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under 500 Ⅱ

不幸中の幸い

笑わない少女。


ずっとずっと無。


オモチャ屋に行っても。


テレビを見ても。


美味しいものを食べても。


笑わない少女。


「ごめんなさいね。こういう子だから」


「いえ。大丈夫ですよ」


シングルマザー。


仲良くなって、しばらく知らなかった。


バツイチも、子供がいたことも。


数日前に、初めて知った。






牧場の空気は、きれいだ。


清々しい気持ちになる。


少女は、変わらず無表情だ。




『ソフトクリームあります』


そんな文字が、目に入った。


これならイケる。


すぐに、売り場に向かった。


ソフトクリームは、誰でもテンションが上がる。


少女も、きっと笑ってくれるはずだ。




ソフトクリームを、ひとつだけ買った。


嬉しくなって、少女の元に走って向かった。


その時、なにか硬いものに、つまずいた。


埋まっている石のようだった。


そのまま、豪快に前に転んだ。


ソフトクリームはしっかりと、顔の中心を捉えていた。


最悪だ。


意外と、ねっとりしていた。



冷たさを手で拭っていると、その先に少女が見えた。


少女の目尻は下がり、口角はしっかりと上がり、クシャッとなっていた。

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