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47、ドラゴンの足跡

「朝葉様、大変です! 町の傍の岩場にドラゴンが現れたようです!」

 朝葉が昼食をとっていると、トワロが駆け込んできた。

「何ですって!? ドラゴン!? とうとう来たのね……」

 朝葉は頬張っていたサンドイッチを牛乳で飲み込むと、立ち上がった。


「それじゃ、岩場に調査に行きましょう!」

「ええ、朝葉様。セリスさんにも声をかけてきたので、セリスさんも来てから調査に向かいましょう」

 トワロはそう言って、空いている椅子に腰掛けた。

「コカトリスの剣もお持ち下さいね、朝葉様」

「うーん、でも石化しちゃったらドラゴンが食べられなくなっちゃう」

 朝葉は口を尖らせたが、トワロの真剣な表情を見て二階からコカトリスの剣を持ってきた。

「あとはセリスさんの到着を待つだけだね」

「こんにちは! セリスです!」

 元気の良い声がドアの方から聞こえた。

「朝葉、ドラゴンが出たんだって!?」

「そうみたい。いまから3人で調査に行こうと思っているところ」


 セリスは少し難しい顔をしてから頷いた。

「そうだね。じゃあ、行こうか」

「そうですね。場所は町の傍の岩場です」

 トワロはそう言って立ち上がった。


 3人はバンガローを出て岩場に向かった。

「ドラゴンか。大っきいんだろうな……」

 朝葉が言うと、トワロが言葉を続けた。

「それに、とても強いです」


「そろそろ、岩場じゃない?」

 セリスはそう言って、早足で歩き始めた。

「セリスさん、一人で行ったら危ないよ」

 朝葉もセリスを追いかけて小走りで岩場に向かった。


「うわあ。岩山羊が食い散らかされてる……」

 一足先に岩場についたセリスは、辺りの様子を見て絶句した。

「本当だ。うわ、大っきい足跡。私の身長くらいある……」

 朝葉も辺りを見て、言葉を失っている。


「ドラゴンは、もう居ないようですが。こんなに町の傍まで来るとは思いませんでした」

 トワロは息をのんだ。

「今日は、王様と女王様にドラゴンが来ていることを報告しに行きましょう」

 トワロが言うと、朝葉とセリスも頷いた。


 王宮に行くと、中はなんだか慌ただしい雰囲気だった。

 謁見の間には、王と女王が座って兵達に何か指示を出している。

「これは朝葉さま。良いところにいらっしゃいました」

「女王様。実はドラゴンが岩場に現れたようです」


「ええ、それでドラゴン退治を朝葉様にお願いしたいと考えていたところです」

 女王は、そういうと朝葉達をじっと見つめた。

「しかし、朝葉様の騎士レベルではまだドラゴンとの対決は難しいかも知れません」

「岩場には、岩山羊の死骸が沢山転がっていました。町にドラゴンが来たら大変です」

 トワロが女王に進言した。


「とりあえず、今はドラゴンが現れないことを祈りましょう」

 女王はそう言って、ため息をついた。

「ドラゴンか……美味しいのかな?」

 朝葉が呟くと、トワロがたしなめた。


「朝葉様、命がかかっているんですよ?」

 トワロが厳しい顔で注意した。

「うん、分かってるよ」

 朝葉は素直に頷いた。




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