40、暴れ水牛のスペアリブ
「朝葉様! 町外れに暴れ水牛が現れました!」
「そうなの!? 近いね、退治に行こう!!」
トワロと朝葉は、町外れの暴れ水牛の元に向かった。
「いました! こちらに突進してきます!!」
「トワロ、避けて!!」
朝葉の言葉を聞いていたけれど、トワロは暴れ水牛に向かっていった。
「トワロ!?」
トワロは暴れ水牛の角を掴んで、動きを止めた。
「えええ!! トワロ凄い!!」
「朝葉様、今のうちにとどめを刺して下さい!」
「うん!! 急所を攻撃するよ!」
そう言って朝葉は、暴れ水牛の額に剣を立てた。
「えい!!」
朝葉が力を入れると、暴れ水牛はその場に倒れた。
「解体!!」
朝葉は解体のスキルで、暴れ水牛を骨と肉、皮と内蔵に解体した。
「それじゃ、持って帰るよ」
「はい、朝葉様」
朝葉達は解体した暴れ水牛を食材袋に入れると、バンガローに帰っていった。
バンガローに着くと、暴れ水牛の内蔵や肉の下処理をして、冷蔵庫にしまった。
「今日は、スペアリブを作るよ」
朝葉は骨付きのスペアリブをオーブンに入る大きさに切って、すりおろしたタマネギのソースに漬け込んだ。
しばらくして味がしみこんだ頃、スペアリブをオーブンに入れて焼いた。
「良い匂いがしてきました」
トワロがそう言うと、朝葉は頷いた。
「そろそろできるよ」
オーブンが鳴った。
「できあがり! 切り分けるね」
朝葉は焼き上がったスペアリブを骨にそって切り分けた。
そのとき、ドアをノックする音が聞こえた。
「こんにちは、朝葉」
「セリスさん、良いところに来たよ! 今からスペアリブを食べるの。一緒に食べよう!」
「ああ、ありがとう」
朝葉達はテーブルに着くと、山盛りのスペアリブと取り皿が置かれた。
「スペアリブは手で食べてね」
朝葉はそう言って、トワロとセリスにお手拭きを渡した。
「いただきます!」
「香ばしくて、甘くてしょっぱくて美味しい!!」
「肉が、かみごたえありますね」
「うん」
朝葉達はスペアリブを食べてお腹いっぱいになった。
残った分は冒険者の館に持って行くことにした。
「今日も美味しかった」
「ごちそうさまでした」
朝葉達は上機嫌だった。