15. 初めまして、私の希望
あぁ、楽しい。楽しいよスタレ。
間空けすぎたゼ★
...そんなことはともかく、今回遂に野望が叶います。
タイトル変更 野望→希望へ
~site ??地下~
「── <産卵> を使用するッ!!」
私は目をつむり、もしもを考え昨日のような衝撃に備えた。
……だが、待っても待っても昨日のような衝撃は訪れず、意識を失うこともなかった。
恐る恐る目を開けてみると…
[規定魔力量をクリアしています。 産卵メニューを開きますか? Yes : No]
目の前にそう書いてあった。
(あぁ…そっか……長かったなぁ。ようやく…ようやく叶うんだ!)
私は心の中で感動していた。
(もう放さない…、せっかく掴んだんだ。このチャンスは、絶対に放さない!)
私は、迷わず Yes を選んだ。
[承認確認 産卵メニューを開きます。なお<産卵> のLv不足により一部のアンターが表示されません]
「・ヘルパー MP30
・???
・???
・??? etc 」
「メニュー……なんとまぁゲームチックな」
興奮を抑えつつ私は唯一選択できるヘルパーを選び、スキルを発動した。
「…ッッ?!」
体からごっそりと力の抜ける感覚がした後、目の前が光り始めた。
私は体勢を崩しながらも眩しい光から目をそらした。
─数秒の後ようやく光が弱くなり、私は発生源に目を向けた。
そこには…
「か、可愛いぃぃ!!!」
私の大体3分の1くらいの体長のアンターがいた。
(この子が…私の子。正真正銘、私の子なんだ!あぁ、なんて…なんて可愛いいんだろう!
確かに、まだまだ途中で過程も最初考えていたことと違う。でも、これでよかったんだ──私の野望が……今、現実になった!!…今はただ、その事実が私にとって一番大きい)
(──今までありがとう、私の野望)
そして、目の前の子にこう言った。
「…初めまして、私の愛しの子」
それを聞いた彼女は、首をコテンと傾げまっすぐ私を見た。
~site 天界~
「ふむ…どうやら初動は上手くいったようだな」
咲の様子を見ながらファータはそう言った。
「俺の選んだスキルが活用できているようで安心した。…まぁ、創造った方のスキルを使うタイミングはまだ先だろうが」
「…先…ぃ~」
ふと遠くからそんな声が聞こえてきた。
「おっと、観察に夢中になってしまっていたな。そろそろあの馬鹿の様子でも見に行ってみようか」
そう言ってファータは声の発生源へ向かって行った。
少し移動した場所では。
「ヒィィ~!なんなんスかこの量はぁ~!?」
馬鹿…もといロットが膨大な量の魂を相手に悲鳴を上げていた。
ファータは説教の後ロットへの罰として、自身の世界の傷ついた魂の選別をさせていた。
普通、魂が傷つくことはないが。ある特定の行為や状況、呪いなどによって傷つくことがある。そういった魂を天国もとい──"魂の休息地"へ導くのもファータ達、神の仕事だ。
─なお、現在ロットの管轄である"地球"は、そういった魂の傷つく行為が存在しないため、ロットにとって魂の選別は初めての経験である。
「ほう…まだ叫べるだけの元気があるようだな。……では、あちらの魂たちも頼もうか」
ファータの示した方向には、ロットが相手にしている魂達とは比べ物にならないほど膨大な数の魂達がいた。
「ピッ?!…先代の鬼ッ!悪魔!!」
「……神だが何か?」
そうこうしているうちに、段々とロットは冷静さを取り戻していき、あることに思い至った。
「─なんか、なんかおかしいっス!冷静に考えてみれば、1号さん達から暇を出されるのと先代の罰のタイミングが合いすぎてる気がするっス!
──ま、まさか」
ロットはファータのほうを見た。
「…なんだ?…あぁ、安心しろちゃんと話し合っておいたからな。時の心配はしなくてもいいぞ。1号さん達も、こちらは大丈夫と言っていたからな」
ファータはさわやかな笑顔でそう言った。
「グ、グルだったんスかぁぁ?!!!」
ロットの叫びが天界を揺らした。
~site ??地下~
咲は自身の子を愛でていた。かれこれ数時間、休むことなく愛で続けていた。
「可愛い~カワイイ~****!」
時折、聞き取れないほどの悍ましい言葉を口から零しながら愛で続けていた。
そんなこんなで愛で続けていると。
「……ハ、…ハ…ハウ…エ?」
「*********……えっ?」
咲が前足で抱きしめ、愛でている子が声を発した。
「ハ…ハウエ、ハハ…ウエ」
(……喋ったぁぁ~?!……あ、あたりまえか。…それにしても、声も可愛良いねぇ~)
「は~い母上ですよ~」
咲はそう話しかけた。
「…ハハウエ。ワタ…シ、シゴト……ナニ?」
なんと、その子は生まれてすぐの身でありながら仕事の話をし出した。
「へっ?!しごと…仕事!?」
(は、早すぎんだろ…生まれてすぐに仕事の話?!)
咲は心の中での口調が乱れるほど驚いていた。
(でもそっか……これがアンター種なんだ。これが、人とは根本的に違う人生観……)
働くために生まれ、働く中で死ぬ。本能にまで打ち込まれた労働という楔。
咲は初めて、強く種族の違いというものを意識した。
しかし、同時にその本能に対する反骨的な気持ちが芽生えた。
(…種族の違い?…それがどうした!
そんなものが、私の野望を諦める理由なんかにならない!!
本来は働くためだけに生まれた子たちであっても、私は絶対に酷使なんてしない。この子達に、働く以外の生まれた意味をあげるんだ!)
(だから、まず最初にすることは…)
「そうね~……よし、決めた。あなたの最初のお仕事は」
(これだよね!)
「─私に甘やかされること!…いい?」
「ハハウエ?…ワタシノシゴト?…アマヤカ…サレル?」
「そうよ、とことん甘やかしてあげるからね」
「ワ、ワカッタ…?」
(…フフフ、"甘やかす"ってことがどういうことか分かってないみたい。…でも、少しずつでいいからこの子には、働く以外の"生まれた意味"を見つけてほしいな)
「…ねぇ、……あなたに名前をつけてもいいかな?」
私は、思うが早くそう聞いていた。
「ナ…マエ?」
「そう、"なまえ"。いつまでも名前がないのは不便でしょ?」
「…ウン」
「……いい子ね」
私は今考えた名前を、この子に伝えた
「…どうかこの子が、自分の生に働く以外の意味を見つけて、野心を持ち…願いに向けて向上していく心を持てるようになりますように。
…だってあなたは私の、この世界にきて……いや、前世から持ち越してきた "希望" なんだから。絶対にあなたに"働く"以外の意味を見つけてあげる」
「約束だからね、……アスプライト」
2章完結です。
次回からは、間章に入ります。長かったり短かったりしますが、そこも楽しんで見てってください。
間章に出てくるキャラクターが本章内で出るのは6章ぐらいになるかなぁ。(未定だけど)




