表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

逆転生! 乙女ゲームから転生した俺はウルトラハッピーエンド観覧車スチルを目指す!

作者: ハルユキ


第6回なろうラジオ大賞応募作です。


 俺は【白馬燈路】乙女ゲームの本命ヒーロー!

 あの時トラックに轢かれそうなヒロインを華麗にレスキューハグ! ——できてたら今頃はUHエンド観覧車スチルに辿り着いてたのかもしれない。


 あの世界が乙女ゲーだと気づいたのは小3の時。


 ねーちゃんに「手伝って」と言われるまま学園乙女ゲー『ディア・メロ』を手に取りOPムービーが始まった途端今までの記憶が蘇った。


 元々その世界出身だからゲームは楽勝。

 でもおかしい。観覧車スチルが出るはずのUHエンドルートがない。俺の理想なのに!!


 ——レスキューハグが成立しなかったから?

 ってことはレスキューできなかったヒロインもこの世界に転生してる可能性がある(と信じる)。


 一縷の望みにかけた俺は、その日から勉強、運動、礼儀作法、ファッションセンスにファイナンシャルプラン、鍛錬の限りを尽くした。


 そうして高校の入学式。

 俺の運命は今日決まる。

 この世界で(出会うかもしれない)ヒロインと恋に落ちて遊園地へ誘い観覧車スチルをゲットするんだ!


 俺は必死に落ちているハンカチを探す。


 ヒロインのハンカチを拾ったことがきっかけで、二人は打ち解けるのだから。


(見つけた!)


 と思って廊下に落ちていた白いハンカチに手を伸ばしたけど虚しくも俺の手の甲は誰かの上履きに踏まれた。


「痛ってぇ」と情けない声が出る。


「見せて」

「へ?」


 白く長い指に優しく手を取られ、目の前で柔らかな香りをまとった黒髪が揺れた。


「君、新入生代表の子?」

「そうです。生徒会長」

「さすが、顔覚えるの早いね」

「そちらも」

「探してたから、君のこと」


 目の中央がふっくら広い生徒会長の整ったアーモンドアイが真っ直ぐに俺を見つめる。


「はい、落とし物」


 渡されたのは紛れもなく俺のハンカチ。

 咄嗟に廊下を振り返ると、爽やかイケメンが白いハンカチを拾い眼鏡女子に渡しているところが見えた。会釈をする彼女と親しげになるイケメン。


(距離近くない!? そこを退け! 本命ヒーローは俺だ!)


 今すぐ挽回しようと会長に感謝を伝え二人を追いかけたけど、それぞれお手洗いに行くようなので諦めた。


 いいや、セーブ前だしロードしよ。


 …………で き な い 。

 ここ現実世界だからそもそもセーブとかないし。

 本命ルート逃して当て馬ルート入っちゃったってこと?


 目の前が真っ暗になり倒れる寸前、会長が俺を受け止めてくれた。


「全く。君からは目が離せないな」


 なんだか乙女ゲームみたいなセリフが聞こえた気がした。


お読みいただきありがとうございます!


評価・いいね・ご感想大歓迎です!


『なろラジ大賞』書くのも読むのも楽しませていただいています!

ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ヒロインが落としたハンカチを拾うことからヒーロー物語が始まって…とやり直しを望む白馬くんだけど、自分のハンカチを拾ってくれた生徒会長とのルートがもしかしたら本命ルートかもしれないんじゃないかな、と思い…
まさかハルユキさんが乙女ゲームでなろラジに攻めてくるとは思わず、やられたー と思ってしまいました。 そして、気になるところで終わっちゃいましたね。 これは会長がヒーローで、主人公はヒロイン役でしょうか…
かなり苦しいんですが、主人公の名前、『白馬』と書いて『シムラ』と読んだりしませんか? ※「しむらー!!後ろ後ろ!!」って言いたいだけです。 ウルトラハッピーエンドはすぐそこなのに気づかないとは白馬君…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ