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2「不意に召された人形達」

突然の災難に見舞われてしまった祖母、久美と真紀の人形は

もしかすると祖母の身代わりになり、命を救ってくれたのでしょうか?

◆不意に召された人形達◆


それから三か月後、お婆ちゃんの家が火事に見舞われてしまったのだ。

幸い祖母は近所の親切な人達の命がけの救出で、間一髪で命を救われた。


久美は沸々と湧きあがる色んな気持ちを抑え切れないでいた。


(わたしが遠いから・・・すぐに何もしてあげられない。

だと言って今のわたしが両親に強く口出しが出来る訳でもない。)


慌ててお婆ちゃんを迎えに行った久美とその家族。

久美はお婆ちゃんの元気そうな顔を見てほっとした。

そして煤だらけの部屋へ入ってあの人形が飾られてあったあの場所を見ると、

人形は何処にも見当たらなかった・・・。


(真黒だ・・・。)


久美は必死の思いを打ち明けた。


久美「お婆ちゃん又わたしたちと一緒に暮らそう!ねぇお父さんお母さん駄目かなぁ?」


しかし両親は顔を見合わせて黙り込んでしまった。

久美がお婆ちゃんの方を見ると、お婆ちゃんはただ静かに何度も頷いていた。


祖母「無理言うんじゃないよ。

お父さんにもお母さんにも事情ってもんがあるんだからねっ。」


久美「そんなぁ~ねぇお婆ちゃん一緒に暮らせばいいじゃん。

その方がお婆ちゃんだって寂しくなくなるんだし。」


祖母「そうだね。だけれど私は大丈夫さっ、まだピンピンしてるからもう少し

ワガママを言って独り暮らしがしてみたいんだよ。」



久美「本当に?それはお婆ちゃんが望んだ事なの?」


祖母「ああっそうだよ。」


久美「・・・。」


(だけれどわたしはお婆ちゃんのそんな言葉を信じられる筈はなかったが

本人の口から聞いた手前、ただ信じてるふりしかできなかったのだ。)


しかしその年は例年よりも寒い日が続いていた。


(新しい部屋に早く暖房を入れないと、お婆ちゃん寒くて眠れないんじゃないかなぁ~。)


とはいってもお婆ちゃんの家までは新幹線で数時間もかかる場所。

そんなに頻繁に行ける訳じゃない。



久美「お父さんお母さん仕事が忙しいのは解るけれど、早くお婆ちゃんに

もっと暖かい暖房器具を買ってあげてよっ。

なんならわたしのお小遣いを出して買ってもいいから。」


しかし父の反応は・・・。


父「そのうち時間が出来たら考えてみるから、しばらく待ってくれないか。」


久美「じゃ出来るだけ早くしてね。」



久美はお婆ちゃんが今にも寒さに耐え忍んでいるのではないかと、

考えると不憫でならなかったのだ。



久美「あっそうだ!お婆ちゃんに電話してみよう。」



久美は心配になってお婆ちゃんに電話をかけた。



久美「お婆ちゃん元気?寒くない?」


祖母「心配しなくて大丈夫だよ。久美が持ってきてくれたコタツもあるし

電気ストーブも買ってもらったから、今は暖かいよ。」


久美「だけれど・・・こんなに寒いのにそれだけじゃ心配だよ。」


祖母「なら又、こっちへやってくる機会でいいんだよ。」


久美「そっかなぁ~お婆ちゃんが心配でしょうがないんだよ。」


祖母「久美は優しいねぇ~有難う。」

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