そんな自分要らない。死にたい。


 自分に生きている価値は、無い。

 進学校に行って、大学に行けば価値のある人間になると思った。だけどそうじゃない。僕自身に価値がないのだ。すなわち、死にたい。


 依存していたものを取り上げられた。

 わかったよ。如何にそれが大切だってことが。

 返してよ、返してよ。だけど、もう、返って来ない。死にたい。


 倫理に反したことをした。

 許して欲しい。

 死んで詫びる。死にたい。


 どうしても欲しい。

 だけどそれは他人の物だ。

 どうしてもどうしてもどうしてもどうしてもsぢだいっどうさいて

 ……手に入れられないなら、死にたい。


 自分が死ねば多くの人が幸せになり、世の中はもっと円滑になる。

 自分みたいな人間が消えればもっともっとみんな楽しくなる。

 だから、死ねない。


 自分はいつでも、他人に依存して生きている。

 見放されるのが怖かった。

 八方美人とは僕のこと。

 依存したい。全部、僕の全部を受け入れて欲しい。

 だけど、そんな人いないから。

 だから、死にたい。


 僕は、買っておいた、小分けされたビニル袋を取り出す。

 1g 10000円。

 効き目抜群と書かれていたのを思い出す。


 これからそのバカに高い『小麦粉』とやらを吸ってくる。

 そうしたら、もう僕は僕でなくなり、僕はこの世から消え、僕は死んだことになるだろう。

 他人に迷惑をかけない死に方とは、そういうことだ。


 僕は最期に格好をつけてこんなコトを言ってみる。


 死にたいなら死にたいと100回でも200回でも書いてみろ。生きる希望が沸くから。

 依存したいなら依存してみろ。相手の大切さがわかって、はなれなきゃと思うようになるから。

 生きたいなら、生きろ。精一杯。どこかで苦しんでいる誰かさんの分まで。



 死にたい。


 自殺、ダメ、ゼッタイ。

 他人に迷惑かかるから。

 死にたくなったら有り金叩いて遠くまで行こう。

 そこで、姿をくらませば、死んだことと同じだから。


 じゃあ、僕はそうするよ。

 みなさんありがとう。


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