4. 地球に戻れん!!
へへへ、まさか今回でも終わらないとはね。
…これが計画性のないやつです。
~site 天界~
「やっと、俺の手を離れたと思ったら…何をやってんだるんだお前は」
ロットは先代の神と呼ばれた男にそう言われた。
「いや~。それは、そのっスね」
ロットはしどろもどろになりながら言葉を紡いだ。
「ち、ちょっと操作中に意識を外してしまったといいますか…」
「ほう…つまりお前は、俺が代替わりの時に残したあの言葉を無視した、ということだな?」
そう言って先代の神は地球の上空部分を指さした。私もその方向に目を向けると。
(…なんかかなり上空のほうに書いてある)
[神の三基本]
・素早く
・正確に
・集中し
(なにあの、会社の謎の掟みたいなやつ)
「め、滅相もないですっ!」
「…じゃあなんでこんな俺の代から今に至るまで、一度も起こらなかったようなことが起きてるんだ?」
先代の神の周りの空気がどんどん重くなっていく
「ひっ……す、すいませんっすいません!!」
ロットは、よっぽど怖かったのか涙を流しながらひたすら謝りどんどんしおしおになっていった。
(あ、いつの間にか語尾が取れてる。それもそうか、なんか先代さんは…こう、神気?オーラ?みたいなのがすごいし。ロットは…うん)
「ふっw」
私の心を読んだのか先代の神が突然笑った。とたんに先代の神の周りの空気が軽くなっていくのを感じた。
すると、先ほど1号と呼ばれていた天界人が先代の神に話しかけた。
「ようこそお越しくださいました、ファータ様。お久しぶりですね」
(先代さんはファータっていうんだ)
先代の神の名前を聞き私は、やっと知れたと安堵した。
このままでは、ずっと先代さんと呼ばないといけないところであった。
「ああ、1号さんか確かに久しいな」
「はい、■■■■■ぶりですね」
(ん?今なんか聞こえない部分があったな…)
「…それはさっきも言ったっスけど存在の格の違いによるものっス」
いつの間にか、語尾も戻り完全復活したロットが隣にいた。
「……なるほど(もう何も言うまい)」
そして復活したロットは、ファータに話しかけた。
「先代、久しぶりの話に花を咲かせるのはいいっスけど。ここに来た目的を思い出すっスよ」
「…確かにそうだな。まぁとにかく、中断してしまったがお前への説教は後だ」
「ピッッ…。で、ではとりあえず君のこれからの話をするっス」
途端に私は、緊張で体に力が入るのを感じた。
「まず、前提だが君はもう地球に戻れない」
先代さんにこう言われた瞬間、私は体から力がスッっと抜け、膝から崩れ落ちた。
「…ほ、本当にすまないっス。地球から君の運命を引き抜いちゃって。
すぐに戻そうとしたんスけど、無理に戻そうとすると地球に大きな異変が生じる可能性があって、…どうやっても戻せなかったっス。
自分の力不足っス。重ね重ね本当に申し訳ないっス」
さすがに居た堪れなくなったのかロットはそう言って頭を下げた。
「……家族がいただろうに、こいつがすまんな…」
重ねてファータも悲痛な顔でこう言ってきた。
…でも違う家族が原因じゃない、私が本当に悲しいのは..悔しいのは…
「…私の野望がぁぁぁ!!!!!」
突然の私の魂の叫びにロット,ファータ,1号はビクッとなった。
「子供たちと過ごす私の野望が!!子供たちと触れ合って遊ぶ私の野望が!!子供たちと添い寝する私の野望が!!子供たちのキラキラする笑顔を増やす私の野望がぁぁぁ!!!」
魂の叫びを吐露した後、私はワンワン泣き始めた。
私の魂の叫びを聞いたロットと1号さんは。
「えぇ~」
と引き、ファータは…
「…最初と最後の叫び以外まともなのが無いではないか」
と冷静にツッコんでいた。
次回こそは!!天界の話を終わらせるッ!!




