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冒険者 カイン・リヴァー  作者: 足立韋護
第四章 【失礼冒険者と失われた海域】
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孤高のエルフ

「ひゃっ! って、またあんたらなの」


 ローゼは髪を揺らして振り返り、カインらを睨みつける。以前骨折していたであろう足には特に何も異常は見受けられなかった。


「足、もう平気そうで何よりです」


「え? ええまあ。お陰様でね」


「今回のクエスト、お前も参加するのか」


「参加するだけであれだけの報酬が貰えるし、色々条件も良いじゃない」


 アベルは一枚の紙を取り出した。このクエストを告知する内容が記載されていたが、参加するだけで多額の報酬が得られるだけでなく、成功した際には更に多額の報酬があると書かれていた。

 その紙の下部には、クエストの達成条件があった。それは、ルーダ島に隠されたお宝を見つけ出すことである。


「けど、思ったより参加者は少ないわね」


「なんといっても、島は失われた海域にありますからね。冒険者が尻込みするのも頷けます」


 ローゼはきょとんとした様子でアベルを見つめた。


「失われた? なにそれ」


 アベルもまたきょとんとして、首を傾げた。


「謎の船舶事故が多発する魔の海域です。周辺の漁師はおろか、どんなに、頑強な船でもそこは避けて通ることで有名なんです。誰も近寄れない海域、だから失われた海域と呼ばれています。知りませんか?」


「へ、へぇ? あぁそうなの。教えてくれてありがと」


 ローゼの顔は若干引きつってはいたが、平静を装いつつ顔を背けた。

 カインは腕組みをしながら大きく頷いた。


「誰も近寄らないからこそ、お宝ってのは残ってんだ。最近はタダ働きばっかだったし、今回は頑張るっきゃないな」


「ローゼは今回一人ですか?」


「ええ。私に仲間はいないし、必要もない」


 ローゼは表情を変えることなく、毅然としていた。カインが「この前死にかけてたばっかだろ」と言おうとしたところで、案内人が集合を呼びかけてきた。ローゼはひらひらと手を振ってから、先に案内人のもとへと歩いて行った。


「あいつ大丈夫か」


「気にはなりますが……まあひとまず我々も行きましょう」


 案内人が小さな台座の上に立った。


「今回の依頼主、かの有名な冒険者であり現アビシア領主、コングラウス卿の温情により、頑強な大型船を用意していただいています。これに乗り、ルーダ島を目指します。また本日は船の最終点検のため、明日の日の出とともに再集合していただきます」


 案内人は一呼吸置いてから、あらかじめ準備していたように、淡々と続けた。


「今回の宿舎も、コングラウス卿がご用意下さった場所ですので賃金は発生致しません。これから行く場所は、失われた海域。辞退をする方は明日の朝集合せずに、そのままお帰り下さい。それではひとまず、解散とします」


 案内人は台座から降り、そのまま名簿を抱えたままどこかへと去った。

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