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46、巨大ウニ

「朝葉、今大丈夫かい!? カレドの町の傍の海に巨大なウニが三匹現れたんだ!」

「ウニ!? やった!! 大好物だよ!!」

 朝葉は冒険の用意をして、食材袋を取り出した。


 カレドの町まで歩いていると、角ウサギが出たが今の朝葉とセリスの敵ではなかった。

「よし、カレドの町についたよ!」

 セリスがそう言うと、朝葉は新しい食材袋を確認した。


「うん。準備は良いよ。さあ、巨大ウニを倒そう!!」

 朝葉はそう言って、剣を構えて海に向かった。

「さあ、海辺に行こう!」


 海辺に行くと、大人と同じくらい大きなウニが三匹うごめいていた。

「あいつら、沢山海藻を食べるし、漁師を毒針で攻撃するし困ってるんだ。セリス、早く倒してくれ」

 漁師がセリスに言った。

「まかしといて。行こう、朝葉!」

「うん!」


「ライトニングソード!」

 朝葉が呪文を唱えると、剣が光った。

「行くよ! 鑑定! よし、口が弱点だよ!!」

 セリスはそれを聞くと、銛で巨大ウニをひっくり返した。


「朝葉、お願い!」

「えい!!」

 朝葉は巨大ウニの口にライトニングソードを突き立てた。


「!!!」

 巨大ウニは動かなくなった。

「よし、この調子で後二匹!」

 朝葉とセリスは連携して、次々と巨大ウニを倒していった。


「よし。それじゃ、解体!!」

 朝葉は解体のスキルで、ウニの身を取り出した。

「やった!! ウニ山盛りだよ!!」

「ありがとう、セリスに、えっと……」


 漁師は朝葉を見つめてお礼を言おうとして口ごもった。

「朝葉だよ」

 朝葉は綺麗な海水でウニの身を洗いながら言った。

「朝葉様!? 勇者様がわざわざ来て下さったんですか!? ありがとうございます」

「いいえ」

 漁師達に見送られて、朝葉とセリスはバンガローに戻った。


「今日は、ウニ丼を作るよ!」

 そう言って、食材袋から巨大ウニを取り出した。

「うーん、いっぱい有るからウニのバター醤油ソテーも作ろう!」 


 朝葉はご飯を釜で炊きながら、醤油とわさびでタレを作った。

 調理に使う分以外のウニは、冷蔵庫にしまった。

 ご飯が炊けるまでの間にウニのバター醤油ソテーを調理する。


「よし、ご飯が炊けた!」

その時、ドアがノックされた。

「こんにちは。トワロです」


「あ、トワロ! 良いところに来たね!!」

 朝葉は笑顔でトワロを出迎えた。セリスも顔を出して言った。

「こんにちは、トワロ。今日はウニ丼を作ってくれてるよ」


「ウニ丼ですか。私の居ない間にモンスター退治に行ったんですか?」

 トワロが心配そうな表情で聞いてきた。

「あ、でも、直ぐ倒せたよ」


「朝葉様。怪我をしてからでは遅いのです。次は私にもちゃんと声をかけて下さい」

「はい」

 朝葉はちょっと反省して俯いた。


「朝葉、ごはん炊けたんじゃない!?」

「あ、本当だ!」

 朝葉はどんぶりを三つ出すと蒸らし終わったご飯をよそい、しそを刻んだ物をご飯にかけた後、たっぷりとウニをのせて、わさび醤油をかけた。


「はい! ウニ丼と、ウニのバター醤油炒めだよ!!」

「トワロ、一緒に食べよう!」

「……セリスさん、朝葉様……そうですね。いただきます」


 セリスとトワロがテーブルに着くと、それぞれの前に大盛りのウニ丼が配膳され、中央にウニのバター醤油炒めが置かれた。

「私も食べよっと」

 朝葉も席に着くと、ウニ丼を自分の前に置いた。


「いただきます!」

「ウニが甘い!!」

「つぶつぶが口の中でとろけますね」

 セリスとトワロがそれぞれ感想を言う。


「ウニのバター醤油炒めも濃厚で美味しい」

「いくらでも食べられちゃいそう」

「炊きたてごはんのおかわりもあるよ!!」

 結局朝葉達は三人ともおかわりをした。


「ごちそうさまでした」

 三人は満足して、空っぽになった器をにっこりと見つめていた。

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