表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

1話 久々の討伐クエスト

王都の持つ領土の端の端。王都民だと名乗るのも恥ずかしい小さな町、その名をレオーナ。


かつては最前線の街と有名だったのも20年も前の話、俺が働きに出る頃にはどの店も人を雇えるほど繁盛していなかった。


普通は都会に出稼ぎに行ったり家業を継ぐが、俺はこの小さな街で冒険者をやっている。理由という理由はない。

まぁ冒険者と言ってもダンジョンの踏破とかはやったことが無い。森に沸いたモンスターを討伐するのが主な仕事だ。


それ自警団で良いじゃんとも思うが一応レオーナも王都の領土、町内は国の中央から左遷させられたやる気のない兵士たちが働いているため入る余地はない。俺らは外専門の駆除業者みたいな所だ。



「9997、9998、10000っと。」


日課の素振りを終え汗を服で拭う。


素振りなどの頭を使わない鍛錬は考え込む癖が付いてしまった。

剣を鞘に納め、あらかじめ汲んでおいた水を喉に流し込む。


さて、今日はどんな仕事があるかね。



ーーー



町の中央に鎮座したここで2番目に大きい建物、ギルドに入る。

ここでは俺を含め6人が専属の冒険者が駐在している。腕は立つが癖のある人が多い。


「おーっす、なんか良いあるー?出来れば討伐系ー」


こいつは俺じゃないぞ、同期のミリアンダー。槍使いで弓と同じ間合いで槍を投げる。控えめに言ってここのギルド最強の男だ。しかも長身金髪碧眼の美男子だ妬ましい。


「お?ヴィルじゃーん!あっはは全然気づかなかったわアサシンすぎー!」


「よぉミリ、この間の報酬もついに尽きたか。」


「そーなんだよーお酒飲んでご飯食べてたら一瞬で無くなっちゃってさー!そうだ、ヴィルも一緒に討伐いこーぜ?」


「ああ、あればな。」


久々にシラフのヴィルと最近の状況を話しながらカウンターに向かう。

ギルドのカウンターといえば可愛い女の子が定番なのだがあいにくこの街はど田舎だ、よってここに居るのは歴戦の受付嬢、レミーラさんだ。御歳50歳20以上年前から受付嬢をやっている。


「おはよう。ヴィルにミリ、いい所に来たねぇ。」


「おっすレミさん!もしや討伐系がある感じ?そんなこと言ってドブ攫いとかは勘弁よー?」


少し待ってなさいと言いレミさんが棚から一枚の紙を取り出す、ギルドに出す依頼書だ、栄えてる所だとクエストボードに貼り付けられるがここじゃ1日一件あるか無いかなのでクエストボードは片付けられた、レミさんがわざわざ一つしかないクエストの為に掃除場所を増やすのが億劫らしい。


「ああ、行商人が道中オークに襲われてねぇ、なんとか逃げ帰ってきたけどこれじゃ帰れないから討伐を頼むってね。」


報酬金を見ると銀貨三十枚、安いには安いがそこそこの値段だ。


「それじゃあその依頼を受けたい。」


「あぁ、ヴィルとミリ。討伐頼んだよ。」


「おっしゃ任せちゃってよ!」


細腕に力を込め意気込むミリアンダー、どこからあの投擲力が生まれてるのやら、魔力量なんだろうなぁ


「レミさん、行ってくる。」


まぁ俺は普通に。


「行ってらっしゃいねぇ。」


クエスト開始である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ