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HURT  作者: CAPPY
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任務開始

 車を運転して2時間程経った頃、ようやく話に聞いていた目標の施設に到達した。アクセルを踏み続けて足がつりそうになっていたので、軽くストレッチをすることにした。いくら仕事で体を動かしているとはいえ、やはり長時間休憩なしの運転は疲れるものだ。

 足のしこりを取ると、無線を取り出してオペレーターの春香に連絡をとった。

「こちらチームα。ただいま目標の施設を確認した。これより任務を開始する」

「了解。任務の開始を確認致しました。これより情報漏洩を防ぐ為、メンバー以外への連絡を一切禁じます。もし、増援が必要とされる場合は、専用回線を使用してください。では、ご武運をお祈りします」

 連絡が終了し、無線をしまっていると、メンバーの一人であるクリスが小言を言ってきた。

「相変わらず愛想の無い喋り方をするなぁ、お前は。せっかく可愛い嬢さんが担当してくれてるんだから、たまにはお茶にでも誘ってみりゃどうだ?」

「お前は仕事中だということを忘れてないか?俺も彼女も仕事をしてるんでであって、遊んでるわけじゃないんだ。今は仕事に集中するんだ」

「わかったよ。相変わらず真面目君だな、お前は。春香ちゃんは俺が今度誘うとして、今は仕事に集中するとしますか」

  クリスはチームαの副隊長に指名として隊長である俺を補佐している。何かに付けて任務中にとジョークを言う癖が無ければ、優秀な副隊長である。大半はセンスが無いので、ジョークを言う度に仲間が反応できずにいる。

 双眼鏡を取り出して索敵に集中する。目標の施設に侵入するには門を通れば良いが、門番が2名、周囲を巡回している兵士が2名いるので、まずはその4名を排除しなければならない。

「それにしても厳重な警備じゃねーか。いくら最先端のコンピュータ研究所とはいえ、ここまで恐ろしいもんジャラジャラさせなくていいじゃねーか」

「確かにここは有名だが、ここまで厳重な警備を置く必要は無いはずだ。タレコミの信頼性が低いとはいえ、この状況を見る限り案外正しいのかもしれない」

「どちらにしろ、よっぽど取られたくないもんをしまってるだろうよ。ま、入る側の気持ちを少しは考えやがれ、って感じだがな」

 クリスは鼻で笑いながら、行動を開始するように促す。俺も彼に従い、チームαのメンバーに指示をすることにした。

「施設までは4人で固まって行動、目標施設内には僕とクリスが潜入、原田と松井は施設内に誰も入らないよう見張りを担当。今回はあくまで人質及び情報提供者の救出であって、戦闘そのものが任務ではない。極力戦闘を避け、見つからないように行動すること」

 立ち上がり、武器装備の状態をチェックする。異常が無いことを確認すると、俺はいつもしている通りに、

「これより、任務を開始する」

 と言い、チームαの行進を開始した。


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