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ホーム

君はその時ホームにいた

白い光が残る田園を

くたびれながらペダルを漕いで来た

ぶかぶかの学生服は

君の胸を高ぶらせている

いってらっしゃい


君はその時ホームにいた

ユニフォームの色は

君の想いでびっしょりになっている

君はラケットを

おもいきり床に叩きつけた

おかえりなさい


君はその時ホームにいた

男と一緒の君は

嬉しそうで何度も顔を見ている

君の最初の想いは

一房の葡萄のように甘い

いってらっしゃい


君はその時ホームにいた

手作りのチョコレートは

君の想いで溶けそうである

苦しくて辛い君の心は

霜枯のように枯れてゆく

おかえりなさい


君はその時ホームにいた

手垢がついた単語帳は

プルプルと上下に揺れている

電車の警笛を聴いた君は

不安な顔をまっすぐあげた

いってらっしゃい


君はその時ホームにいた

勢いよく電車から降りた君は

携帯電話で誰かと話している

君が話す表情は

笑顔でとても嬉しそうだ

おかえりなさい


君はその時ホームにいた

白い光が残る田園を

悠然とした表情でペダルを漕いで来た

色がはげた学生服は

君の目を真っ赤にさせる

いってらっしゃい


次の日からホームに誰もいなかった

次の日も 次の日も

最後まで僕を使ってくれた君へ

ありがとう


きっといつかまた

君がホームに来ることを信じて

僕は目を瞑った


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