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4話 赤龍降臨


小1時間ほど馬を走らせると農作物豊かなサク村に着いた。ここにはガルさんの部下が居るらしいが...


「あそこじゃな、おーうい!レオーナの冒険者ザンクじゃー!助太刀に参ったぞぉ!」


流石ドワーフ、目がいい。そして声が大きい。

気づいたのか先でまだ豆粒位にしか見えないの人影が手を振っている。


「行くわよヴィルちゃん。」


「はいっ。」


少し馬を走らせるとそこには見知った顔がいた、名前は知らないがガルさんの部下たちだ。


「あなた達、状況をお願い。」


「はっ」


1番真面目そうな男が一歩前に出て状況を報告してくれる。

どうやら村に被害なし、ドラゴンは付近の滝に居るのを確認した様だ。

中々の命知らず、やっぱ兵士はそこらへん強く無いとなれないのだろう。


「わかったわ、兵士の皆さんはここで守りを固めててちょうだい、ザンク、ヴィルちゃん行くわよ。」


「いちいち言わんでもいいわ!」


「あら、やけに声が大きいから耳が悪いのかと。」


「まぁまぁ、行きましょうザンクさん。」


そう言い自慢の長耳を触るマリーナさんと凄い睨みつけてるザンクさん。ううむ、戦闘の不安は無いが道中で胃がやられそうだ。



ーーー



川を遡る事数十分、大きさにして20mはありそうな赤いドラゴンを発見した、報告通り滝の横で眠っている。


「こんな近くにドラゴンが...」


「村が襲われなかったのは奇跡に近いわね。」


「中々のデカさじゃの、忌印からして高位のドラゴンじゃろうがなしてこんな場所で眠っとるんじゃろか。」


3人でドラゴンを見つめる。

高位のドラゴンに限らず、知性ある魔物の対処法は大まかに2つある。

一つは対話、基本丸く収まることはないが生贄などを出すことによって被害を抑えられる。

二つ目は討伐だ。1番丸く収まるが下手を打てば怒りを買い全員死ぬ。


今回のドラゴンだが明らかに訳ありだ。魔物寄せを使える程のドラゴンがこんな辺鄙な場所に居るのがまずおかしい。

基本ドラゴンは財宝を好み自分の住処に全てを隠している。

よってこのドラゴンは何らかの理由により住処を追われたのだ。


魔物寄せの忌印も自分の周りの人間を一掃する為にあえてカーラを逃したのかもしれない。

つまりあのドラゴンは自らで手を下せないほど衰弱している可能性がある。


だがまぁここまで考えてただの気まぐれです、ってのもあり得るから魔物は恐ろしい。


マリーナさんとザンクさんも同じ考えなのか互いに目を合わせ頷く。


まぁここは。


「不意打ち最大火力でしょ!フリーズ!」


マリーナさんが一言で詠唱を終えドラゴンが凍り始めるが、ゆっくりと目を開いたドラゴンがみじろぎしただけで厚さ1mはゆうに超える氷を砕いた。


「何が最大火力じゃ、半端な事しおって!」


間髪入れずにザンクさんが飛びかかる、その手にはザンクさんの2倍程の大きさの鎚。

ドワーフの種族魔法により大地から抽出された鎚。


流石のドラゴンも喰らってたまるかと言わんばかりに抵抗をする。


「ちぃ、こやつ頭の回転が早いの。翼を犠牲に頭を守りおった」


寸でのところで翼を代償に頭部を守ったが翼は外殻を砕かれ飛ぶことはおろか移動すらままならないだろう。


「何よ、あんたも半端じゃないの!」


「何を言っとるか、わしゃ十分仕事したわ!」


「そんなの私もよ!」


凄いなあの2人、ボロボロとは言えドラゴンを前にしても喧嘩するのか。


「「あとは任せたぞ」わよ」


そう、俺もただ突っ立って2人の戦いを見物していたわけじゃない。


作戦は簡単だ、マリーナさんが大声と魔法でドラゴンの気を引き、その間にザンクさんが俺を空に打ち飛ばす。

そしてザンクさんが翼を折りドラゴンを空に飛ばせない。

最後に打ち上げられた俺が自由落下の勢いを乗せて、ドラゴンの首を


「っぜりゃぁ!!」


断つ




剣に鱗の硬さは感じず、ただ針の穴を通すが如く。あるべき場所に剣を最速でなぞる。


ただそれだけで赤龍の強靭な首は落ちた。




「ドラゴン討伐完了だ...」


でもせめて作戦は言って欲しかったなぁ、唐突に打ち上げられた時は天に落ちたのかと思った...

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