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7、城からの依頼

城に着くと、近衛兵がトワロと私を大広間まで案内した。


「トワロ、お城からの依頼って難しいのかな? 」

私が聞くとトワロは首を振った。

「聞いてみないことには分かりません」


「トワロ、朝葉殿、よく来てくれました」

「女王様、こんにちは」

私が頭を下げると、女王は笑ってから困った顔をした。


「トワロも朝葉殿も、もう聞いていると思うのですが。街道にマンドラゴラの集団が出ました」

「はい、伺っております」

トワロは答えた。

「それを退治してほしいのです」

女王は困った顔で言った。

「セリスの助けが借りられれば簡単なのですが」

「セリスって誰? 」

トワロの言葉に私が反応した。


「セリスはセイレーンと人間のハーフで、眠りの歌を歌える女性です」

女王が難しい顔をした。

「セリスは気ままな性格ですから、力を貸してくれるかは分かりません」

「そうですね・・・・・・」

トワロも困った顔をしている。


「美味しい物を食べさせてあげるって言ったら力を貸してくれないかな? 」

トワロは私の提案を聞いて、微笑んだ。

「朝葉様ではあるまいし・・・・・・」

「ちょっと、どういう意味!? 」

私は少し怒ってトワロに言い返した。


「トワロ、朝葉殿、王宮としてはどのような手段を使ってもかまいません」

女王は言葉を続けた。

「ただ、街道にマンドラゴラが群生している状況は避けたいのです」

「はい、女王様」

トワロが先に答えた。

私も頷いた。


「それでは、セリスに力を貸してもらえるよう交渉してみます」

トワロはそう言うと女王にお辞儀をした。

私も慌ててお辞儀をした。

「頼みましたよ、トワロ、朝葉殿」

女王はそれだけ言うと、奥の部屋へ戻っていった。


「セリスってどんな人? 」

城を出て、私はトワロに訊ねる。

「ちょっと変わってるかな」

「ふうん」


トワロは言った。

「セリスは海岸に一人で住んでいる」

「じゃあ、今からセリスの家に行くの? 」

「そうしようと思うけれど、朝葉様は何か希望がありますか? 」

「ううん。海の幸、美味しいよね」

私がそう言うと、トワロはちょっと不安そうな顔をした。


そうこうしながら、私たちは海へ向かった。


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