異世界ものに出てくるレベルってなんなの? というひとに対して、個人的な考えを書いてみた
「レベルが上がったからパラメータが伸びるんじゃない。パラメータが上がったことがレベルに反映されているんだ」
こういう意見を目にしたことがあります。
ファンタジー小説のレベル表記ってよく考えたらおかしくないか?
経験値だけ集めていきなり「ちから」とか「はやさ」が伸びるなんて変だろ?
という問題提起です(以下、こういう意見のかた達を「レベル違和感派」と呼びます)。
このエッセイは、「レベルが上がったらパラメータが伸びるのは変」という意見のかた達に、こういう考えもあるよと提示するものです。
わたしは、レベルだろうとなんだろうと作者が必要だと思ったら書いたらいいと思っているので、レベル違和感派のかた達が何故そこまで嫌がるのか、最初はよく解りませんでした。
似たような意見を読むにつれ、このひと達は自分とスタート地点が違うと気付きました。
レベルの捉えかたの差があるのです。
レベル違和感派にとってのレベルは、「段位」のようなものだとわたしは思っています(違和感派ではないので、ほんとは違うかもしれませんo(_ _;))。
なんらかの力を得たら、それを得た証としてレベルが上がる、というような捉えかたで、だから
「レベルが上がった
ちからが2あがった
はやさが4あがった」
のような表記ではなく、
「ちからが2増えたのでレベルが1上がりました」
のような表記が正しいのではないか?
とおっしゃっている。
一方で、わたしのイメージするレベルは、「制限」です。
「レベル」というものが存在する世界では、大概「魔法」「スキル」「ジョブ」も存在します。現実世界とはまったく違う世界です。
そこには大抵、神さまが存在しています。
わたしは、「レベルはその世界の神によって与えられた制限」であり、レベルが上がると「パラメータのキャップが外れて今まで習得したものが一気に反映される」のだと考えています。
そういう世界では、人間(含むレベルが表記されるもの)は、生まれる前にはパラメータがMAXの状態なのです。
そこに神さまが、「お前はレベル1の段階ではこれだけのパラメータだ」と制限をかける。枷をはめる。
モンスターと活発に剣で戦ったり、冒険で経験値を得てレベルが上がった者は、レベルアップで「ちから」や「はやさ」が解放されやすい。
魔法の研究をしたり、魔法の精度を上げてレベルアップした者は、「かしこさ」や「まりょく」が解放されやすい。
神さまによっては、ジョブごとに上がりやすい能力を決めていたり、キャップが外れるまでに必要な経験値を変えたりしているでしょう。
なかには、個人々々に別の制限をかしている神さまもいるかもしれません。どれだけ魔力を鍛えようとしてもだめだった、というようなキャラクターはたまに見かけますが、神さまがそういうふうに制限をかけているのでしょう。
「なかったものを得ている」のではなく、「もともとあったものを発揮できるようになった」が、レベルに対するわたしの捉えかたです。
レベルとは、「外した枷の数」なのではないでしょうか。
じゃあどうして神さまがそういう制限をかけているのか? ですが、それは解りません。神さまは人間とは尺度が違うでしょうから、理解できることではないです。
「その世界ではそうなのだ」と納得するしかないと思います。
「レベルを表記することそのものに対する違和感」は、個人の感覚なのでどうしようもないですしどうにかしようともおもいませんが、「レベルアップでパラメータがいきなり伸びる違和感」に対しては、こういう考えもあるんですよと伝えたかったので、こちらを書いてみました。
読んで戴いてありがとうございました。
こういう考えもあるよ! というかたは、ぜひエッセイにして投稿してもらえると嬉しいです。