作戦会議
「皆さんどうぞ。」
「これはギルド長からのおごりよ。」
ジョゼとリセさんが飲み物を配ってくれる。
今、ギルドにはワーガルオールスターwithホルスト~姫様を添えて~が集合していた。
「なるほど…、ってそれじゃあ俺が狙われるんじゃないか!しかも、そんなヤバい奴に!」
「ああ…。まだ、24歳なのに未亡人になるんだわ。」
「エリカ殿、大丈夫だ。伯爵令嬢のエリカ殿になら結婚相手を紹介してやれるぞ。」
「ルクレス、ありがとう。」
「いやいや!今トウキさんに死なれたら困るっす!」
「アベル。ありがとう。エリカよりもお前に惚れそうだよ。」
「それは遠慮するっす。」
「そろそろ真面目に考えませんか?」
「ふむ。ジョゼのいう通りだな。」
ジョゼとフランクさんが場をまとめる。
「ムナカタが良い奴なのはわかったけど、向こうが仕掛けてくる以上、やるしかないよなぁ。」
「しかたいわよね。」
「私としてもトウキ殿とエリカ殿に賛成だ。」
「姫様の言う通りです!」
「じゃあ、ムナカタを返り討ちにするということでいいな。」
フランクさんが全員に同意を取る。
「そうしましょう。」
俺は代表して答える。
「それから、トウキ殿。」
「なんだい。」
「ムナカタ殿を倒すだけじゃなく、村正を解体してほしい。」
「それはまたどうして。」
「妖刀の名前、魔界の宝石を使っている点、そして人格侵食という能力。これらから、おそらくあれは人の負の感情を増幅させる類のものなのだろう。」
「なるほど。そんな危険なものを残しておくわけにはいかないな。」
「そうだ。すまないが頼むぞ。」
まさか、聖剣の次は妖刀を解体することになるとはなあ。
「では、作戦を考えよう。」
こういうときのルクレスは頼りになる。
というか、とてもイキイキしている。
「やはり魔王のときのように最大戦力で囲んで殴るか?」
フランクさんが提案する。
「いや、それは最後にしよう。」
「なぜです姫様。」
「村正の能力だ。皆で囲んで叩くとエサを与えることになりかねない。経験からHP吸収は身体に当たらなくても適用されるようだからな。」
「なるほどな。おそらくこの人数での攻撃を防御するだけでとんでもないことになりそうだ。」
みな頭を悩ませる。
「俺から提案がある。」
俺の提案を聞いた皆は納得してくれた。
俺が提案し終わった直後には「大丈夫、何があっても私はトウキの味方だからね。」とエリカは涙をながし、「必ずエルス家に報いるからな。」とルクレスに肩を叩かれ、「ギルドでトウキの悪口を言うことは禁止にするからな。」とフランクさんに励まされ、「トウキさんパネェっす。」とアベルには変に尊敬された。
作戦決行は3日後となった。




