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第十三話『警戒』

だけど今は違う・・・。


「完全にガードに切り替えている」

と僕は続ける。

一度耐えて次の行動に集中しているものの動きだ。


そして


ミニドラゴンはバァァァァッと大きく翼を広げる。


「まずい!飛んで逃げるつもりだ!」

と僕はその様子を見て叫んだ。


---


「そうはさせない!!」

と美少女剣士のユカが走り出す。


彼女は、ミニドラゴンが空中に逃げる前に決着をつけるつもりだ。


「たしかに、あと何回か攻撃を与えれば倒せそうだ」

と僕もつぶやく。


ユカの剣による斬撃

シズクの斧による斬撃

ハルカの魔弾砲による砲撃


すでにこれだけのダメージを与えている。


「逃げようとするぐらいだから、深手は負っているはず・・・あと少しなはずだ!」

と僕は言う。


「どぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ」

と美少女剣士のユカは、全速力で走りつつ、飛びかかり、斬りかかった。


「グオォォォォォォ」

それを見ていた、ミニドラゴンの咆哮が響き渡る。


そして、ミニドラゴンは完全にユカの動きを捉えている。


「まずい、ガードされる!!」

と僕が大きな声を出す。


「そうか、本来は一人が引きつけて、攻撃する、というようなことが必要なんだ・・・」

僕はつぶやく。

実はいままで彼女たちはちゃんとそれをやっていた。

相手の姿勢や視線を崩してから攻撃していた。


しかし、それを繰り返しミニドラゴンの警戒レベルが限界まで上がっている。


「今回は相手が完全にこちらを警戒している」

と僕はつぶやく。


そう、ミニドラゴンにも余裕がない。

これ以上大ダメージを受ければやられてしまう。

そして、意識さえしていれば、しっかりガード出来る。


「とおぉぉぉぉりゃぁぁぁぁ」

とユカが気合を入れながら、ジャンプで斬りかかっていた。


「グオォォォォォ」

そうミニドラゴンは吠え、くるりと、体を回転させながら翼でユカの攻撃を弾く。


「うあああぁぁぁぁぁ」

とユカが叫ぶ。ミニドラゴンの翼によって、弾き飛ばされてしまった。


「私も行く!」

と、ちいさな美少女、斧使いのシズクが、重ねるタイミングで、ミニドラゴンに飛びかかる。


「まずい・・・」

僕はつぶやく。

そう、ミニドラゴンの姿勢が崩れてないのだ。

この状態で大きなモーションの攻撃をするのは危険だ。


「グオォォォォォ」

ミニドラゴンは更に咆哮し、くるりとシズクの方を向き翼で弾いた。


「やられた」

と言いながら、吹き飛ばされるシズク。


ユカとシズク二人の前衛の攻撃はミニドラゴンに弾かれてしまった。

防御に徹しているミニドラゴンに攻撃を当てるのはかなり難しいことのようだった。


「グオォォォォォ」

ミニドラゴンが更に吠える。

二人の攻撃を弾き、自由になったミニドラゴンは両翼を大きく広げた。


その風圧が僕らに届き、煙を巻き上げる。


「まずい!逃げる!」

と僕がつぶやくと同時に、ミニドラゴンはふわりと上空に浮かび上がった。

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