5. さらば地球よ~
ふぅー、何とか終わったぜ。なんか長くなったケド。
危うくもう一話増えるところだったわ。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
はい、タイトルは宇宙戦艦ヤマトの歌詞の一部から取りました。別に宇宙には出ません。
~site 天界~
「…………分かったっス…………伝えて……了解っス………………」
魂の叫びとともに涙を出し切って燃え尽き体の色彩が薄くなって白目をむいていた私の耳に、ロットの声が聞こえてきた。
その声で私は、ハッとし黒目と体の色彩を取り戻した。
「あっ、気が付いたっスか」
私が気が狂った状態から戻ってきたのに気付いたロットがそう声をかけてくる。
「ちょっと、先代を呼んでくるっス。そこで待っててくださいっス」
そう言ってロットは私から離れていった。そして私は…
「戻れないのならどうするべきだろう。」
どうにか子供と触れ合える道がないか考えていた。
……
「…おや、気が付かれてましたか。すさまじい叫びでしたが、落ち着きました?」
少し経ったとき私に、1号さんと呼ばれている最初の天界人の人が話しかけてきた。
私は、1号さんを見て何か解決の糸口に近づいたような感覚を覚えた。
なぜだろうかと私は深く考えた。
「…天界人……天使….エンジェル………………ん?エンジェル?」
その瞬間私の頭に多数の宗教画の記憶があふれ出した。
(そうだっ!私たちがよくエンジェルと言っているのは、たいてい子供じゃないか!!)
私は天啓を得たような気持ちになった。そして…
「1号さん、エンジェル達ってどこにいるんですか?」
そう1号さんに聞いた。
「エンジェル達ですか?彼らは天国のほうにいますが、それがなにk「何でもないです!ありがとうございました!!」…は、はぁ」
(よし!次の野望は決まった、目指せ天国だ!)
私は1号さんを困惑させながら、次の野望に希望を見出しつつロットたちを待ち始めた。
……………………
体感で数分経ち1号さんが自らの勤めに戻っていった頃、ロットがファータを連れ戻ってきた。
「お待たせっス、じゃあ話の続きでm「ロットさん!!」…ハイ?何スか」
私はロットの話を遮り、先ほど新たに決めた野望伝えるために口を開いた。
「私を天国に連れてt「無理っス」…ほへぇ?」
ロットの口から出た超速な否定の切り返しによって、私は変な声を出した。
「な、なんでぇ!」
(理由は!理由は何だぁ!!)
「簡単な話っス。さっき君が吐露した悍ましい叫びが天国で少々問題になったっス。
君の叫びを聞いたエンジェル達が、君の天国入りを拒否していると向こうから伝えられたんスよ」
…私はピシッと固まってひびが入り砂になった。
「ヒト懐っこいエンジェル達に天国入りを拒否されるとは…珍しいこともあるものだ」
ファータは冷静にそう言っていた。
……………
待っても待っても呆然しっぱなしの状態から戻らない私に対し。先に話を進めきってしまおうと思ったのか、ロットがまた話し始めた。
「いや~…、最初はお詫びの意味も込めて天国行でいいと思ったんスけどね。自分の不手際でこっちに引っ張り出してしまったっんスから。
ただ、向こうが天国入りを拒否する以上自分らとしては打つ手がないんスよ」
私は心ここにあらずのような状態で黙ってロットが言う事を聞いていた。
「でも、そろそろ君の行く先を決めないとまずいことになるっス。
ここ天界は、君たちヒトという存在が長時間いることを想定していない場所っス。
何が言いたいのかというと、そろそろ行先を決めないと君の魂の根幹にダメージが入る可能性があるっス。そこに傷がつくと魂が崩れ去って死んでしまうかもしれないんス。
なので、今は唯一行ける輪廻転生という道しか残ってないんスよ」
‘‘~魂の根本にダメージ‘‘の部分から私は自分の置かれている状況のひっ迫さを理解し始め。
最後まで聞いた段階で、もう行く先は決まっているのかもしれないと、
このまま運命に流されていく覚悟を決めていた。
…ただ、1つだけこれだけは聞いておきたいことがある。
「…輪廻転生したら今の私の記憶はどうなりますか?転生した後も…覚えていられますか…」
ロットは言いづらそうにしていたが結局こう言った。
「それは…無理っス…。
輪廻転生するときに記憶はリセットされてしまうっス。このシステムに..例外はないっス」
それを聞いた私は気が付くとロット,ファータに縋りついていた。
「嫌だ! この野望への熱意は失いたくないッ!! この感情は失くしたくないの……!!」
そして私は、嗚咽を漏らし静かに泣き始めた。それを見たロットはつらそうな顔をし、先代であるファータへどうにかできないか訴えかけるような目線を送っていた。
その目線の先にいるファータは何か考えているようだった。そして口を開いた…
「…どうにかできるかも知れない」
「えっ」
「ホントっスか!」
驚きの言葉がファータから出た。その言葉を聞き私の熱意は再び熱を持ち始めた。
「俺の管轄の世界ならできるかもしれない。あそこはまだ輪廻転生のシステムが粗い、狙ってやればほとんど確実に記憶を保持したまま転生できるはずだ。
だが、どんな種族に転生するかわかったもんじゃない。
…それでも、やるか?」
ファータの懸念の言葉は、今の崖っぷちな状態の私にはどうでもいい事のように聞こえた。
私は強い決意をもってこう言った。
「やります、やらせてください!」
「……分かった、では俺の世界について説明しよう。こっちにこい」
そうして、私は異世界に転生することになった。
ようやくですが、次回からin~異世界です。お楽しみに!




