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第二十一話『次の依頼』

「そんなに強くなくて、複数のモンスターが出て来る依頼がいいね」

と僕は言う。


「えー!つまんないー!報酬も低いし!」

とユカが言う。


彼女は実力もあるので自分より強い敵を倒して、大きい賞金を獲得したいタイプなのだろう。しかし、毎回それをやるのは危険だ。たまにならいいだろうけど・・・


「それなら良い依頼がある」

と話を聞いていた、小さな美少女シズクが呟いた。


---


「お、それはどんな依頼?」

と僕は、ちいさな斧使いの美少女シズクに聞いた。


「ワイルドフォックス」

と明快に答えてくれるシズク。


「暴れん坊のキツネ・・・?」

と僕はシズクが教えてくれたワイルドフォックスという単語を訳してみた。


「そう、彼らは人間の畑などを襲う」

とシズクは説明を付け加える。


「そうか、いわゆる害獣なんだね」

と僕がシズクに言う。


「そう、だから需要がある」

とシズクが僕に言う。


「害獣って??だから需要があるって何?」

と、ちんぷんかんぷんなんですけどー、と付け加えて美少女剣士のユカが僕達に聞く。


「害獣というのは、人間に害をなす動物のことだね。物理的に人間を攻撃してくる場合もあるし、畑などを荒らすというケースもある」

と僕がユカに応える。


「あーなるほど、そうならそうって言って欲しいわ!」

とユカが難しい単語を使ったことに対して抗議する。


「害獣退治の依頼は被害に合っている人が明確にいるから、多めの賞金をくれるってことだね」

と僕はシズクに聞いた。


需要があるというのはそういうことだろう。

依頼があって冒険者が依頼をこなすという事は、依頼主がいて、その人たちがお金持ちだったりお金が払える人だと賞金が高くなるはずだ。お金を持って困っている人の依頼に応えるのが一番効率がいい。いわゆる資本主義の原則に則っている。


「それなら一体ということはなさそうだし、僕が求めていた『そんなに強くなくて、複数のモンスターが出て来る依頼がいい』という条件に当てはまるね!それやろう!!」

と僕が言う。

キツネぐらいだったら即死ということはなさそうだし、何体も倒すことによって、複数のスキルを一気にゲットできそうだ。


「やりましょう!」

と話しを聞いていたおっとりお姉さんのハルカも頷く。


「でも、今日はみんな疲れてるから、今日はゆっくり休んで、明日ね!」

とウィンクするように僕の方を見て微笑んだ。


僕が今にも行きそうな感じだったのだろう。

そう、いますぐにでもたくさんのスキルが欲しいという気持ちが現れてしまったのだろう。


「そうねー!たしかに疲れたわ!じゃ、今日は帰って、ゆっくり休もー!紅茶ごちそうさまでした!」

とユカが店員さんに言って、僕らは宿に向かった。僕の分の宿はハルカさんがとってくれた。


そして、次の日の朝。


「よし、じゃあ、ワイルドフォックス退治と行こう!」

と僕が言った。

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