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48、ドラゴンパイの作り方

 朝葉達は王宮の帰り道に、岩場に寄った。

 すると、そこにはドラゴンが居た。

「うわあ、おっきい!!」

 朝葉の声に反応して、トワロは剣を、セリスは銛を構えた。


「行くよ!!」

「分かりました、朝葉様」

 朝葉はコカトリスの剣を構えて、ドラゴンに斬り掛かった。

「セリスさん、眠りの歌をお願い!!」


「分かったよ、朝葉」

 セリスは眠りの歌を歌い始めた。

 ドラゴンの動きが鈍くなる。


「鑑定! ドラゴンの弱点は喉元だよ!!」

「分かりました。ウインドカッター!!」

 トワロはドラゴンの喉を狙って、風魔法をとなえた。

 しかし、ドラゴンの喉は軽く傷がついただけで、致命傷には至らなかった。


「光魔法、シャイニングソード!!」

 朝葉のコカトリスの剣が光る。

 ドラゴンは火を吐いたが、朝葉は素早くかわし剣をドラゴンの喉元に突き立てた。

「ぐわあああああっ!!」

 ドラゴンは尻尾を振った。


「きゃあっ」

「朝葉様!?」

「朝葉!!」

 朝葉はドラゴンの尻尾にたたきつけられ、地面に倒れて泥まみれになった。


「う……はぁはぁっ」

 朝葉はヨロヨロと立ち上がり、ドラゴンを睨み付けた。

「もう一息です、朝葉様」

「うん!!」


 朝葉は弱っているドラゴンに駆け寄り、喉元に刺さったコカトリスの剣を思い切り押し込んだ。

「……!!」

 ドラゴンは倒れた。ドラゴンの首は石化していた。

「やった! 勝てた!」


 朝葉はコカトリスの剣を抜くと、食材袋と良く切れる普通の剣を取り出した。

「朝葉様!? なにをするんですか?」

 トワロは、まさか、と言う表情で朝葉に訊ねる。

「解体!!」

 朝葉は目にもとまらぬ早さでドラゴンの鱗を剥がし、肉を切り分けていく。


「うーん、三人じゃ持ちきれないかな?」

 朝葉は次々と切り分けたドラゴンの肉を食材袋にしまっていった。

「ちょっと、朝葉!? こんな大量の肉、どうするんだい?」

 セリスは大きな声で、朝葉に訊ねた。


「タンシチューにしたり、ステーキにしたり、あと、ミートパイにする」

「ドラゴンの鱗は王に献上しましょう。すべてだと多いので、残りは冒険者の館へ持っていきましょう」

 トワロは呆然と立ち尽くしていた。

「はい、このふくろはトワロが持ってね」

 朝葉はトワロに食材袋を二つ渡した。


「セリスさんも持ってね」

「あ、ああ」

 セリスも二つの袋を渡された。

「お、重い!!」


「うん、だってドラゴン、おっきかったもん」

 三人はドラゴンの肉と鱗を抱えて、王宮に向かった。

「王様、女王様、ドラゴンを倒してきました!!」

「え!?」


 朝葉は、ドラゴンの鱗を女王に見せた。

「本当のようですね。朝葉殿、お疲れ様でした」

「いいえ。それではもう帰りますね」

「ドラゴンを倒した後は、何をするつもりですか?」


 女王の問いかけに朝葉は笑顔で答えた。

「ドラゴンパイを作ります! そして、また新しい食材……じゃなくてモンスターを倒しに行きます!!」

「トワロ、セリスさん、二人はどうしますか?」

「朝葉様についていきます」

「私も朝葉についていくつもりです」


「それでは、もうバンガローに戻りますね」

「王様、女王様、失礼致します」

 三人はバンガローに帰り、朝葉はドラゴンの肉を使った料理を沢山作った。


「うん、きょうも良い出来だよ!!」

「ドラゴンを食べる日が来るとは思いませんでした」

「私もだよ」

 三人は、ドラゴンのタンシチューやステーキを頬張った。


「さあ! ドラゴンのパイが焼けたよ!!」

 朝葉はオーブンから焼けたばかりのパイを取り出して切り分けた。

「いただきます!!!」

 三人はフォークとナイフを構えて、パイを口に運んだ。




最後までお付き合いいただきありがとうございました!!

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