表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/48

19、闇コウモリの味噌田楽

「トワロ、闇コウモリって何処にいるの?」

朝葉が聞くと、トワロは答えた。


「森をすぎると砂漠があります」

「うん」

朝葉が頷くと、トワロは話し続けた。

「その砂漠の入り口にダンジョンがあって、その一階に闇コウモリはいます。」

「そっか、けっこう遠いんだね」


朝葉はカバンに簡単なお弁当を三人分詰めた。

そのときドアがノックされた。開けるとそこにはセリスがいた。

「おっす! 朝葉、トワロ」

「セリスさん」


「今日は何処に行くんだい?」

「ダンジョンの一階です」

「そうか、ダンジョンは初めてだな」

セリスがそう言うと、朝葉とトワロは頷いた。


三人は砂漠に向かって歩き出した。

砂漠までは特に強い魔物もいない。

順調に歩き続けて、昼過ぎには砂漠に着いた。


「ダンジョンに入ったら、お弁当にしよう」

朝葉がそう言うと、トワロとセリスは頷いた。

お弁当には味噌むすびが入っていた。

「お味噌、美味しいよ」

「いただきます」


「美味しい!」

セリスが言うと、トワロが続けて言った。

「複雑な味ですね。深みがある」

「でしょ、発酵食品美味しいよね」

朝葉が得意げに答えた。


「それでは、ダンジョンの奥に行きましょう。闇コウモリは暗いところを好みます」

「はい、トワロ」

朝葉は剣を手に、ダンジョンの奥に進んだ。

辺りが真っ暗になる。

「朝葉様、光の魔法で辺りを照らして下さい」


トワロがそう言うと、朝葉は戸惑いながら手をかざした。

「こうかな?」

そう言った瞬間、まばゆい光に闇コウモリが照らし出された。


「来た!!」

「行きましょう!!」

「うん!!」

トワロが剣で闇コウモリに斬り掛かる。

闇コウモリは一メートルほどの羽を羽ばたかせ、逃げてしまう。


「ここは私が!」

そう言って、セリスが銛を投げた。

命中した。

闇コウモリはあっけなく倒れた。


「それじゃ、解体、解体と」

朝葉が闇コウモリを光の魔法で照らしながら、解体し、その肉をカバンにしまった。

そして、三人はダンジョンを出た。


「あ、サボテンが生えてる! 美味しそう!」

朝葉は外の光に目を細めながら言った。

「サボテンもたべるのですか?」

「うん!」

トワロは疲れたように笑った。


三人はバンガローに戻った。

朝葉は手を洗ってから、闇コウモリを焼き、田楽味噌を塗って炙った。

そして、サボテンを多めの油で炒めて醤油をかけた。


「さあ、出来たよ!」

「いただきます」

トワロとセリスは、闇コウモリの味噌田楽を一口頬張った。

「あ、甘くてしょっぱくてクセになる味ですね」


「一杯、お酒が飲みたくなる味だな」

セリスがそう言うと朝葉は慌てた。

「私たちは未成年ですよ」


三人が舌鼓を打っていると、ドアを叩く音がした。

「失礼します」

「はい」

ドアの外には兵士が立っていた。

「女王さまからの伝言です。明日、レストランにおいでになりたいそうです」


「ええ!?」

朝葉は慌てた。

冷蔵庫を見ると食材は十分あった。


「レストランの様子を視察したいとのことです」

「わかりました」

朝葉はそう答えると、トワロに言った。

「いつもの料理をだせばいいんだよね?」

「はい、たぶん・・・・・・」


朝葉は緊張しながらも、明日の準備に取りかかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ